新生活を送るママは「5月病」に要注意!
2017-05-06 18:30:40
執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
ご主人の転勤で引越しをしたために新しい生活が始まった人、または、子どもの新入園や新入学で緊張した毎日を過ごしている人。
お弁当作りやご近所づきあい、学校行事などに追われ、頑張り屋さんほど「自分のことにかまっていられない」という状態になっていませんか?
そのような生活を続けていると、知らないうちにストレスが蓄積し、5月病を発症してしまうことがあります。
そこで今回は、とくに新生活を迎えたママに向けて、5月病について解説していきます。
5月病・6月病は適応障害
日本の新年度は4月スタート。
入学・進学、入社・転職、引っ越しなど、新しい環境での生活に慣れようと頑張った1カ月間が終わり、やってくるのがゴールデンウィーク。
一息ついたのをきっかけに、それまで張りつめていたココロやカラダの緊張が一気にゆるみ、気がつくと、心身に不調が・・・。
このような新生活の後に現れる心身の不調のことを一般的に「5月病」と呼んでいます。
最近では、5月に限らず、6月にこうした症状を呈する人もいることから、「6月病」という名前で呼ばれることもあるようです。
「5月病」という名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、実はこの名称は、医学用語ではありません。
専門的には「適応障害」などと診断されることが多いようです。
適応障害は、生活の変化や肉親との死別など、ストレスがかかる出来事をきっかけに、心身に不調をきたす病気です。
症状としては、やる気が起きない、不安や焦燥感が強い、悲観的な考え方をしてしまうなどの精神的な症状から、眠れない、食欲がない、身体がだるい、疲れやすい、頭痛や腹痛、肩こりに悩まされるなどの身体面の症状までさまざまです。
このような症状は、急激な環境の変化についていけずに心身が悲鳴を上げているストレス反応といえるでしょう。
適応障害は、きっかけとなる出来事から3か月以内に症状が現れ、6カ月以内に治まるといわれています。
そのため、それ以上症状が続く場合には、うつ病などに移行していたり、ほかの病気を発症している可能性があります。
ママも気をつけて
「5月病」と聞くと、入学や進学などの学校生活でのイベントが多い学生や、入社・転職など職業生活でのイベントが多いビジネスパーソンが発症する、というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、5月病は誰でもかかる可能性がある病気です。
ですから、たとえ学校や仕事をしていない方、たとえば主婦のみなさんも注意が必要です。
とくに、ご主人の転勤にともなう引っ越し、お子さんの進学などにともなう人間関係の変化がある方は要注意。
家族のために奮闘していると、自分のことにかまっている余裕がなくなり、ご自身の心身の変化に気がつきにくくなっていることがあります。
また、「家族の苦労は自分の苦労」と受け止めていることも相まって、早い段階で気づくことができず、重症化してしまうリスクがあります。
5月病を防ぐために
先ほどお話ししたように、5月病は、悪化するとうつ病などに移行する可能性があるため、予防することが大切です。
5月病を予防するためには、頑張りすぎず、適度にストレスを発散するようにしましょう。
たとえば、ママ友とおしゃべりに興じたり、意識的に自分の時間を作ったり、ご家族の協力を得て、家事を手伝ってもらい、好きなことをするのもよいでしょう。
また、日記をつけるのもおすすめです。
日記を書くと、客観的に自分の状態を把握することができるため、「今日は頑張りすぎたから、明日はちょっと休もう」といったように、日々の生活をコントロールしやすくなります。
このように、毎日のちょっとした息抜きや工夫で5月病を予防することができます。
ご家族のために頑張っているママたち、「5月病なんて自分は関係ない」と思わず、今から対策しましょう。
<執筆者プロフィール>
伊坂 八重(いさか・やえ)
メンタルヘルスライター。
株式会社 とらうべ 社員。精神障害者の相談援助を行うための国家資格・精神保健福祉士取得。社会調査士の資格も保有しており、統計調査に関する記事も執筆
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku