頭痛による吐き気 …症状別に考えられる原因と対策法
2017-01-30 18:30:37
執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
頭痛だけでも辛いのに、吐き気も重なって苦しんだ経験はありませんか?
一体なぜ頭痛に加え、吐き気までが起こるのでしょうか?
ここでは、頭痛による吐き気と、疾患による吐き気に分け、それぞれの症状をご紹介いたします。
「吐き気が起こる頭痛」とは
二日酔い
・症状:ズキンズキンという激しい痛み、目がえぐられるような痛みを感じます。
なぜ二日酔いが起こるのか、正確なメカニズムは解明されていません。
しかし、アルコールの利尿作用によって脱水症状になり、脳の血管が拡張することで頭痛が起こるのではないかと考えられています。
激しい痛みや目の奥がえぐられるような痛みが特徴です。
二日酔いになったら、水分補給を一番に心掛けましょう。体内に残っているアルコールを、尿や汗として排出させることができます。特にコーヒーや緑茶には利尿効果もあるので頭痛の解消に効果的です。
偏頭痛
・症状:脈を打つような痛みを感じます。
偏頭痛は、片側あるいは両側のこめかみから目の周辺にかけて脈を打つように痛むのが特徴です。この症状が4時間~72時間も続きます。
頭痛とともに吐き気や嘔吐もあり、音や光に敏感になるので、横になってゆっくりと休みましょう。
疾患による吐き気と頭痛
高血圧症
・症状:頭痛と吐き気以外に、めまい、動悸・息切れ、肩コリを伴います。
高血圧になると、脳内の血流に異常が起きて脳の内圧が高くなります。これにより嘔吐中枢神経を刺激されることから、嘔吐が起きるのではないかと推測されています。
また、高血圧によって耳の「三半規管」に異常が起き、吐き気を引き起こす可能性もあります。
慢性硬膜下血腫
・症状:吐き気や頭痛とともに、運動麻痺や意識障害が起こります。
頭部を打ち付けたことによって起こるのが「慢性硬膜下血腫」です。頭部を打ち付けた際は何でもなかったのに、2~3ヶ月経った頃に頭痛や吐き気、運動麻痺や意識障害を起こします。
くも膜下出血
・症状: 突然の激しい頭痛と嘔吐、意識障害が起こります。
脳内の動脈瘤が破裂してしまう病気で、働き盛りの人に多く死亡率も高い疾患です。
脳炎・髄膜炎
・症状:頭痛や吐き気とともに、高熱が出たり、けいれんが起きたりします。
首の後ろを痛がり、首を前に曲げにくくなる頂部硬直が起こることもあります。免疫力低下によって脳内あるいは髄膜内に病原菌が入り込んでしまう病気です。
緑内障
・症状:頭痛や嘔吐だけでなく、視神経が萎縮して、視野が狭くなるなどの症状があります。
眼球から脳に伝わる視神経に異常が起きる病気で、眼圧が高くなり視神経を圧迫しておきますので、できるだけ早く治療を開始する必要があります。
いかがでしたでしょうか。
吐き気や嘔吐を伴う頭痛は、病気のサインかもしれません。いずれも症状が起きた際には早めに受診して診察してもらうことが大切です。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku