【SLSテイクオーバー2025クリーブランド】コルダノ・ラッセルがカナダ人初優勝!女子の優勝はクロエ・コベル
2025-08-12 11:00:24
8月9日(現地時間)にアメリカ・オハイオ州クリーブランドで、世界最高峰のスケートボードコンテストとなるストリートリーグ(Street League Skateboarding以下SLS)のテイクオーバー大会が開催され、男子はカナダのコルダノ・ラッセル(21歳)がSLS初優勝(カナダ人初)。
2位はブラジルのカルロス・リベイロ(33歳)、3位はコロンビアのジャンカルロス・ゴンザレス(28歳)となった。
日本勢は根附海龍(21歳)が出場し9位。小野寺吟雲(15歳)がワイルドカードジャムを勝ち上がり、SLS初出場を果たし8位に。
他にも佐々木音憧(18歳)がワイルドカードジャムに出場したが、残念ながら8位で敗退となった。
女子の優勝はオーストラリアのクロエ・コベル(15歳)で、SLS通算6度目の優勝トロフィーを手にした。
2位は吉沢恋(15歳)、3位は織田夢海(18歳)、4位に中山楓奈(20歳)と続き、出場予定だった赤間凛音と、シャイロ・カトリは欠場。
女子は少し寂しい4人での決勝戦だった。
SLSは世界中から厳選され、招待を受けたトッププロのみが出場できる世界最高峰の大会。
2025年度はアリーナ大会とテイクオーバーイベントが開催され、各大会のポイントランキング上位者は、最終戦となるスーパークラウンへの出場権を手にすることができる。
【SLSテイクオーバーのルールと今後の予定】
●SLSテイクオーバーイベントは、コース内の自由な場所で1発技を行うシングルトリック(五輪で言うところのベストトリック)を7本行い、上位3本の合計得点で順位が争われる(1トライにつき10点満点で採点)。
合計得点が同点の場合は、点数が高いシングルトリックを決めた方が上位になる。
●判定は3人の審査員によって行われ、10点満点方式で採点。
※9点台のトリックはナインクラブと呼ばれ、賞賛される。
●男子のテイクオーバーにはワイルドカード枠が2つ用意されており、ワイルドカードジャムで勝ち上がった2人が決勝に出場できる。
ジャムは採点制ではなく、初めに1本ずつトライした後に15分間順番に次々と滑走し、ラスト1分はフリーセッションのカオス状態に突入。終了時点で上位4人が5分間の延長戦へと進む。
最終的に上位2人が、本戦へ勝ち上がるという形式。
●今後は10月11日にパリでアリーナ大会、11月にテイクオーバーイベント(詳細未定)、12月6日から7日にかけてブラジルのサンパウロで、スーパークラウンが予定されている。
●アリーナ大会ポイントの男子上位12人と女子上位6人、テイクオーバー大会ポイントの男子上位8人と女子上位4人には、スーパークラウンへの出場権が与えられる。
両方の大会で出場権を得ているスケーターがいる場合は、次にテイクオーバー大会の順位が高いスケーターに出場権が繰り越される。
※8月10日時点での情報
【誰にも止められないクロエ/女子決勝】
女子決勝は、オーストラリアのクロエ・コベルと吉沢恋、中山楓奈、織田夢海の4人で争われた。
織田夢海のノーリーキックフリップ
吉沢恋のフロントサイドハリケーングラインド
クロエ・コベルのトリック
SLS通算14回優勝の女王ライッサ・レアウがいなかった今大会は、クロエ・コベルの優勝で幕を閉じた。
女子は常に上位に日本勢がランクインするが、ライッサ、クロエに毎回優勝の座を明け渡している。
今後、誰がこの2人の勢いを止めることができるのかにも注目だ。
【小野寺が初のSLS出場権を獲得/ワイルドカードジャム】
今大会のワイルドカードジャムは日本から、佐々木音憧、小野寺吟雲が出場。
