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キレイな人ほど知っている? その秘訣は「口角」にあり

2017-12-20 18:30:21


執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
口角は顔の上下の唇が合わさる部位のことを指しています。
「口の両わき」とも呼ばれ、この部分がキュッと上がると、チャーミングで、笑っているように見えたりします。
反対に、年を取るにしたがって、だんだん下がってくる部位でもあります。
今回はこの口角について、詳しくご紹介いたしましょう。

口角にかかわる筋肉


口角を上げたり下げたりするのは、顔面表情筋という、皮膚を動かして表情を作る筋肉群に入る筋肉です。
皮膚に付着している「皮筋(ひきん)」と呼ばれ、これらの筋肉が収縮することで皮膚が引っ張られて、眉や額、口角などが上がったり下がったりします。
中でも、口角を引き上げるのは、「口角挙筋(こうかくきょきん)」、「笑筋(しょうきん)」、「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」、「口輪筋(こうりんきん)」などですし、口角を下げるのは、「口角下制筋(こうかくかせいきん)」や顔面表情筋の仲間「広頸筋(こうけいきん)」などです。
これらの筋肉はどれも、顔面神経に支配されています。

口角が下がると…


口角を下げる口角下制筋は、口周りの口輪筋と接合して、あごや目元、ほほなどの筋肉に影響を与えていきます。
ですから、口角下制筋が硬く縮んで口角が下がりっぱなしになると、頬に付着する脂肪がたるんで「ほうれい線」が深くなっていったり、口脇からあごに向かって伸びる「マリオネットライン」が目立ってしまったりします。
あごのたるみ、フェイスラインの崩れ、頬のたるみ、目のたるみの原因にもなります。
どれも「見た目年齢」を上げる印象があります。あるいは、逆に不機嫌そうに見えたりもします。

口角を上げる効果


口角を上げる努力は、口の周囲の表情筋を鍛えます。普段の会話だけではこの筋肉を鍛えることができないといわれます。
そして、その努力は次のような効果を生むといわれます。

・ほうれい線やマリオネットラインが解消される
・顔のたるみを防いで、フェイスラインを整え、老け顔を予防する
・口角が締まって、表情や顔色が明るくなる
・顔の脂質が減少する

表情筋のトレーニング法について


専門医からは、ネット上の表情筋トレーニング法は、さまざまな人がいろんなやり方を考案しているが、医学的に効果があると検証されたものは、ほとんどないという指摘もあります。
そんな中、比較的信頼できる方法として、次の3つが紹介されています。

上唇を鍛える


・両手の親指を唇の前に当て、唇を押し出しながら、親指を歯茎に向かって押し当てる
・これを6秒維持する
・1週目は1日5回、2周目は7回、3週目から10回と、回数を増やしていく

鏡を見ながら笑顔を作る筋肉トレーニング(スマイルトレーニング)


・朝晩3~5回、「い・え・あ・お・う」とゆっくり発音する
・両手の人差し指を両方の口角に当て、後ろ上方に引き上げ、15秒維持し、5秒休む
・これを30秒、45秒、60秒と、だんだん長くしていく、1日3~5回繰り返す
・慣れてきたら、人差し指を使わずに、表情筋だけで口角を左右対称に、できるだけ後ろ上方に上げた位置で止める
・これを15秒維持して5秒休む
・だんだんと時間を長くしていく
・1日2回、朝晩3分ほど行う

道具を用いた表情筋トレーニング


表情筋トレーニング用の器具を口にくわえて振動させる
(出典:二子玉川美容外科クリニック『専門医が教える 若返りのススメ』https://wakagaeri-susume.com/facial-excercise-3286)

エクササイズ時の注意事項


表情筋のトレーニングが効果的になるように、また、間違った仕方にならないように、次のような注意点も挙げられています。

・強く皮膚をこすると炎症性色素沈着ができたり、肝斑(シミの一種)が悪化する場合があります。皮膚を強くこすり過ぎないことが大切です。
・鏡を見ながら顔の筋肉の状態を観察して、エクササイズを行いましょう。筋肉の収縮が強すぎると、けいれんが起こったり、シワやたるみがかえって悪化します。
・上まぶたを強くマッサージしすぎると、じん帯が伸びて、まぶたが下垂する原因となることがあるので、注意をしましょう。
・継続が大切です。表情筋のトレーニングは、やめてしまうと徐々に元に戻ってしまいます。効果を維持するためにエクササイズを継続しましょう。

口角を上げることは、単に表情の問題にとどまらず、印象の良さや笑顔といった、社交性にもよい影響を与えたり、若々しい気持ちで生活するという効果も期待されています。
そんなことから、「口角を上げると幸せホルモンのセロトニンが分泌される」といったキャッチもネット上では散見されますが、これについての医学的な検証は、今後のことのようです。
【参考】
・坂井健雄 橋本尚詞『ぜんぶわかる人体解剖図』成美堂出版、2011.

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお・かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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