はなふさ皮膚科・花房火月先生が語る 業界における今後のビジョンと分院展開の先にあるIT化戦略
2020-12-23 13:30:07
皮膚科医の地位向上、「はなふさ皮膚科」の分院展開、今後のビジョンについてお話を伺いたいと思います。
「医療法人社団清優会」理事長・花房火月先生
花房火月先生は、三鷹市、新座市、国分寺市、杉並区久我山などにある「はなふさ皮膚科」の理事長。東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院勤務などを経て、「はなふさ皮膚科」を開設。医師として様々なテレビ番組に出演し、2019年には著書「ぜんぶ毛包のせい。」を発表しています。
――皮膚科の地位というのはまだまだ先生の中では低いのでしょうか?
「低いですね。アメリカでは医者の中でも皮膚科医がトップレベルという認識なのですが、日本ではまだまだです。ここ20年で日本での皮膚科医の立場は顕著に上昇しましたが、今後は日本もアメリカのようになっていくのではないかと思います。」
――先生が皮膚科医を目指された理由はどういうところにあったのでしょうか?
「自分も元から肌が弱くて皮膚科に通っていたというのが大きな要因の一つです。なので、皮膚が弱い人を助けたいという想いがありました。もう一つはやっぱり人がやらないようなことをやったほうが良いんじゃないかという想いもありました。まだまだ伸びしろのある分野だと思ったんです。」
――開業後、徐々に分院を増やしていったわけですが、そこにはどういった考えがあったのでしょうか。
「開院した当初は利益度外視でやっていたのですが、患者さんの数も少ないし純粋に経営がきつかったんですよね。その後、皮膚外科を始めまして、全国から患者さんが来るようになって、三鷹のクリニックじゃ患者さんが多くてパンパンになっちゃって。とにかく広い所でやりたいと思って埼玉に分院を出したり、駅前に移転させたりとかして。それでも足りないのであちこちに出して、という感じですね。だから必要に迫られてという感じです。そこで初めてビジョンが大事だとか、単に皮膚外科の人が足りないから分院を作りましたというだけでは人がついてこないんだと言うことに気がつきました。
――都心から離れた郊外で分院の展開をされていますが、そこに何か考えはあるのでしょうか?
「これはかなりこだわりがありまして、まず大きなスペースが必要なんですね、我々の仕事は。都心だと広いスペースが少ないのと、あっても土地が高くて経営に向かなかったりして、あとはライバルも多い。なので、安定した医療をするには郊外が向いていると思ったんです。今後は東京を大きく包囲する形で分院を展開して、タイミングを見て都心にも出していくという方針を考えています。来年には埼玉の主要な所に分院を出して、再来年には東京を包囲していくというビジョンを持っています。」
――ライバルも多い都心に医院をだしても存在意義を発揮できる自信があるという事でしょうか?
「そこの難しさというのは他の開業医の方たちを見て嫌というほど感じています。クリニックを一個ずつ出していくというのは、そこの管理医師に依存するわけで。自分の分身を作っていけたらいいんですけど、そうはいかないですし。そういったリスクっていうのは絶対に消えないので。だからそういった問題をうまくカバーする仕組みが必要になってきますよね。そういう難しさは痛感していますけど、そのうえでいけると思っていますね。」
「やっぱり組織が良くないとだめですね。医療の方向性としては、より皮膚科・形成外科の領域を広げて社会に認められるようにして、美容とかもカバーして、高齢化にも対応していくというビジョンでやっているんですけど、あとは組織の経営としてはカギを握っているのはITだと思っていますね。従来の限界をITの力で突破したところって多いと思うんですよね。医療経営の分野もIT化することでブレイクスルーが起こるんじゃないかと思います。」
――そこはまさに勉強中という感じでしょうか?
「まさに勉強中ですね。データとかをクラウド管理してアクセスできるようにしてとか。ミーティング会議とかもパソコンでやるようにして、そうなると本部のスタッフが出勤しなくてもできる。そうなると日本中から優秀な人をスカウトできるという風になってきますし、分院をいくら作っても簡単に全体ミーティングなどもできちゃうわけですよね。なので、ITを駆使することが突破口になるんじゃないかと今すごく感じていますね。」
――では今後のビジョンのキーを握るのはIT化ということでしょうか?
「そうですね。クリニックの受付の無人化とか、キャッシュレス化とかそういうのをうまく駆使して組織していくところが今後勝ち残っていくんじゃないかと強く感じていますね。」
「はなふさ皮膚科」花房先生のお話でした。世の中の男性のコンプレックスを解消してくれる花房先生には、ぜひ今後も医院を広げていってもらいたいと思います。
情報提供元: マガジンサミット