「医療法人あんず会 杏クリニック」理事長・鬼澤信之氏が在宅医療に対する思いを語る。「日本で一番の在宅療養ができる地域を作りたい」
2021-02-15 10:00:10
テンカイズα。この番組は、TBSラジオで放送中「テンカイズ」の番組内だけでは紹介しきれないアツイ人たちをYouTube限定で紹介して行く番組。様々な業界で活躍する人に迫ります。
今回のゲストは、在宅医療を通し高齢化社会を明るくしていく「医療法人あんず会 杏クリニック」理事長・鬼澤信之さんです。
杏クリニックとは?
宇賀なつみアナウンサー(以下、宇賀)「杏クリニックは現在どのようなことを行っているんですか?」
鬼澤信之さん(以下、鬼澤)「在宅医療という病院に通えない患者さんの家に行って診療をする医療を埼玉県で24時間提供している医療機関です。」
宇賀「24時間体制。じゃあ、常にお医者様がいらっしゃるということなんですね。」
鬼澤「そうですね。たくさんの医師がいるんですが、内科だけではなくて外科とか、泌尿器科、形成外科とかですね、そういった医師が24時間体制、チームで地域を守っているというような状況です。医院のスタッフもだいたい20代から30代くらいのスタッフでやっています。」
宇賀「へえ。若いんですね。それは何かこだわりがあって若い方を集めたんですか?」
鬼澤「そういうところもあるんですけど、やっぱり在宅医療を24時間しっかり提供しようと思ったらですね、ある程度若くて体力のあるチームではないとできないというところも実際あります。」
在宅医療の必要性
宇賀「超高齢社会と言われていますし、本当にニーズも増えているのかなと思うんですが、実際にはどう感じていらっしゃいますか?」
鬼澤「病院に通えない患者さんというのはたくさんいますね。そういう方は家から出ることができないので、あんまり気づかれないんですけども、やっぱり地域にはたくさんのそういう患者さんがいます。例えば家族が病院に薬だけもらいに行っていたりとか、そういう患者さんもたくさんいますね。」
宇賀「そういった現場に行くことによって感じることってありますか?」
鬼澤「在宅医療もそうなんですが、病気があっても家で自分らしく有意義に過ごすことができる社会資源がしっかり知られていないかなと思うこともあります。どうしても病気があると通院する、具合が悪くなったら入院すると思われているところがあると思います。通院が大変なのでご家族が車いすを押して病院に通院したりとか、入院の中で過ごす時間が増えたりとかしている方もたくさんいますが、家でもっと有意義に、ご家族とゆっくりすごす方がマッチしているという方はたくさんいると思います。」
よりよく人生を終えるために
宇賀「忘れられないシーンだったり印象深かったことなどはありますか?」
鬼澤「在宅の大事な役割の一つとして、お看取りというのがあります。ご家族とゆっくりとした穏やかな時間を過ごされて天寿を全うされたという方がいて、最初にそういう方の診療を行って最期の時間に立ち会わせていただいたことは忘れられない出来事となりました。特に人生の最後の段階というのは判断の連続なんですよね。どこで過ごすかということもそうですし、どこまでの医療を受けるか、何を食べるかとか。そういう中に医師として立ち会いますので、本当に家族のように、自分のおじいちゃん、おばあちゃんだったらどういう風にさせてあげたいかという風に、常に考えながらやるようにしていますし、他の職種の職員にも同じように考えて接してもらうようにお願いしています。やっぱり特に医療スタッフに関しては、何かこう、死というのは医療の敗北みたいなところもありますし、在宅医療は避けたいと思われているところもあります。ただやっぱり、病気があっても自分らしく幸せな生活を求めて過ごしていくことを支える在宅医療というのは、本当に社会に求められていて素晴らしいものだと思っていますし、もっと若い世代が高齢者のケアとか在宅医療に目を向けてくれたらいいなという風に思っています。」
鬼澤信之×テンカイズ
宇賀「最後に鬼澤さんの今後の展開を教えてください。」
鬼澤「とにかく在宅医療の専門チームとして、我々が診療する埼玉県西部エリアを日本で一番安心して家で過ごせる在宅療養ができる地域にしたいという風に考えています。それだけではなく、そこに関わるスタッフがニコニコ笑って輝いていられるような、そういう地域にしていきたいと思っています。」
宇賀「ありがとうございました。」
テンカイズ
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医療法人あんず会 杏クリニック
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杏クリニックは“住み慣れた我が家で自分らしく快適な療養生活を”をスローガンとするクリニック。患者の方の考えられる選択肢の中から、その方に合った医療を模索し安心して療養生活を送れるようサポートを行っています。
情報提供元: マガジンサミット