結局のところ、「カフェイン」は身体に良いの?悪いの?
2016-12-05 18:30:55
執筆:桜 イクミ(管理栄養士)
カフェインといえばコーヒーに多く含まれる成分ということは、よく知られているのではないでしょうか。
街にはコーヒー専門店もたくさんあり、口にする機会も多いことでしょう。
カフェインは身体によい効果、悪い効果もよく耳にしますが、本当のところどうなのでしょうか。
カフェインってなに?
カフェインはアルカロイドという化合物のひとつです。コーヒー豆、カカオ豆、茶葉などに含まれる天然の成分です。
アルカロイドは微量で生物を活性化させる作用を持っています。
カフェインを多く含む食品ってどんなもの?
コーヒーやお茶に多く含まれていて、これらからの摂取が多いといえます。
ココアやチョコレート、また、紅茶、煎茶、ウーロン茶などにも含まれています。
コーラなどの清涼飲料水や栄養ドリンクにも添加されています。さらに、最近見かける機会が多くなったエナジードリンクにも含まれています。
また、眠気覚ましのガムにも入っています。その他に医療用の風邪薬や痛みを和らげる鎮痛剤にも使用されています。
カフェインは身体にどんな影響があるの?
カフェインからの「よい影響」と「悪い影響」を挙げてみました。
良い影響
・血管を拡張し、血液の循環量が増えることから尿の排出を促進させる利尿作用
・神経伝達物質が増えることで、眠気覚まし、気分の高揚、集中力を高める
・基礎代謝の増進によるダイエット効果、運動能力の向上など
悪い影響
・睡眠の質の低下
・食べ物の消化に関わる胃酸の分泌過剰による胃への負担の増加など
カフェイン中毒があるって本当?
カフェインを摂取しすぎると、中毒症状を起こすことがあります。
それはカフェインには神経毒性があるためで、落ち着きがなくなる、感覚過敏、多弁、気分高揚などの精神症状を起こすことがあります。また、カフェイン中毒には1日にたくさん摂取することで起こる急性のものと、日常的にカフェインをたくさん摂取することにより、カフェインの耐性ができてしまい、どんどん摂取量が増えていく慢性のものとがあります。
カフェイン中毒の症状は、初期には嘔吐や動悸などがあり、まれに筋肉痛、痙攣なども起こることがあります。
重症になると、不整脈や呼吸困難を引き起こす場合もあります。
カフェインを控えた方がよい人って?
胎児への影響は確定していませんが、妊娠中のカフェインの摂取は控えた方がよいと言われています。
また、不眠の方も控えめにするとよいでしょう。
カフェインの適量は?
日本ではカフェインの上限量は定められていません。アメリカ食品医薬品局のガイドラインではカフェインの摂取量の上限は1日約400mgとされています。
カフェイン含有量が多いコーヒーの場合、コーヒー100mlあたり60㎎のカフェインが含まれます。1日3~4杯程度が適量といえるでしょう。
カフェインは身体によいの?悪いの?
カフェインは上手に取り入れると身体を活性化させる働きをしますが、摂り過ぎや、控えたほうがよい人が摂取すると身体に対して悪く影響することもあります。
必要な時に摂取したり、楽しむ程度とし、カフェインと上手につき合っていきましょう。
<執筆者プロフィール>
桜 イクミ(さくら・いくみ)
管理栄養士・健康運動指導士・フードスペシャリスト
株式会社 とらうべ 社員。病院での栄養管理・栄養指導の経験を経て、現在は企業で働く人の食と健康指導を行っている
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情報提供元: mocosuku