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今さら聞けない、インフルエンザの予備知識

2016-12-19 18:30:56


執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士)
毎年、冬の時期に流行するのが「インフルエンザ」。
このインフルエンザ、名前は広く知られていますが、実はあまり知られていない知識も多く存在しています。
そこで今回は、インフルエンザについての予備知識を、ご紹介していきたいと思います。

インフルエンザの治療には、タイムリミットが


インフルエンザは、38度以上の高熱、筋肉痛、関節痛、全身のだるさなどが急速に表れる病気です。これは、インフルエンザウイルスが体の中で爆発的に繁殖し、体内で炎症を起こすために起こります。
これらの症状を少しでも軽減するためには、「発症後48時間以内にウイルスに効果がある薬を使う」ことが大切です。インフルエンザウイルスは、発症後48時間で繁殖を繰り返し、その後はゆっくりと快方に向かいます。そのため、48時間以内に薬を開始すれば、増殖を抑え、症状の軽減が期待できます。
逆に48時間以上たってしまっていると、効果はほとんど期待できなくなってしまいます。「もしかして」と思ったら、すぐに近隣の医療機関を受診することをお勧めします。

インフルエンザウイルスの大敵は「湿度」


冬は、空気が乾燥しています。乾燥は、ウイルスにとっては繁殖に適した環境となっているため、湿度を一定以上に保つということが、インフルエンザの予防策の一つとしてあげられています。
インフルエンザウイルスが空気中で繁殖するのを防ぐためにも、家の湿度は常に60%以上を保つようにしましょう。

インフルエンザに対するワクチンは予想が外れることも


秋口から冬の始まりまで、医療機関で広く行われるインフルエンザワクチン。実はワクチンを打ったとしても、100%インフルエンザを予防できるわけではありません。
インフルエンザには「型」が数種類存在しています。その「型」の中でも、「今年は得にこれが流行しそうだ」と予測し、その型に適したワクチンが毎年摂取されています。
ですので、摂取した型以外のウイルスが流行していれば、インフルエンザにかかってしまう可能性が高くなってしまうのです。

ワクチン接種が奨励される理由


国や医療機関がワクチン接種を勧める理由に、「インフルエンザの発症を抑える」の他に、「重症化をしにくくなる」というのがあげられます。
インフルエンザは、ウイルスが脳にまで炎症を起こすことで発症する「インフルエンザ脳症」など、特に乳幼児や高齢者がかかると重篤化する危険のある病気です。
ワクチンを摂取することで、仮にインフルエンザを発症しても脳症などの重症化はしにくくなるため、乳幼児や高齢者は、摂取が奨励されています。
いかがでしたでしょうか。
しっかりした対策には、「そのもの」をよく知ることが大切。インフルエンザ対策をきちんと行い、夏から秋、秋から冬へ移り行く季節を楽しみたいですね。
<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中

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情報提供元: mocosuku

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