好きな人を見てドキドキする時、脳はこうなっている
2016-11-07 21:30:47
執筆:Mocosuku編集部
世の中にはたくさんの「恋愛論」や「恋愛哲学」が出回っています。
しかし「恋愛に夢中になっている(いた)時」というのは、言葉でカンタンに説明できない感情などもありますよね。例えば、好きな人を見て反射的に顔が熱くなったりすることや、胸がドキドキしてしまうことなど。
そのような恋愛中の「無意識の感情・感覚」があるとき、脳はどのような状態になっているのかを調べてみました。
いままさにドキドキするような恋愛をされているという方も、「そんなこともあったな」という方も、ぜひご一緒に見ていきましょう。
恋愛をすると脳の2つの部分が活性化
2015年5月、理化学研究所とロンドン愛学のセミア・ギア教授、および大阪市立大学との共同研究グループが発表した研究調査によると、恋愛をしているときには前頭葉にある「内側眼窩前頭野(ないそくがんかぜんとうや)」と、「内側前頭前野(ないそくぜんとうぜんや)」の2つの領域が活性化していることが明らかになりました。
研究のなかでは、異性と恋愛をしている10名の男女を対象に、恋人の写真と恋人と同じ性別の友人の写真を見せたときの脳内のドーパミン放出量の違いを測定。
恋人を見せたときの方が前頭葉のドーパミン神経が活性化したのです。
特に内側眼窩前頭野のドーパミン神経が気持ちの高まりの強さに関わっていることがわかっています。
ドーパミンとは?活性化するとどうなる?
ドーパミンとは神経伝達物質のひとつで、ひとことで言うと「快感や多幸感を得る」「やる気が出る」「運動調節に関連する」などの役割を担う脳内ホルモンです。
脳のかなかには約1兆個ともいわれる神経細胞がありますが、そのなかにはこのドーパミンにしか反応しない神経があり、これを「ドーパミン作動性神経」と呼びます。
これは、快感を得たときに活動します。
反対にいえば、ドーパミンを分泌させることができれば、快感を得ることができます。
恋愛をしているときは、充足感や恍惚感などさまざまな感情を得ます。このことから、恋愛感情にはドーパミンが関わるのではないかと考えられていたのです。
ドーパミンが大量に出ているとお腹はすかない?
ドーパミンが脳内で多量に出ていると、お腹がすかないと言われています。
人は快感を得ているときや、精神活動が活発化しているときは空腹感を感じません。
よく「趣味に夢中で食事を忘れた!」という話を聞いたり、「嬉しいことがあって、胸がいっぱいで食べられない…」という話を聞いたりするのは、ドーパミンが分泌されている量が多いことが原因です。
恋人の存在はドーパミンを分泌させる
同調査の研究のなかで、異性の友人の写真をみたときと恋人の写真をみたときの感情の高まりを、被験者にそれぞれ線分図に表してもらっています。
異性の友人の写真を見せたときの感情の高まりが平均14.8mmの線分で表せるのに対し、恋人の写真を見たときは平均55.3mmに高まるという結果になりました。
この結果をグラフに表したところ、ドーパミン神経の活性化レベルは、感情の高まりと正の相関があることがわかりました。
つまり、主観的な恋愛感情と客観的に測定可能なドーパミン神経の活動は深く関わっているのです。
ドーパミンを増やすには?
ドーパミンは、初めての経験やはじめての変化、感動に強く反応します。旅行へ行ったり、コンテストや抽選に応募したりしたときに感情が高まるのもドーパミンが分泌しているからです。
ドーパミンの分泌を増やすには、家にこもってばかりではなく外に出てみたり、新しいスポーツに挑戦したりすると良いのかもしれません。この季節はファッションスタイルを変えてみる、というのもいいですね。
【参考】
理化学研究所『熱愛中にドーパミン神経が活性化する脳領域を解明』(http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150514_1/)
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情報提供元: mocosuku