この大会がSLS関連の大会初出場となる小野寺は、1本目からビッグスピンフロントサイドボードスライド フェイキーアウトをメイクすると、2本目にはキックフリップフロントサイドブラントスライド。
3本目にバックサイドキックフリップ、4本目にキックフリップバックサイドテールスライド フェイキーアウトを決め、ここまで全選手の中で唯一のノーミスで試合を進める。
その後は、フロントサイドブラントスライドのビッグスピンアウト。キックフリップバックサイドテールスライド ショービットアウトを決めると、1分間のフリージャムセッションはパス。
首位で臨んだ5分間の最終延長戦では、ビッグスピンフロントサイドボードスライド ショービットアウト。キックフリップバックサイドテールスライド ビッグスピンアウト。
ステアでビッグスピンキックフリップ、スイッチヒールフリップ。
スイッチフロントサイドノーズスライド、そしてスイッチフロントサイドノーズスライド からのビッグスピンアウト。
以上のトリックを次々と決め、ワイルドカードジャムを1位通過。2位はアメリカの15歳、ジュリアン・アリアルディが決勝出場を決めた。
佐々木はギャップ越えのハードフリップ、スイッチヒールフリップ、ノーリーヒールフリップを決めたが、上位4人が進む最終延長戦に残ることができず、8位に終わった。
【カナダ勢初の快挙/男子決勝】
男子決勝はワイルドカードで勝ち上がった小野寺吟雲、ジュリアン・アリアルディの2人と、マイルス・シルヴァス(29歳)、ジェイミー・フォイ(29歳)のアメリカ勢。
カナダのコルダノ・ラッセル(21歳)、コロンビアのジャンカルロス・ゴンザレス(28歳)、ポルトガルのグスタボ・リベイロ(24歳)。
ケルビン・ホフラー(32歳)、カルロス・リベイロ(33歳)のブラジル勢。
そして根附海龍(21歳)の10人で争われた。
ジャンカルロス・ゴンザレスのキャバレリアル フロントサイドノーズスライド
カルロス・リベイロのスイッチキックフリップ バックサイドリップスライド
コルダノ・ラッセルのトリック
今大会は、フロントサイドハーフキャブキックフリップ フロントサイドボードスライド。フェイキーヒールフリップ バックサイドリップスライド。
ノーリービッグスピン バックサイドリップスライドを決めた、フェイキートリックマスターのコルダノ・ラッセルが、カナダ勢初となるSLS王者の座に輝いた。
SLSテイクオーバークリーブランド2025ワイルドカードジャム&男女決勝の映像(ワイルドカードジャムのみ無料視聴可、決勝はプレミアム会員のみ)
動画URL:https://rumble.com/v6wwme2-sls-cleveland-spot-takeover-2025-august-9-2025.html
【SLSテイクオーバー2025クリーブランド女子リザルト】
1位 クロエ・コベル(オーストラリア)–21.1
2位 吉沢 恋(日本)–20.9
3位 織田 夢海(日本)–20.5
4位 中山 楓奈(日本)–17.0
【SLSテイクオーバー2025クリーブランド男子リザルト】
1位 コルダノ・ラッセル(カナダ)–26.2
2位 カルロス・リベイロ(ブラジル)–25.0
3位 ジャンカルロス・ゴンザレス(コロンビア)–24.9
4位 マイルス・シルヴァス(アメリカ)–24.6
5位 グスタボ・リベイロ(ポルトガル)–17.7
6位 ジェイミー・フォイ(アメリカ)–15.7
7位 ジュリアン・アリアルディ(アメリカ)–15.5
8位 小野寺 吟雲(日本)–13.4
9位 根附 海龍(日本)–7.6
10位 ケルビン・ホフラー(ブラジル)–7.1
文 小嶋勝美
スケートボード放送作家のスケーター
情報提供元: マガジンサミット