眼が良い人がカラコンすると、悪影響はある?
2016-12-17 12:00:14
執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
目の色をカラフルに変えたり、黒目を大きく見せたりと、ここ数年で色々な種類が出ているコンタクトレンズ。
視力補正のためでなく、ファッションアイテムとして気軽に使う人も多くなりました。
その一方、おしゃれ用カラーコンタクトレンズによる眼のトラブルは年々増えており、厚生労働省から使用方法の注意喚起が出るほど問題視されています。
レンズを使うことで大事な眼にどのような影響があるのか、ご一緒に見ていきましょう。
カラコンも“高度管理医療機器”
「私は視力補正の必要がないから、眼科に行かなくて大丈夫」そのように思った人はとても危険です。
コンタクトレンズは医療機器です。なかでも「高度管理医療機器」といって、不具合が生じた場合に生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあり、適切な管理が必要とされています。
これは、視力補正用ではないカラーコンタクトも例外ではありません。
けれどもカラコンは、メイク用品コーナーなどでも気軽に手に取ることもできます。そのため、残念ながらコスメや雑貨のような感覚で使っている人も多く、そのことが眼のトラブルが増加している要因のひとつとなっています。
どんなに優しい素材のレンズであったとしても、眼に直接入れるものであることに変わりありません。
眼にとっては異物なのです。
眼の健康状態や使い方次第では、病気や視力低下のリスクがともなうということを覚えておきましょう。
カラコンを使う前には検査をすること!
レンズをのせる黒目の表面は「角膜」と呼ばれています。角膜はとても傷つきやすく、デリケートです。
また、透明である角膜を自分で確認することはできません。カラコンを購入する前には、眼科で検査を受けて、自分の眼が健康な状態かを確認することが必要です。
眼球のカーブも人それぞれで微妙な違いがあります。また、ドライアイやアレルギーなど、眼の状態によってはレンズを使えない場合もあります。
大切なのは医師とよく相談して、自分にあったレンズを使うこと。当然、友達から気軽にもらったり、あげたりすることはやめましょう。
さらに、1日で使い捨てるものやケアするタイプなど、レンズによって使い方にはかなり差があります。またつけ方や外し方も、レンズによってコツが違います。
レンズによる眼障害は、ほとんどが間違った使い方によるものだと言われています。購入時には、正しい使用方法をしっかり確認してください。
では、安全に使うためには、具体的にどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか?
カラコンを安全に使い続けるために
それでもカラコンを使いたいという人は、以下のことを大切にしましょう。
1.「高度管理医療機器」の承認を受けているレンズを購入する
残念なことに、世の中には眼の中で色が落ちてしまったりする粗悪なレンズもあると言われています。
そのようなレンズを購入するリスクを避けるために、「高度管理医療機器」の承認を受けているかどうか、市販薬に入っているような「添付文書」がしっかりついているかどうかを確認してください。
2.添付文書をよく読んで使う
添付文書には、「使用する際のリスク」「使用できない(禁忌)人について」「正しい使い方」など、そのレンズを使うために必要なことがたくさん書かれています。「読むのが面倒・・・」などと思わず、必ず目を通すようにしましょう。
使用歴が長い人も、改めて見直してみてください。店頭で説明を受けずに購入したことで、自己流の使い方になっている人も多くいます。
3.眼科で定期健診を受ける
もともと健康な目でも、レンズをのせたり外したりすることで角膜に傷がつくことがあります。
そしてそのまま使い続けていると、眼にとって大きな負担となり、放っておくことで重い眼障害を引き起こすリスクにもつながります。痛みなどの自覚症状がない場合もあります。
そのため、購入時だけでなく、定期的に健診を受けることが大切です。
以上、カラコンについての注意したいことを見てきました。
重い病気になれば、治療しても元の視力に戻らないこともあります。さらに場合によっては、失明に至ることもあるのです。
正しい使い方で、眼の安全を守りながらおしゃれを楽しみましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku