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運動の効果を最大に引き出す「食事のポイント」

2016-11-29 21:30:01


執筆:田口 絢子(管理栄養士)
近年、減量や健康維持・増進のために、積極的にスポーツジムへ通う人が増えています。
一方、運動前後の食事に関しては無頓着な人が多いようですね。
せっかく筋肉トレーニングや有酸素運動を行っても、食事内容やタイミングによっては、運動効果が得にくくなってしまいます。
ここでは、効果を最大限に引き出すための「食事のポイント」について解説していきたいと思います。

必要なエネルギー量やたんぱく質量、脂質量を把握しましょう


自己流で運動をするのもいいのですが、やはり「いつまでに、どうなりたいのか」という目標をしっかり持つと、効果が目に見えてやる気にもつながります。
まずジムのトレーナーに相談して、目標体重や目標達成時期を明確化し、必要な運動メニューを組んでもらいましょう。
スポーツ栄養に詳しい管理栄養士などがいるところでは、食事のアドバイスも含めて、必要な「栄養量」を算出してもらいましょう。
具体的には以下のようになります。
Aさん・30歳男性:体重70kg、筋力アップを中心としたトレーニング中の場合
例) 目標「4か月で体重を5kg落として体脂肪率を15%まで落としたい」
指示運動量:筋肉トレーニング1.5時間×週3回、有酸素運動1時間×週3
指示栄養量:1800kcal、糖質245g、たんぱく質90g、脂質50g
(エネルギー比率:糖質55%、たんぱく質20%、脂質25%)
という具合です。
必要な栄養量が分かったら、一日の中で何をどのくらいの配分で摂取していくか、トレーニングをする日と、しない日の食事の摂り方なども話し合っておきましょう。

食事の時間や内容はどうすればいい?


仕事が終わった後、夕方からジムで運動を開始する先のAさんの場合の食事例についてご紹介しましょう。
例)
・7:00 起床
・7:30
<朝食> トースト、目玉焼き、サラダ、チーズ、カフェオレ、果物
・9:00 出勤
・12:00
<昼食> 冷やし中華
・17:00 退社
<エネルギー(糖質)補給>おにぎり、パン、バナナ、100%野菜・果汁ジュース等
・18:00 トレーニング開始
トレーニング中
<水分補給 + エネルギー(糖質)補給>水、スポーツドリンク、エネルギーゼリー等
20:00 トレーニング終
夕食まで1時間以上空く時やトレーニング終了時刻が遅く夕食時刻が遅くなる時
<エネルギー(糖質)+ たんぱく質 補給>おにぎり、パン、バナナ、100%野菜・果汁ジュース、チーズ、ヨーグルトドリンク、プロテインパウダー等を組み合わせて(※1参照)
22:00
<夕食>遅い夕食の時は主菜、副菜は油控えめで。捕食で食べた分を差し引いて(※2参照)
24:00 就寝
※1
筋肉肥大、グリコーゲン合成に必要なたんぱく質と炭水化物は筋肉トレーニング後1時間以内に摂取することが望ましいとされています。
<糖質+たんぱく質の捕食 メニュー例>
以下で約50gの糖質と約10g前後のたんぱく質がとれます。
・シリアル60gと牛乳250ml
・肉まん1個とバナナ1本、牛乳250ml
・いなり寿司小2個(ご飯100g)と牛乳250ml
・鮭のおにぎり1個(ご飯100g)と豆乳250ml
嗜好や胃腸の状態などは、人それぞれ異なるので、食べやすいものを探して用意することをおすすめします。
※2
夜間の遅い時間帯に夕食がずれる場合は、エネルギー量が多く消化吸収に時間のかかる高脂肪食は避けましょう。とはいえ脂質も重要な三大栄養素ですので、朝のサラダのドレッシングやチーズ、日中にナッツ類を食べるなど工夫をして摂っていきましょう。

毎食しっかりたんぱく質を摂る


身体のたんぱく質合成のために必須な「アミノ酸」のバランスを整えるためにも、たんぱく質は、肉、魚、卵、乳、大豆と、バランスよくローテーションして摂っていきましょう。
食べ物の質量などはあまり神経質になりすぎると、嫌になってしまいます。
継続できなくなるのが、何よりももったいないですね。以下のようにアバウトにたんぱく質量を考えることもできます。

□肉・魚=男性の手のひら1枚分(約100g)で約20g
□卵1個+ソーセージ1本=約7g
□ヨーグルト100g=約4g
□牛乳200ml=約7g
□チーズ1ピース=4~5g
□納豆1パック=約8g
□木綿豆腐100g(1/3丁)=約7g
□プロテインパウダー1食分約20g=15~18g
注)ここで紹介した食品栄養素は、製品により異なることがあります。
注)ここで紹介した内容は、運動栄養学の一例であり、個別具体的な疾患には対応しておりませんので、ご自身の体調に応じて専門家や医療機関への相談をおすすめします。

<執筆者プロフィール>
田口 絢子(たぐち・あやこ)
茨城県生まれ。管理栄養士、糖尿病療養指導士、ソーシャルスキル協会認定健康栄養カウンセラー。都内4か所の病院で給食・栄養管理経験を経て独立。栄養相談、献立作成、食と健康に関する記事の執筆、栄養学翻訳など活動

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情報提供元: mocosuku

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