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身体の健康はお口から。舌ブラシを上手に使おう

2016-12-10 18:30:11


執筆:井上 愛子(保健師・看護師)
普段ご自分の舌をチェックしてみたことはありますか?
舌に汚れが溜まっていると、口臭の原因になることもあります。
近頃はお口のケア用品として「舌ブラシ」が販売されていますね。この舌ブラシ、口の健康を保つためにどのように使うと有効なのか、ご一緒に見ていきましょう。

健康な舌の状態とは


個人差はありますが、舌の理想的な色はピンク色です。
しかし、鏡で見てみると白くなっている人も多いのではないでしょうか。
舌についている白い汚れは、「舌苔(ぜったい)」と呼ばれます。舌の表面には細かい突起がたくさんあり、指で触ってみるとザラザラしています。
この突起の隙間などに汚れがつき、細菌が繁殖すると、苔が生えたように舌が白くなってしまうのです。白い汚れは、舌が健康な状態であっても多少は付着しており、時間帯や体調によってもことなります。
しかし舌苔が過剰に付着し、真っ白な状態になると口臭の原因になったり、味覚にも悪影響を与えてしまう可能性があります。
健康な口の状態を保つためには、歯磨きとともに舌のケアにも気を遣うことが大切です。

舌を磨くための方法


舌を磨くための方法としては、専用の「舌ブラシ」を用いる方法や歯ブラシを使う方法、また、綿棒を使う方法などもあります。
ただし、舌苔が気になるからといって必要以上に強くこすってしまうと舌に負担がかかったり、逆効果になることもあるため注意が必要です。
タイミングとしては朝起きたときなど、1日1回程度のケアで十分とされています。また舌を磨くと汚れが口の中に残りやすいため、舌を磨いたあとには必ず歯磨きをするようにしましょう。
力加減の目安は100グラム程度と言われており、調理などにつかう秤(はかり)を指で押したときに、100グラムまでメモリが動く程度の圧力が目安です。
余計な負担がかからないよう、力を抜いて優しく磨くことが大切です。

舌ブラシの効果的な使い方


では実際に、舌ブラシを使って舌を磨く際の手順をみていきましょう。
1.舌の汚れを確認
鏡で舌の状態をチェックし、汚れの程度や範囲を確認します。
2.舌の奥にブラシをあて、優しく手前に動かす
歯磨きのようにブラシをゴシゴシと動かすのではなく、奥から手前に向かって、一方向に軽い力でブラシを動かし、汚れを取り除きます。
あまり奥にまでブラシをあてると、吐き気をもよおしてしまうこともあります。鏡で見える範囲に留めましょう。
3.ブラシを洗浄し、もう一度確認
ブラシの汚れを水で洗ってから、もう一度2を繰り返します。ブラシを確認し、汚れがほとんど付いていなければ問題ありません。
舌ブラシはヘラのようなタイプや、毛がついたタイプなど、さまざまな種類が販売されています。いずれも専用のブラシとして、舌の構造に合わせた形で作られているため、正しく使用すれば汚れを落とすには最も有効といえるでしょう。
歯ブラシを使用する場合も手順は大きく変わりませんが、ゴシゴシ磨かないよう注意が必要です。
また舌ブラシや歯ブラシを使うと、つい力がかかってしまう人は、クッション性のある綿棒を水に濡らし、軽く汚れをふき取る方法も有効です。

舌ブラシの効果を高めるために


舌に汚れが付きやすい人とそうでない人の違いは明らかになっていません。
しかし舌苔を予防するためには、普段から口のケアを心がけておく必要があります。細菌の繁殖が原因となるため、日常的に歯磨きを丁寧に行ったり、唾液が適切に分泌されるよう水分を摂ったり、アルコールやタバコを控えること、口のマッサージなども有効です。
「身体の健康は口から」といわれます。
こまめに口の状態に気を配り、適切に舌ブラシを活用しましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

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情報提供元: mocosuku

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