あっ、目ヤニ。 目ヤニは何でできている?
2017-01-28 21:30:16
執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
朝起きたら目のまわりが目ヤニでカピカピ!
そんな経験をしたことはありませんか?
自然に出る目ヤニは問題ありませんが、目の病気で出る目ヤニもあります。
今回は目ヤニがなぜ出るのか、また隠れている可能性がある目の病気について、詳しく解説していきましょう。
目ヤニは何でできている?目ヤニはどうして出るの?
目ヤニは、誰しもが出る自然な分泌物です。
目の「角膜(目の黒目の部分を覆う膜)」や「結膜(白目と、上下のまぶたの裏を覆う膜)」が剥がれ落ちた古い細胞などが含まれます。言わば皮膚の垢のようなものです。
また、まばたきをスムーズにするために、まぶたの裏から、粘り気のある分泌物が出ています。
目にゴミやウィルスなどの異物が入ったとき、この分泌物に異物をくるんで目ヤニとして外に出すという、身体の自然な防御反応でもあります。
つまり、目ヤニとは、黒目や白目、まぶたの裏側から出た古い細胞や、目に入った異物でできている、ということです。
朝起きて、目ヤニが出るのは、まったく普通のことです。
私たちの目と鼻は、「鼻涙管(目頭にある小さな穴と、鼻の奥をつなぐ細い管)」でつながっています。起きている時はまばたきをすることで、目ヤニが涙と一緒に鼻涙管を通り、鼻垢となって身体の外に出ています。
一方で、寝ている時はまばたきをしないので、目ヤニが鼻涙管に流れません。
ですから、起きて目ヤニが多いのは当然のことなのです。
注意したい目ヤニって?
注意したいのは、細菌やウィルスによる目の炎症で出る目ヤニです。
症状が進むと結膜炎を起こすことがあり、視力に影響が出てしまうこともあります。次の症状が当てはまるときは、細菌やウィルスに感染している可能性があるので、注意が必要です。
1.目ヤニが膿のようにネバネバ、ドロドロしている、目ヤニの色が黄緑色をしている
ウィルスや細菌が原因の場合、目ヤニはドロドロとしていて、黄色や黄緑色をしていることが多いです。この膿のような目ヤニは、目の炎症を表しています。
2.目ヤニの量が多いことが続く
異物が目に入ると、目を守ろうといつもより多くの目ヤニが出ます。ゴミなど、一時的な異物であればすぐに治まりますが、ウィルスや細菌が入った場合は、目ヤニが多く、長く続きます。
花粉症などのアレルギー症状でも量は多くなりますが、サラサラしていることが多く、花粉症治療などで原因がなくなれば、目ヤニも治まります。
3.結膜が充血している
目が充血している場合、結膜が炎症を起こしていることが考えられます。
結膜炎自体が視力に影響することは、ほとんどないようです。しかし、結膜炎に新たな原因が重なった時、視力に影響することがあります。
結膜炎になると、本来は備えてある身体の防御反応がうまく働かず、新たな細菌やウィルスに感染しやすくなります。これを「混合感染」といいます。
混合感染があると、角膜が濁ったり、薄くなることがあり、視力に影響が出ます。場合によって、角膜に穴が開くこともあり、失明につながることもあります。
とくに、細菌が原因である場合は人にうつりませんが、ウィルスが原因で起こった結膜炎は、人にうつってしまいます。
細菌であれウィルスであれ、結膜が充血している、目がゴロゴロする、黄色や黄緑色の目ヤニが出やすい、といった症状があります。
ウィルスが原因の結膜炎の方が、より症状が強く出る傾向があります。
気をつけたい目ヤニの予防法、対処法は?
予防法は、まずは細菌やウィルスを目に寄せつけないことが大切です。
目ヤニ自体、見た目も良くなく、煩わしいものです。
下記の予防法は、目の病気を予防するだけでなく、目ヤニを多く出さないことにもつながります。日常生活で次のことに注意しましょう。
・汚い手で目をこすらない、触らない
・部屋をこまめに掃除する(ホコリやハウスダストを防ぐ)
・コンタクトレンズを使用している人は、使用期限を守り、手順どおりに扱う
・プールではゴーグルを使用する
・家庭内に結膜炎の人がいる場合、同じタオルを使わない
もし細菌やウィルスが原因と思われる目ヤニがある場合は、眼科を受診しましょう。
くれぐれも自己判断で市販の点眼薬を使うようなことはやめましょう。症状にあった対処をしないと、悪化することがあります。
結膜炎は、涙や目ヤニを介して、他の人にうつります。
自分や家族が結膜炎といわれたら、タオルの使いまわしはやめ、目ヤニや涙を拭いたティッシュはすぐに捨てる、石けんで手を良く洗うなどの対処が必要です。
目はとてもデリケートです。日頃から目をいたわり、目のトラブルを避けるようにしましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku