中居正広さんの女性トラブル報道をめぐり、フジテレビでのCM放映を見合わせる企業は50社を超えています。こうした中、ニッポン放送は中居さんのラジオ番組の終了を発表しました。
フジテレビのCM放映見合わせ相次ぐ、少なくとも50社以上
井上貴博キャスター:
各企業に波紋が広がっていますが、まずはCMの扱いをめぐる動きから見ていきます。
1月17日(金)にフジテレビが社長会見を行いましたが、その翌日以降、CM放映を見合わせる企業が相次ぎました。
20日午前に11社、夕方に25社、夜には40社と増えていきました。そして、21日には少なくとも50社以上がCM放映を見合わせました。
各企業がどのような声明を発表しているのか見ていきます。(各社HPより一部抜粋)
KIRIN
「記者会見における説明等を踏まえ、必要な調査が十分に行われ、事実が明らかにされた上で適切な対応がなされるまで広告出稿を停止する」
大正製薬
「CM放映に関して多くのお問い合わせをいただいている。総合的に判断し、当面の間CM放映を差し止める」
CM放映を見合わせた理由は他にも出ています。
企業の関係者
「社長のあの説明では多くの人が腹落ちしない」
「人権に関わるので、早く対応した方がいいとなった」
「対応が後手になることでブランド力が低下する恐れ。早めの判断をした」
CM放映の見合わせが続出した理由について、レイ法律事務所の河西邦剛弁護士は、▼継続によるイメージダウンを懸念したということや、▼“コンプライアンスを重視する企業”の意思表示だと話しています。
また、「記者会見後、フジテレビに対し不信感を募らせたスポンサーが増えた。CM継続はリスクが高いと判断し、危機管理として見合わせたのではないか」とも話しています。
ホラン千秋キャスター:
フジテレビの社長会見を受けて、翌日から様々な企業がCM放映を取りやめているということを考えると、この会見が、全くと言っていいほど説明責任を果たさなかったということは明白なわけですよね。
レイ法律事務所 河西邦剛弁護士:
各企業「リスクが高い」というふうに考えています。
やはり各企業も消費者との関係において、現在SNSは無視できないわけです。例えば、消費者がSNSで不買運動をするということになってくると、企業にとってはリスクになります。
なのでSNSの動きも加味すると、今は出稿するのがリスクになっているから、それを一旦停止して管理するというふうな方向になってるかと思います。
ホランキャスター:
大変デリケートな問題であるということ、それから大変深刻な問題である。そこに対して 企業がCMを流し続けると、「このテレビ局の考えに共感してるんですね」というふうに思われかねないというリスクを、企業として考えるのは当然のことですよね。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
やはりそういう考えになると思いますし、今回は問題そのものというよりも、その問題があったことに対するフジテレビの調査する姿勢や問題を明らかにする姿勢が、世の中やスポンサーに対して「まだ不十分」という見方をされているんじゃないかなというふうに思います。
「スポンサー側が返金要求や賠償請求を行うことは基本的にない」
井上キャスター:
多くのCMは今、ACジャパンに差し替えが行われていて、一般的には広告主の負担で行われるということを考えると、現時点ではフジテレビの業績に影響はあまりないと思うんですが、4月以降は大きな影響が出てくると思います。
例えばの話ですが、スポンサー側として返金要求や賠償請求を行うような動きになり得るものなんでしょうか?
河西弁護士:
返金要求や賠償請求を行うことは基本的にないと思います。あくまでも各企業側の判断(自主判断)においてACに切り替えているので、損害賠償や違約金の問題にはならないということです。
ただ仮に返金するということになってくれば、株主の方から「会社財産を毀損するな」というふうに言ってくる可能性があるので、ここでは経営者陣は板挟みになる可能性があります。
株主からすると、会社の所有者になりますから、例えばお金をスポンサーに返すとなると、会社の予算が減ってしまいますよね。なので「それはやめてくれ」と株主から横槍が入る可能性があるということですね。
「調査委員会」はどうなる?独立性・透明性の担保は?
井上キャスター:
フジテレビとしてどのような調査を行っていくのか。17日の社長会見で明らかにしたのが、第三者の弁護士を入れた調査委員会を立ち上げるというものでした。メンバーは少なくとも3人以上、専門性・独立性の高い弁護士を選出するとしています。
「スピード感をもった事実解明に一番ふさわしい体制」だとしていますが、会見では「調査の独立性を担保する日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会ではないのか」という疑問も記者から飛びました。
日弁連が示す「第三者委員会のガイドライン」
企業から独立した委員のみで構成。利害関係のある人はNG。
企業は調査に全面的に協力し、結果は原則公表。内容の事前確認は出来ない。
フジテレビが示した「第三者の弁護士が中心の調査委員会」
内部含め、利害関係のある人も選べる。
河西弁護士:
大きな違いを一言で言うと、「独立性の有無」なんです。独立性というところにおいて、現・経営者陣からの横槍が入るかどうかという話になってきます。
大きなポイントが二つあります。一つ目は、日弁連の「第三者委員会のガイドライン」というのは、調査を進めて、結果を公表するまで現・経営者陣には内容を知らせないんです。公表のタイミングで現・経営者陣が世の中と同じタイミングで知るということになってくると、横槍が入りにくいというところがまず一つ目のポイントになってきます。
二つ目は、調査委員会の委員を誰にするのかということが非常にポイントになってきます。利害関係のある人が入ってくると、“経営者陣のスパイ”のように調査内容について報告したり、内容を誘導したり、隠蔽などが行われる可能性が疑われてしまうので、委員については利害関係がない人というところがポイントになってきます。
ですが、どちらの委員においても、「誰を委員にするのか」というのは現・取締役会が決めていくことになるんです。
フジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングスには、「社内取締役」と「社外取締役」がいます。入社して出世して社長になった人が「社内取締役」。他の企業から監査が目的で入ってくる人が「社外取締役」。
なので、「社外取締役」を中心として委員を選任していくということがポイントになってくると思います。
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<プロフィール>
河西邦剛さん
レイ法律事務所パートナー弁護士
芸能・エンターテインメント分野の法律問題が専門
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身3児の父
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