E START

E START トップページ > マガジン > 「歯のトラブル」は突然に! 何をどう対処する?

「歯のトラブル」は突然に! 何をどう対処する?

2017-02-05 18:30:30


執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケアシニアトレーナー)
監修:石川 毅(歯科医師、アイデンタルオフィス恵比寿院長)
誰に起きてもおかしくない「歯のトラブル」。
それが急に起きたとすればなおさらです。
休日にテニスを楽しんでいたらボールが口にぶつかった…。
階段で転倒した際に歯が欠けた…。
このような場合に、どうしたらいいのでしょう。
 
今回はそんな「歯のトラブル」についてご一緒に考えてみましょう。

歯の構造を知ろう!


まず、正常な歯肉(歯ぐき)から上の部分の表面、または歯のくびれている部分(歯頚部)から頭の部分は、身体の中で一番硬い「エナメル質」で覆われています。
一方、歯が埋もれている部分の根っこの表面、または歯のくびれている部分から根の部分は「セメント質」に覆われていて、骨と歯をつないでいる「歯根膜」という繊維性の組織と結びついています。
エナメル質、セメント質それぞれ内側には、「象牙質」があります。
この象牙質は、軟らかく、そのためにエナメル質を通過した虫歯菌は、象牙質に入って一気に広がります。象牙質の中には、「歯髄」という神経が入っていて、根っこの尖端部分で歯の外につながっています。
歯は、「歯槽骨」と呼ばれる顎の骨に植わっている状態なのですが、歯槽骨に直接くっついているのではなく、歯根膜を介在してくっついているのです。
歯肉(歯ぐき)とは、歯槽骨を保護している軟組織です。

もしも歯が欠けてしまったら…


歯が折れたり欠けたりというのは、転んだり、ぶつけたり、スポーツでの衝撃、歯の中の虫歯が進行してたり、眠っているときの歯ぎしり、くいしばりが原因で起こるものなど、まったく予期しない時に起こります。
そんな時に一番いけないことは、そのまま放置することです。
放置することで、欠けた部分がさらに大きくなります。さらに、そこから虫歯になります。ギザギザのままならば、舌や唇を切ってしまうことにもつながります。
このような時には、まず歯医者さんを受診しましょう。

欠けた歯の神経が生きている場合


エナメル質だけが欠けた場合は、特に痛みなどはないことが多いです。
治療は、プラスチックを部分的に詰めるレジン充填、ハイブリッドセラミックを詰めるダイレクトボンディングなどがあります。

象牙質まで欠けている場合


冷たい物を食べると、しみたり痛んだりすることが多くあります。
神経の近くまで達している場合は、熱い物を食べると、しみたり痛んだりすることもあります。
治療は、小さく欠けた場合は神経への刺激を遮断する薬を塗った後、前述のレジン充填、ダイレクトボンディングです。
奥歯が大きく欠けた場合は、セラミックや銀などの部分的なかぶせ物をすることもあります。
痛みが強い場合は、根管治療(歯の神経を取り除いて薬を詰める)で症状が落ち着いたら、土台を入れた後、前歯ならば硬質レジン前装クラウン、オールセラミックなどのかぶせ物を被せます。奥歯ならば銀歯やオールセラミックなどを被せます。

根っこから折れている、または縦方向に割れている場合


このような場合は、残念ながら歯は残せません。残っている歯の抜歯が必要です。
神経が生きている歯は、神経が露出している状態ですから、痛みが強く出ないうちに、できるだけ早く歯科医院へ受診してください。
神経の無い歯は、しみる症状は出ませんが、痛みや腫れが出やすいですので、早めに受診しましょう。

歯のトラブル抜歯をしたら


抜歯をした後は、消炎鎮痛薬や抗菌薬が処方されます。麻酔が切れて痛みが出てきた場合は、消炎鎮痛薬を服用します。
また、抗菌薬は抜歯後の細菌感染を防ぐためのものですから、指示通り服用してください。
抜歯後は時間が経つにつれて痛みは軽減しますが、2~3日経って痛みが強くなってきた場合は細菌感染が疑われるので、抜歯した歯科医院を受診してください。

歯を抜いた後は


そのままにせず、咬み合せがある歯があれば、必ず人工の歯を入れましょう。
入れないことは、大きなデメリットがあります。抜いた歯の隣同士の歯や咬み合せの歯が動いて、5年後、10年後、咬み合せが変わってしまったり、残せる歯も残せなくなってしまいますので放置していてはいけません。
治療方法は、ブリッジ、入れ歯、インプラントがあります。

ブリッジ


1本歯がなくなった場合、両隣の歯を削って3本つながった歯を接着していきます。

入れ歯


取り外し式の義歯です。残っている歯に針金をかけて支えにして入れ歯が外れないようにしていきます。

インプラント


失われた歯を補うための治療法で、乳歯、永久歯、そして第三の歯・インプラントと呼ばれています。
歯のなくなった部分の顎の骨に、外科手術によって人工歯根を埋め込み、それを土台として、上に人工の歯を取り付けます。
これには、メリット、デメリットがあり保険が適用されておらず費用がかかりますので、歯科医師と十分相談の上、治療に当たるといいでしょう。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

関連記事

情報提供元: mocosuku

  • Twitter投稿
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気記事

この記事へのFacebookのコメント