疲れがとれない… それは「秋バテ」の症状かも
2016-10-11 18:30:14
執筆:井上 愛子(保健師・看護師)
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われます。暑さが落ち着き、心地よいはずの秋を望んでいたのに、少し涼しくなった秋口に、体調を崩す人も少なくないようです。
それはもしかしたら、夏バテならぬ、「秋バテ」かもしれません。
秋バテとは何か、原因と症状、解消法について紹介していきます。
秋バテとははどういう症状?
夏が終わり、朝晩が過ごしやすく感じる頃、「何となくからだがだるい、疲れがとれない」「食欲がない」「胃がもたれる」「肩がこる」「よく眠れない」などの不調を感じることがあります。
これらの一見、夏バテにとてもよく似た症状。これを「秋バテ」と言います。秋バテはおもに次の原因が挙げられます。
1.自律神経がうまく働かない
私たちの身体には、気候や刺激などの変化に反応してスムーズに適応できるように、体温や脈拍、筋肉や神経の緊張などをちょうど良くコントロールする機能があります。
この働きをしているのが「自律神経」です。
秋になって朝晩の気候の変化が激しくなったり、冷房を利用している屋内と外気温との温度差で自律神経がうまく働かなくなると、身体が変化についていけず、全身の不調を感じやすくなります。
2.身体を冷やすような夏の生活習慣が続いている
暑さがまだ残る日中、冷たい食べ物や飲み物を摂る習慣が続くと、胃の血のめぐりが悪くなり、胃の動きが弱くなります。すると消化力が弱まって、ますます胃は弱くなり、食欲がない・胃がもたれるなどの症状につながります。
このように食欲がなくなると、さらに疲れを感じやすくなってしまうのです。
これでスッキリ、秋バテ解消法
「自然に治るだろうから」と秋バテを放置したままにするのはやめましょう。放っておくと、次のような不調につながる可能性があります。
・疲れがずっととれず、気分が晴れない
・免疫力や抵抗力が下がり、秋から冬に向けて風邪や感染症にかかりやすくなる
これらの不調を回避するには、秋バテの原因、「自律神経の乱れ」と「消化能力の低下」への対策が必要です。
そのためには、決まった時刻に起き、3食しっかり食べる、冷たいものを控える、適度な運動をする、きちんと睡眠をとる、といった規則正しい生活をすると良いでしょう。
とくに自律神経の乱れは、これら生活習慣の見直しによって、解消することが大きく期待できます。
「疲れたときは無理をしない」とよく言いますが、これは「何もしない」ということではありません。身体がだるい、疲れるからといって、食事や運動習慣が乱れたままだと、さらに疲れを助長してしまうことがあります。とくに、適度な運動やストレッチは、頭をスッキリさせ、疲労回復、血のめぐりをよくする、寝つきを良くするなどの効果があります。
過ごしやすいはずの季節が「何だか疲れる…」とすっきりしない気持ちになるのは避けたいもの。
思い当たる症状のある人は、ぜひ一度生活習慣を見直して、気持ちの良い秋を迎えましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
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情報提供元: mocosuku