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「運動不足病」にご用心! 回復までに1週間も?

2017-01-28 18:30:32


執筆:南部 洋子(助産師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
ふだん忙しく働いていると、休みの日くらいはのんびり過ごしたいものです。
身体にも心にも適度な休息はとても大切です。
とはいえ、毎回ゴロゴロ「ずっと寝てばかり」が引き起こす心身への影響も知っておきましょう。

運動不足病とは?


「運動不足病(廃用症候群)」をご存知ですか?
身体を動かさない生活をしていることで、全身の各器官が機能の低下をきたしていく症状をいいます。
その原因には、病気や障害などで必要とされた安静や、日常の活動性低下が挙げられています。
そのため、高齢者や病気や障害者だけでなく、生活が便利になった現在では、子どもから働き盛りの方にも身近な問題となっています。
運動不足病は、身体・精神だけでなく、仕事や対人関係など社会生活にも大きな影響を与えます。具体的には、筋力低下・体力の衰え・心臓機能の低下・便秘・抑うつ状態・認知症などがあげられます。
とくに筋力は低下が著しく、1日動かさないでいると3~6%低下します。
これを回復させるには1週間の回復期間が必要となるのです。そんなことにならないよう、毎日を楽しく過ごすプランを考えましょう。

休日こそ運動不足解消のチャンス


休日がまとまってとれるなら旅行の計画を立ててみましょう。国内でも海外でも、出かければ寝ている暇はありません。
また休日が短い場合でも、家族や友人と出掛けたり、身体を動かして遊んだりするのはいかがでしょう。
それでも「お家にいたい」なら、テレビを見ながら、音楽を聞きながら、などの「ながらストレッチ」や「筋トレ」をおすすめします。

運動不足解消の3条件


「休日はふだんの運動不足解消をしてみよう!」と思ったら、効果的なトレーニングをするための3条件を知っておいてください。

(1)強度
(2)時間
(3)頻度

適切な運動プログラムを設定するには、「強度と時間」の組み合わせが重要です。
基本的には強度が高ければ時間は短く、強度が低ければ時間は長く、といった組み合わせになります。
頻度は週1回でも効果は確かめられていますが、多いほどトレーニング効果は大きくなります。
また運動量を増やすには、大きな筋肉を使う運動が効果的です。つまり、下肢を使うことです。
代表的なものがウオーキング・ジョギング・水中歩行・自転車こぎ・水泳などです。
厚生労働省では、3メッツ以上の運動・動作を1日60分以上行うことを推奨しています。メッツとは、身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位で、座って安静にしている状態が1メッツです。
3メッツの身体活動とは、スポーツではボウリング・バレーボール・軽い筋トレ、日常生活では普通の歩行・床掃除・子どもの世話・洗車などです。

無理のない、効果的な運動を!


運動の負荷を上げれば、短時間で効果を上げることができますが、適度な運動を継続的に行うことが、健康の維持には大切です。
ただし、もともと持病がある人は、かかりつけの医師に相談してから始めましょう。
また意気込んで最初から負荷量を上げたり、無理をするのは、逆に身体への負担になります。
軽い気持ちで部屋掃除や買物ついでの散歩からでも始めてみませんか。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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