「たるみ」や「シワ」はどうしてできるの?原因は?
2016-12-17 21:30:04
執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
いつまでも弾力のあるピンと張った肌でいたい。
女性であれば誰しもが願うことなのかもしれませんね。
しかし現実はたるみやシワに悩まされている女性が多いようです。そもそもたるみやシワの原因は何なのでしょうか?
ご一緒に詳しく見ていきましょう。
さまざまな種類のシワ
肌のシワは「後天的に生じた皮膚の歪み、あるいは表皮〜真皮の変形」と医学的には定義されています。皮膚には、最も外側にある「表皮層」とその下にある「真皮層」に分けられます。
シワの深さが表皮までのものを「表皮シワ」、表皮の乾燥により一時的にできるものを「乾燥シワ」と呼びます。一方、目尻や額などにできる細かいひだは「小ジワ」といいます。
またシワの深さが真皮まで達しているものは「真皮性シワ」、シワの深さがさらに深くなると、目や口の周囲、顔の輪郭などに大きなひだができ、これは「老人性シワ」と呼ばれます。
シワの原因
シワができる原因の多くは、表皮の乾燥と真皮層の劣化です。
紫外線などで皮膚がダメージを受けると、真皮層の弾力繊維が減少・変性し、劣化が起こります。そのほか、皮下脂肪の萎縮や下垂、表情筋(目や鼻、口などを動かす筋肉)の収縮や弛緩などによって、皮膚にたるみが生じてできる場合もあります。
真皮の弾力層の劣化
真皮には、コラーゲンとエラスチンでできたコイル状の弾力繊維層があり、これが柔軟だと、その上に載っている表皮層も張りを保ちます。でも、この弾力繊維層が劣化して凸凹ができると、表皮にシワとなって現れるのです。
真皮層は長い年月をかけて劣化していきます。弾力繊維層は、早いもので2~3年、多くは4~5年かけて作り替えられています。
この間にダメージを受け、消耗や破損が続くと、徐々に柔軟性が失われていきます。
一度できたシワやたるみが消えないのは、このように見えないところでダメージを受けているからです。このダメ―ジは、紫外線や物理的な力による影響が大きいといわれています。この劣化を最小限に抑えることで、シワやたるみはある程度防げるのです。
シワの原因になる皮膚の乾燥
皮膚にシワができる原因のひとつに、皮膚の水分の減少が挙げられます。
例えば、高熱を出して水分や食べ物を摂れない状態でいる時は、皮膚の水分量も少なくなり、皮膚はたるんでシワが寄ってきます。しかし、回復してきて食べ物や水分補給をすると、皮膚の水分も増してきて、張りのある皮膚が戻ってきます。
同じように、間違った肌の手入れ方法など用いた場合、肌の水分量が減ってシワになる可能性があるのです。
シワの手当はどこまで可能?
表皮のシワは水分補給などでケアできますが、シワの深さが真皮レベルまで達している場合は、手当は難しいとされてきました。しかし、最近では各種の抗シワ療法や抗シワ物質が開発されています。ここでは、その主なものを紹介しましょう。
外科的な手当
文字どおり、外科的な手術によって皮膚を縫い縮め、シワを伸ばす方法です。一時的には効果がありますが、しばらくするとまたシワが寄ってくるので、効果を得続けるには手術を繰り返す必要があります。
抗シワ療法
美容皮膚科では、古くなった皮膚を薬品で溶かして除去し、再生を促す「ケミカルピーリング」や「トレチノイン療法」、レーザーを照射して肌を活性化させる「レーザー療法」、薬剤を注射して表情筋の収縮を抑える「ボトックス注射」──などがあります。
抗シワ物質
外用剤としての抗シワ物質には、ビタミンC、ビタミンE、βカロテンン、リコピン、アスタキサンチン、レチノール、エストラジオールなどがあり、化粧品の中にはこれらの物質が配合されているものがあります。
パック
皮膚を突っ張らせて、一時的にシワを伸ばす方法。シャツにアイロンをかけるような方法です。抗シワ物質や保湿成分を含んでいるものもあります。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
関連記事
情報提供元: mocosuku