E START

E START トップページ > マガジン > 年齢とともに、身長はだんだん縮んでいく?

年齢とともに、身長はだんだん縮んでいく?

2017-08-24 18:30:28


執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
毎年の定期健診を受けていますか?
健康度をはかる定期健診では最初に身長や体重などが測定されます。
ところでこの身長、若い時には毎年背丈が伸びていったでしょうが、年をとると以前より縮んでしまうことがあります。
どうしてなのでしょうか。その原因と予防法についてご紹介いたしましょう。

加齢とともに身長は縮む?


ある病院の医師が執筆した健康コラムによると、「40歳以降平均すると10年で1センチ縮みます」(社会医療法人同人会耳原鳳クリニック「健康雑記帖2014年」より)とのこと。
このように具体的な年齢や数値は明示されていなくても、成長期を終えると身長の伸びは止まり、中年期以降になると加齢とともに、個人差はあるものの、数センチ程度の範囲で、少しずつ身長が縮んでいく傾向があることは、一般的な事実といえるでしょう。

身長が縮む原因は?


上で引用した健康コラムによると、加齢により身長が縮む原因は次の3つです。

加齢そのものによる水分の減少


人間の身体の水分量は、子どもで70%、成人55~60%、老人50%と、加齢によって減少していきます。これにともなって背骨の椎間板の水分量も減少して、厚みが薄くなり身長が低くなります。

骨粗しょう症による背骨の圧迫骨折や背骨の変形


骨粗しょう症は骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。日本では一般的に40歳以上で発症し、加齢に伴ってその割合が増えています。
また、女性の方が男性より約5倍も多く、とくに閉経による女性ホルモン分泌の低下が、これに影響しています。
ところで、骨粗しょう症は背骨の錐体が圧迫骨折を起こし、その結果、錐体の厚みが薄くなって身長が低くなります。
さらに、骨粗しょう症などによって背骨の変形が起きることも、身長が低くなることの要因です。

生活習慣による不良姿勢


猫背など背骨が歪んでしまうことや、股関節や膝関節を曲げて立つ習慣、また、O脚変形なども身長が低くなる原因です。一般に、姿勢が悪くなってしまうと身長が低くなる可能性があります。
若いころと比べて、身長が1~2センチ(50代)、2~3センチ(60代)、3センチ以上(70代以上)低くなっていたら、姿勢の悪さや骨粗しょう症をチェックする必要があると言われます。
(参考:『(社会医療法人同人会耳原鳳クリニック「健康雑記帖2014年5月分」)』http://www.mimihara.or.jp/ohtori/column56.html)

筋力の衰え


このほか、筋力の衰えも原因に加えることができるでしょう。
腹筋や背筋などが衰えることで、骨盤や脊椎を支えられなくなって、姿勢が悪くなったりして、身長が縮んでしまいます。

身長が縮むことを予防する!


自分でできる一番身近なこととして、まずは、生活習慣を意識してみましょう。

良い姿勢で過ごす


良い姿勢は、骨盤とお腹を意識して作ります。背筋を伸ばそうとしたり、胸を張り過ぎてしまっているのは、いい姿勢ではありません。また、座っている姿勢では、骨盤を立てて、お腹を凹ませることで、背筋が伸びた姿勢になります。
顎を引いて、首を伸ばしましょう。

猫背を矯正する


猫背の人は、次の方法で矯正してみましょう。
・胸を開く
肩の高さまで腕を上げて、肘を直角に曲げます。手のひらは、外側に向けたまま肘を外側にスライドさせて、胸を開いていきます。20秒かけて行い、それを3~5セット行います。
・肩甲骨を動かす
ズボンのポケットに両手を入れるようにお尻に手をおきます。両方の肘を寄せるように動かします。肩を動かさないように、腰が反らないように行いましょう。20秒かけて行い、3~5セット行います。
・ストレッチポールを使用する
円柱状のストレッチポールに寝て、手足を動かすことで、体の重みを使ってストレッチすることができます。

筋肉を鍛える


筋力の低下を補うためには、無理のない継続して行う運動です。ウオーキングや体操など、足を中心に筋肉を使って筋力を毎日少しずつ鍛えましょう。
また、腹筋を鍛えることが骨盤のゆがみの矯正にもなります。
電車の中でもお腹で息を吸い、長く吐く、を5分ほど行って下さい。

栄養のバランスに気をつける


食事をバランスよく摂り、カルシウムの吸収に必要なビタミンD、マグネシウム、リン、タンパク質なども意識して摂取する必要があります。

喫煙や飲酒


タバコは、血流を悪くしカルシウムの吸収を妨げます。お酒は利尿作用があるので、体内にあるカルシウムまで排泄される可能性があります。
骨粗しょう症の予防のためにも、喫煙や過度の飲酒は控えるべきでしょう。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお・かおるこ)
保健師・保健師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

関連記事

情報提供元: mocosuku

人気記事