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卓球 アジア選手権でメダルラッシュ!“絶対王者”中国のエースを次々撃破の張本兄妹、強さの秘密は?【Nスタ解説】

総合
2024-10-14 20:44

カザフスタンで行われていた卓球のアジア選手権。男女ともにメダルラッシュで、“絶対王者”中国を圧倒しました。


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中国を上回るメダル数 元日本代表 加藤美優さん「本当にすごいこと」

南波雅俊キャスター:
約半世紀ぶりの快挙です。卓球のアジア選手権で、女子団体は金メダルを獲得し、決勝で中国の団体をやぶりました。

女子ダブルスは、大藤沙月選手と横井咲桜選手のペアが54年ぶりの金メダル、そして、男子シングルスは、張本智和選手が50年ぶりの金メダルを獲得となりました。

日本は金メダルが3個、銀メダルが2個、銅メダルが3個。一方、中国は金メダルが2個、銀メダルが2個、銅メダルが1個でした。獲得したメダルでは中国を上回ったということです。


卓球 元日本代表 加藤美優さん:
本当にすごいことですね。私が代表だったとき、中国に勝つのは本当に難しいことでした。団体戦で3本のうち1本をとることもすごく難しかったのですが、今回は勝ったということで、本当にすごいと思いました。

井上貴博キャスター:
中国はベストメンバーではないかもしれませんが、ここまで来たというのは、やはり歴史を変えることなのでしょうか?

卓球 元日本代表 加藤美優さん:
年々、日本は中国に近づいていると思います。


シングルス世界ランキング 中国が独占状態も“張本兄弟”が次々に撃破

南波キャスター:
“絶対王者”中国の壁といわれています。中国は、パリオリンピック™において、卓球の男女5種目全てで金メダルを獲得しました。

卓球のシングルスの世界ランキングの男子では、1位から5位まで中国が独占し、張本智和選手は9位でした。

女子では1位から4位までを中国の選手が独占していました。5位に早田ひな選手、7位に張本美和選手となっていました。世界のトップは中国が独占しているような状況です。


ただ今回、世界ランク7位の張本美和選手(16)が、女子シングルスの準々決勝で、世界ランク6位の中国の選手を3対1でやぶりました。

さらに、女子団体決勝では、第1試合で世界ランク4位の中国の選手を3対2でやぶり、4試合では世界ランク1位の中国の選手を3対2でやぶりました。

さらに男子シングルスの決勝で、世界ランク9位の張本智和選手(21)は、世界ランク3位の中国の選手を3対1でやぶって優勝しました。

中国のSNSで「張本兄妹の時代がやって来た。中国は今後数年間、大きな挫折に見舞われるかもしれない」と書かれるほど衝撃を与えています。


“中国選手でも対応難しい” 張本美和選手の成長

南波キャスター:
張本美和選手の成長について、卓球 元日本代表の加藤美優さんは「成長速度がスゴイ。パリ五輪という大舞台を経験して、中国選手に近い実力になった」とみています。

張本美和選手は、2022年3月に世界ランクが624位でしたが、2024年10月8日現在では7位となり、パリ五輪の最後の1枠も伊藤美誠選手と争い勝ち取っています。

卓球 元日本代表の加藤さんによると「特に『ストレート』の威力とスピードがどんどん上がっている。中国選手でも対応が難しい」ということです。


卓球 元日本代表 加藤美優さん:
卓球は、クロスの方が距離が長いので打ちやすいんです。張本選手はストレートという距離が短くて難しいコースに、すごく威力のあるボールを打てるので、そこが本当に素晴らしいと思います。

井上キャスター:
なぜ打てるのでしょうか。

卓球 元日本代表 加藤美優さん:
お兄さん(張本智和選手)も、もともとストレート攻撃がすごく得意なので、難しいですが、小さい頃からたくさん練習をしているからなのではないかと思います。

南波キャスター:
「クロス」と言われる対角線に打つ方が距離も長く、オーバーになりにくいところもあります。距離の短い「ストレート」は、ある意味攻める打ち方ですが、非常に精度も高くて決めやすいということです。


中国、女子史上初の金メダルゼロ

南波キャスター:
今回、中国はかなり苦しく、女子史上初めて金メダルがありませんでした。

チームを率いる中国の馬琳監督は表彰式に参加しませんでした

中国のSNSには「馬琳監督の表彰式への参加拒否は異常だ」「女子チームの監督はやめないのか」という声もありました。


「調整がうまくいかなかった」世界ランク1位の選手は棄権を発表

さらに世界ランキング1位の孫穎莎選手が不調だったということです。

女子団体の準々決勝の第1戦で、北朝鮮の金琴英選手に1対3でやぶれました。第2セットでは10連続で失点がありました。

孫穎莎選手は自身のSNSに「調整がうまくいかなかった」と投稿し、残りの試合の棄権を発表しました。


孫穎莎選手は、アジア選手権の前日まで、今年から開催された卓球熱の再燃を目指した大会「チャイナスマッシュ2024」に出ており、疲労もたまっていたのではないかとみられています。

拓殖大学の富坂聡教授によると、サッカーやバスケットボールは、なかなか国際大会で勝てず、国内の人気に陰りがあったということです。富坂教授は「卓球だけでも人気を維持させようと、メディアへの露出などを増やしているのでは」と指摘しました。

井上キャスター:
女子で考えると、世界ランキング上位5人の選手の平均年齢が、中国は26歳くらい、日本は21歳くらいだそうです。張本美和選手は16歳なので、次世代を育成できていて、日本はチャンスだと思います。

卓球 元日本代表 加藤美優さん:
日本は最近、特に若い世代からの強化がすごく安定してできているので、今後かなり期待できるのではないかと思います。

ホラン千秋キャスター:
中国にも若い選手がいないわけではないですよね。


卓球 元日本代表 加藤美優さん:
(若い選手は)いますが、ベテランの選手がオリンピックや世界選手権に出場してメダルをとることが多かったので少し日本と違いますね。

ホランキャスター:
ベテランの選手がいるため、若い選手が世界の舞台で経験値を積む機会が、そこまでないということなのでしょうか。

卓球 元日本代表 加藤美優さん:
そうだと思います。


==========
<プロフィール>
加藤美優さん
卓球女子 元日本代表
2017年、2019年 アジア選手権 団体銀


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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