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「生理の出血量が多い」という悩みのウラに隠れたトラブル

2016-12-20 21:30:14


執筆:座波 朝香(助産師、看護師)
医療監修:坂本 忍(医師・公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ)
生理の出血量にまつわるトラブルは、人と比べることができないこともあり、見逃してしまう人が多いようです。
ところが、出血が多いことを放置しておくと貧血を引き起こすことや、子宮になんらかの病気があって出血している場合は、その病気を悪化させてしまう可能性があることをご存じでしょうか。
そこで今回は、生理の出血量に関連したトラブルについてご紹介したいと思います。

「経血モレが心配で思い切って行動できない」は危険信号かも


あなたは、生理のとき、次のようなことはありませんか?
・1時間ごとのナプキン交換ではもたない
・昼でも夜用ナプキンでないと間に合わない
・寝るときに夜用を使っても1枚では足りない
・レバーのようなかたまりが出る
・以上のような経血量の多い日が3日以上続く

上記の項目に当てはまる場合は「過多月経」の可能性があります。
過多月経は、生理の時の出血量が異常に多いことを指します。そして、自分の生理の量が多いのか少ないのか、受診するべきかどうかを判断するときの目安が上記の項目になります。
生理の量は、人と比べるわけにはいかず、見逃している人が多いものです。
実際に、多量の出血が続くことで知らず知らずのうちに貧血なっていたり、「過多月経」の原因になっている子宮の病気やホルモン異常を放置してしまうことがあります。

生理の「悩み」で婦人科を受診するのは気が引ける?


生理の出血量が多いと「気になって何度もトイレに行ってしまう」など、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。なかには、「経血量のコントロールなんてできるはずがない」と諦めている女性もいるかもしれません。
しかし過多月経を治療することで、普段の生活を快適に過ごすことができます。
「自分の生理はこんなものだから仕方がない」「生理の悩みごときで受診は大げさ」などと、受診をせずにいる方は損をしているかもしれませんね。
婦人科への受診と適切な検査や治療を受けることは、生活の質をよくするのに加え、生理のトラブルの陰に隠れた病気を見つけ出し、早めに治療をすることにもつながります。
とくに、過多月経は「子宮筋腫」の代表的な症状のひとつでもあります。30歳以上の女性の20~30%の人が子宮筋腫にかかるといわれるほどで、決して珍しい病気ではありません。早期に治療するためにも、過多月経の可能性がある人は、ぜひ受診をしましょう。

過多月経は治療ができる!?


まず、出血が多いことで貧血になっている場合には貧血の治療をします。また、過多月経と月経困難症は同時におこることが多いため、月経困難症の治療と同じことをすることがあります。
低用量ピルなどを用いて、子宮内膜のを厚くさせず、経血の量を減らすことができます。また、子宮内に小さな装着物である「IUS」を入れることもあります。
これは、子宮内で微量のホルモンを5年間にわたって放出するもので子宮に直接働いて子宮の内膜を薄くして経血量を減らすことができます。
そのほか、過多月経の原因になっている病気がある場合には、その治療をします。
たとえば、子宮筋腫については、女性ホルモンの影響を受けて大きくなるため、女性ホルモンの働きを抑える薬を使って対症療法をしたり、手術で筋腫や子宮自体をとることで根治を目指したりします。
筋腫の大きさ、貧血の状態、年齢、この後の妊娠・出産の予定などを踏まえて、治療内容を医師と相談することとなります。

生理のトラブルを解決する婦人科ってどんなところ?


婦人科を受診することに対して、抵抗感を持つ人は多いようです。
「受診してどんなことをされるのか、わからない」という不安な気持ちがあることも抵抗感につながっているかもしれません。安心して受診するためにも、婦人科ではどんなことをするのかを知っておきましょう。
婦人科を受診すると、まず、生理周期や困っている症状のほか、結婚の有無、妊娠・出産経験、性行為の有無などについての問診があります。その結果、必要に応じて超音波検査(膣からの検査、お腹の上からの検査)、内診(膣からの触診)をします。
このような婦人科特有の検査を受けたことがなく、不安があるようでしたら、受診した時に初めてであることを伝えると良いでしょう。
その上で、問診の後にどんな検査をするのかの説明をしてもらうとより安心できますね。

<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通

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情報提供元: mocosuku

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