E START

E START トップページ > マガジン > どうしてこんなに寝相が悪いの…! 改善はできる?

どうしてこんなに寝相が悪いの…! 改善はできる?

2017-01-09 18:30:21


執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ

小さいときから寝相が悪く、「お嫁に行けるのかしら?」と親を悩ませていた子どもは多いようです。
どうして寝相が悪くなるのでしょうか?
そういえば、大人になってからでも寝相の悪い人・いい人がいますね。
寝相が悪い原因とはなんなのでしょう?また改善は可能なのでしょうか。詳しくさぐっていきましょう。

まずは「睡眠の種類」から


人間の睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。

レム睡眠


レム睡眠とは、眠りが浅く、眠っていても目玉が動いて、脳が起きている状態をいいます。
身体を休ませる眠りで、全身の力も抜けます。脳が覚醒しているのは、寝るまでに脳に蓄積された情報を処理して、記憶を固定させているからです。
夢をみるのも、レム睡眠中です。

ノンレム睡眠


ノンレム睡眠は、深い眠りで、熟睡した状態です。
脳は、活動を低下させ、休息状態になります。ノンレム睡眠は、深さによってさらに4段階に分けられます。
第1段階からだんだんと深くなっていきます。第3・4段階を合わせて、「徐波睡眠(じょはすいみん)」と呼ぶことが多く、深い眠りの状態を指します。徐波睡眠は、脳や身体を休息させるために、体温を急激に下げる働きがあり、これによって発汗量が増えます。
一般的には、眠りについた直後はノンレム睡眠です。
その後、ノンレム睡眠とレム睡眠が、約90分~120分周期の単位として交互に繰り返されます。睡眠の後半に進むにつれて、ノンレム睡眠の長さが短くなります。
また、起きている間に運動量や精神的負担が増えると、ノンレム睡眠が長く深くなるといわれています。

子どもの寝相


徐波睡眠は大脳が休んでいる状態なので身体の位置を保ったり、姿勢をそのままにしておく認識が全くなくなります。そのため、寝相が悪くなり、布団から出たり、ベッドから落ちたりするのです。
子どもは徐波睡眠の状態が大人よりも長いので、それだけよく動いて寝相が悪くなります。
寝相が悪いということは、脳がしっかり休んでいるという証ですから、つまり「子どもは寝相が悪いほうが安心だ」ということになります。一方、徐波睡眠の状態が短いと、大脳が休息できておらず、寝相もよくなります。
また徐波睡眠の状態が長いと、発汗が増えます。
それによって布団の中が蒸れるので、無意識に布団の中の湿度や温度を変えようとして、寝返りを打ったりします。ですから、夏場は、寝返りの回数がふえ、寝相がより悪くなるともいえます。

大人の寝相


寝返りを打つのは、血液が1か所に溜まってしまわないようにするためですので、身体にとって重要なことです。大人は通常一晩で、20~30回の寝返りをしています。
寝たきりの病人にも時間を決めて体位の交換が行われていますが、言ってみれば意識的に寝返りをさせて床ずれなどを防いでいます。
しかし寝返りと寝相が悪いということは、意味が違ってきます。
子どもと違って、大人は、レム睡眠中に多く現れます。温度・湿度、光、音などの睡眠環境が悪いと眠りが浅くなり、寝相が悪くなります。また、枕などの寝具が合わないと、しっくりいく場所を求めて、寝返りの回数も増えます。

寝相の改善法


その1:睡眠環境


部屋の温度や湿度が適正でないと寝相が悪くなります。
季節によって違いますが、夏は26~28℃、冬は18℃前後、湿度は50%程度が適当です。湿度は、乾燥していると喉が渇いて咳き込み、睡眠を妨げます。
また、部屋の明るさや布団の重さも自分に合っていないと、睡眠を妨げる原因になります。それから寝相の悪い人の圧倒的な原因は、枕が合っていないことです。
最近は測定してくれる寝具店などもありますので、きちんと身体に合ったものを選びましょう。
また枕は、敷布団やベッドの硬さと関連があります。柔らかいベッドが好きな場合は、やや低めの枕を選んだ方がいいでしょう。

その2:自律神経を安定させる


自律神経が不安定だと、寝ていても力が入ってしまい、苦しい状態になります。
それでは、なぜ自律神経が不安定になるのでしょうか?
その原因を考えると、まずはストレスが一番にあがります。ストレスにより、不規則な生活になったりすると、余計に辛くなります。
睡眠時にリラックスできる方法を身につけましょう。
たとえば、自分の好みのアロマを焚くという方法。とくにラベンダーの香りなどは効果的です。寝る前にホットミルクなど、温かいものを飲んでリラックスするのもいいでしょう。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

関連記事

情報提供元: mocosuku

人気記事