流産したことに気づかない「稽留流産」の原因と兆候
2016-11-24 21:30:00
執筆:Mocosuku編集部
お腹の中の赤ちゃんが胎盤と共に完全に子宮の外へ流れ出てしまうことを「完全流産」、一部分が子宮に残ってしまうことを「不全流産」と言いますが、赤ちゃんが子宮の内側で死んでしまっているのに子宮内に組織が残っている状態を「稽留流産」(けいりゅうりゅうざん)と言います。
ここでは“流産したことに気がづかない”と言われる稽留流産の原因と兆候についてご紹介したいと思います。
自覚症状のない稽留流産とは?
完全流産や不全流産のように子宮口が開いて流産が始まるわけではないので、他の流産に見られるような出血や下腹部の痛みなどの自覚症状がでないことが特徴です。
自分では気が付きにくく、定期健診のときに初めて分かったということも少なくありません。
そのため医師に稽留流産を告げられてもなかなか現実を受け止められない人も多く、「誤診なのでは」と違う病院へ健診を受けに行く人もいるようです。
稽留流産の確率は健常な20代の女性でも15%、40代の女性なら30%とされており、かなり高い確率で起こる珍しくないものなのです。
稽留流産が起こりやすい時期は?
稽留流産が起こりやすいのは妊娠6~7週にかけてです。
その原因の多くは胎児の染色体に異常がある場合と考えられています。
つまり染色体異常を持つ精子や卵子が受精して着床し、妊娠が成立した後に細胞分裂の課程で成長が止まってしまうのです。
従って稽留流産を含め妊娠初期の流産の原因の殆どは胎児側にあると考えられるのですが、一方ストレスや仕事、生活習慣など現代特有の環境の変化によって子宮の機能が低下したために、良い胎盤を作ることができず妊娠が継続できなくなって赤ちゃんが死んでしまうという可能性も指摘されています。
また冷えによって血行不良となり、赤ちゃんに必要な栄養素や酸素が十分に届かなくなってしまうことも原因になり得ると考えられています。
稽留流産の兆候は?
前述の通り、稽留流産には自覚症状がありませんが、定期健診によってその兆候を知ることはできます。
妊娠6~7週になっても胎児が確認できない、あるいは胎児は確認できたものの心拍数が確認できない、更には1度心拍数が確認できてもその後確認できないといった場合は稽留流産が疑われます。
稽留流産を放置しておくと進行流産に移行して大量出血と強い痛みが出てきます。場合によってはママの命も危うくなるため、発見後はできるだけ早い措置が求められるのですが、前述のように心情的になかなか受け入れられない人の場合、気持ちが落ち着いてから手術に入ることもあるようです。
稽留流産の手術は不全流産と同じく子宮に残っている胎児の組織を全てかき出す子宮内容物除去手術で、手術自体は局所麻酔や全身麻酔で痛みを伴うものではありませんし、大体10分程度で済むものとなっています。
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情報提供元: mocosuku