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子どもと大人で異なる「すきっ歯」のとらえ方 「歯並びだけにこだわるのは卒業を」と矯正歯科医が指摘する理由

総合
2025-01-03 07:00

歯が小さく、いわゆる「すきっ歯」と呼ばれる歯並びの筆者。少しコンプレックスを抱いていますが、歯の間に挟まる物も大きいので、すぐとれるというメリットも。成人の場合、歯の間に隙間がない状態が正常だといいます。すきっ歯とどう付き合えば良いのか取材すると、成人とは違って、子どもの場合は「すきっ歯が理想的」だという話も出てきました。


【写真を見る】3歳半ごろの理想的なかみ合わせと歯並び 永久歯6本が先天的に欠如している症例も 「乳歯(子供の歯)」の表記


永久歯になった時に入りきらない? 実は「理想的」なすきっ歯

子どもの場合のすきっ歯は「みにくいあひるの子の時代」(Ugly Duckling Stage)と呼ばれることも。もし子どもがすきっ歯だった場合、早めに矯正した方が良いものか筆者も日々悩んでいます。


どう対応したらいいのか。すきっ歯について聞いたのは、いなげ矯正歯科医院(横浜市青葉区)の稲毛滋自さんです。


開口一番、稲毛さんは「子どもの時は歯と歯の間に隙間があるのが理想的」と強調します。見栄えだけを考えるときれいに詰まっていた方が良い気がしますが、なぜなのでしょうか。


稲毛さんは「なぜなら乳歯の後ろには、それより大きい永久歯が控えているからです。乳歯ですでに隙間がないと、永久歯になった時に入りきらないことがあり、不具合が出ます」と解説します。乳歯の段階できれいな並びにしたとしても、生え変わった時にまた、でこぼこになる可能性もあります。


隙間がある子どもはそれほど多くない 肌感覚と調査で見るその割合

子どものすきっ歯を心配して受診しに来る人もいますが、むしろ自然なすきっ歯であることは「素晴らしい」と稲毛さん。子ども時代は誇って良い歯並びです。


ただ、稲毛さんの肌感覚としては、隙間がある子どもは1割ほどだといいます。厚生労働省の2016年の「歯科疾患実態調査」によると、12〜15歳ですきっ歯の人の割合は10.5%、16〜20歳では10%にとどまっています。


その理由として、稲毛さんは「受け皿となる顔が細くなっている一方で、歯の大きさは大きくなる傾向にあるため」といいます。


また、乳歯のすきっ歯は、生え変わる頃には自然と隙間がなくなることが多いです。


大人のすきっ歯は注意 矯正の本来の意味「歯並びだけにこだわるのは卒業を」

話は変わりますが、筆者のような成人のすきっ歯には気をつけなければいけません。


成人のすきっ歯の場合、基本的には、歯の数や大きさに問題があり、定期的にメンテナンスをして経過を観察する必要が出てきます。


では、どのくらいのタイミングから矯正を意識し始めると良いのでしょうか。早ければ早いほど良いと考える人もいるかもしれません。稲毛さんは「いつ始めるのかを判断するのが矯正歯科医の役割」と話します。


まず、極端な例になりますが、乳歯が生えそろうとされている3歳半ごろに始めるのはやめた方が良さそうです。「多くの場合、その年頃に装置を入れて矯正治療をすることは、子どもにとって多大な苦痛を伴うものです」と稲毛さんも同調します。


さらに、早い時期に始めたからといって早く終わるとは限らず、10年といった期間がかかることもあります。単にちょっとでこぼこしているといった程度では、生え変わりの様子を見守ってからの方が良いです。もちろん、噛むのに問題がある場合にはその限りではありません。


一方、小学生になった頃にレントゲンを撮ると、埋まっている永久歯の数や何本欠けているかも分かり、対策がとりやすくなります。ということで、「矯正を始めるのは、上下の顎の骨格的な問題や、かみ合わせの問題がなければ、12歳頃になってからで良いのではないでしょうか」と稲毛さんは話します。


最後に、稲毛さんは「歯並びだけにこだわるのはもう卒業してほしい」と言います。


本来、「矯正治療」はかみ合わせを正常にするもので、歯並びはそのオプションに過ぎないそうです。きれいに並んでも、「開咬」(奥歯を閉じても前歯の上下に隙間ができる状態)などでうまく噛めない人もいます。


きれいに歯が並ぶのと、上手に噛めるかは別問題ということを意識して、自分の歯と付き合っていきたいと思います。


     ◇
取材:TBSテレビ デジタル編集部・影山遼


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