初期症状が風邪に似ている「ギランバレー症候群」とは
2016-11-23 21:30:10
執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
世の中には数多くの病気がありますが、「ギランバレー症候群」をご存知でしょうか。
ギランバレー症候群は、10万人に1~2人の発症数で「特定疾患」に指定されています。老若男女問わずかかる病気のひとつで、風邪の症状と似ているためなかなか気づきにくい傾向があります。
今回はそんなギランバレー症候群の原因や症状、治療法などについて詳しく解説いたします。
ギランバレー症候群の症状は?
ギランバレー症候群は、自己免疫疾患の一種です。
年齢や性差問わず誰にでも起こりうる病気ですが、特に男性やお年寄りの発症例が多いといわれています。初期症状には次のようなものが現れます。
・喉の痛み
・微熱
・手足のしびれ
・顔の筋肉に力が入らない
・食事が飲み込みにくい
・呂律がまわらない
・高血圧・低血圧・不整脈
ギランバレー症候群は風邪の症状に似ているため、気づかれないことも多いそう。
特に50%の患者に顔面の筋力の低下がみられ「しゃべりにくい」「飲み込みにくい」といった症状が出るケースが多いのが特徴です。
また、筋力の低下により歩行が困難になることも。食べることや話すこと、また歩くことなど、日常的な活動に支障がでてしまいます。
ギランバレー症候群の原因
ギランバレー症候群は、先行感染として、カンピロバクターによる急性胃腸炎、サイトメガウィルス、EBウィルス、マイコプラズマなどがありますが、ワクチン接種後の発症例もあります。
また、自己免疫の異常によるものだと考えられ、自分で自分の神経を攻撃してしまうことが原因となっています。患者の約6割がギランバレー症候群にかかり始めたときに、血液中に「糖脂質」という抗体が発見されています。
現状では、これが神経を攻撃している可能性が高いとみられています。
ギランバレー症候群の治療法は?
正しく治療を行えば症状は発症から1か月ほどでピークを迎え、だんだんと回復へ向かっていきます。
8割の患者がおよそ3か月~1年ほどで回復しています。
ただ、この疾患は診断が難しい病気のため、発見が遅れてしまうことも多いです。
早い段階で治療すれば回復は早まりますが、一方で10~20%の患者は「歩けない」「しゃべりにくい」といった後遺症を残すと言われています。
また最悪の場合1~5%の患者が死亡しているというデータもあります。いずれにしても早期発見、早期治療が大切です。
少しでも異変を感じたら、神経内科で治療を受けましょう。
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情報提供元: mocosuku