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長時間のPC・スマホが引き起こす「VDT症候群」

2017-01-21 21:30:04


執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
パソコンやスマートフォンの普及に伴い、私たちは長時間、情報機器の画面を見続けることが増えました。
「仕事でパソコンが欠かせない」「気づくとスマホで情報を検索している」・・・。そのような生活を送っている人は多いのではないでしょうか?
心当たりのある人は『VDT症候群』という病気につながる恐れがあります。

VDT症候群とは


VDTは「Visual Display Terminal」の略で、パソコンやスマートフォン、液晶テレビなどの画面を表示する機器のことを指しています。
これらの情報端末を長時間にわたって使用していると、一時的な目の疲れだけでなく、身体や心にまで症状があらわれる場合があります。
このように、表示機器の使用によって起きる不快な症状を「VDT症候群」と総称しています。
具体的にどんな症状が起きるのか、詳しくみていきましょう。

さまざまな症状


まず目に起こる主な症状としては、痛み・充血・かすみ・視力低下などがあります。
また身体に起こる症状としては、首や肩の凝り・腰痛があり、手指のしびれや震えを感じる人もいます。そのほかにも、頭痛・耳鳴り・生理不順を引き起こしたり、胃腸不良で食欲に異常が起きたりすることもあります。
一方、精神面では、抑うつ感や倦怠感・不安緊張・イライラ・不眠の症状を感じることがあります。
これらの症状から、ドライアイ・うつ病・不眠症などの病気を併発することもあります。
不安感や抑うつ症状などは、一見すると眼と関係なさそうな症状に思われるかもしれませんが、パソコン作業などに集中すると、精神的に緊張した状態が続いて、自律神経の働きにも影響します。
その結果、精神的な症状まで出てしまうのです。

3つの対策


VDT症候群については、すでに10年以上前から危惧されており、平成14年には厚生労働省から『新VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン』も策定されています。
そして年々、症状を訴える人は増加傾向にあります。
VDT症候群にならないために、以下の3つのことを注意しましょう。

環境を整える


・室内の明るさと、ディスプレイ画面の明るさの差をなくす
・ディスプレイ画面に蛍光灯や窓からの光がはいらないようにする

姿勢を意識する


<パソコン作業の場合>
・目は、ディスプレイ画面から40~50cmは離す
・視線は、少し画面を見下ろすようにディスプ レイを配置する
・椅子に深く腰をかけ、背もたれに背を十分にあてる
・足裏が地面につくように椅子や踏み台で調節する。脚を組まない
<スマホの場合>
・首を曲げすぎない
・長時間にわたって同じ姿勢や同じ視線を続けない

作業時間にメリハリをつける


・連続して作業を続けず、1時間ごとに10~15分の休息をとる。
・ときどき適度に体を動かし、緊張をほぐす。
悪化を防ぐためには日々のちょっとした心がけが大切です。疲れを感じたら症状を放置せずに、対策を講じて、健康を維持しましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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