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【SLSテイクオーバー2025ラスベガス】小野寺吟雲が初優勝 女子は赤間凛音が優勝!男女とも日本勢が制しスーパークラウンへ向け好発進

2025-10-27 11:00:09

10月25日(現地時間)アメリカ・ラスベガスで世界最高峰のスケートボードコンテスト、ストリートリーグ(Street League Skateboarding以下SLS)のテイクオーバー大会が開催され、小野寺吟雲(15歳)が初優勝。ワイルドカードジャム(予選)から出場の小野寺は、高難度トリック&他を圧倒するメイク率で決勝に上がると、決勝の舞台では3本続けて9クラブを獲得、まさに無双状態での優勝劇を見せた。

2位はアメリカのナイジャ・ヒューストン(30歳)、3位はフランスのヴィンセント・ミルー(28歳)。女子は赤間凛音(16歳)が2024年のAPEX大会以来となる優勝を飾り、男女とも日本勢による優勝で幕を閉じた。

日本勢男子は白井空良(23歳)が5位、堀米雄斗(26歳)が8位。他にもワイルドカードジャム(予選)に佐々木音憧(18歳)が出場したが、上位に食い込むことができず、予選敗退となった。

あらためて女子は赤間凛音が優勝、前回パリ大会での上村葵に続いて日本人がSLS2連勝!2位はブラジルのライッサ・レアウ(17歳)、3位に上村葵(16歳)、4位に西矢椛(18歳)と続いた。

SLSは世界中から厳選され、招待を受けたトッププロのみが出場できる世界最高峰の大会。2025年度はアリーナ大会とテイクオーバーイベントが開催され、各大会のポイントランキング上位者は、最終戦となる12月のスーパークラウンへの出場権を手にすることができる。

【スーパークラウン出場に必要なランキング】

今年のSLSはアリーナ大会ポイントの男子上位12人と女子上位6人。テイクオーバー大会ポイントの男子上位8人と女子上位4人にスーパークラウンへの出場権が与えられる。両方の大会で出場権を得ているスケーターがいる場合は、次にテイクオーバー大会の順位が高いスケーターに出場権が繰り越される。

今大会がスーパークラウン前の最後の大会となり、ここまでポイントを稼げていない西矢椛や、赤間凛音といったSLS常連のオリンピックメダリストにとってはスーパークラウン出場をかけた重要な一戦となった。


堀米雄斗は前回パリで行われたアリーナ大会で決勝に残り、アリーナランキング12位でギリギリ出場を決めている。

現在SLSホームページで発表されているアリーナ大会男子上位は以下のとおり。
1位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ) 37 PTS
2位 グスタボ・リベイロ(ポルトガル) 35 PTS
2位 ジオバンニ・ジバンナ(ブラジル) 35 PTS
4位 白井 空良(日本) 35 PTS
5位 ヴィンセント・ミルー(フランス) 34 PTS
6位 ブレイデン・ホーバン(アメリカ) 26 PTS
7位 ジャンカルロス・ゴンザレス(コロンビア) 26 PTS
8位 フェリペ・グスタボ(ブラジル) 24 PTS
9位 根附 海龍(日本) 22 PTS
10位 フィリペ・モタ(ブラジル) 22 PTS
11位 ライアン・デセンゾ(カナダ) 19 PTS
12位 堀米 雄斗(日本) 15 PTS

現在SLSホームページで発表されているアリーナ大会女子上位は以下のとおり。
1位 クロエ・コベル(オーストラリア) 18 PTS
2位 吉沢 恋(日本) 15 PTS
3位 上村 葵(日本) 14 PTS
4位 織田 夢海(日本) 14 PTS
5位 ライッサ・レアウ(ブラジル) 13 PTS
6位 中山 楓奈(日本) 10 PTS

※SLSホームページより(10月27日時点)
同ポイントで順位の揺れがあるがSLSホームページのまま掲載しています。

西矢椛が前回のパリ大会をケガで欠場し、7位(7 PTS)に後退してしまったためアリーナ大会ポイントでは出場できず、今大会は重要な一戦となった。

【SLSテイクオーバーのルールと今後の予定】

●SLSテイクオーバーイベントは、コース内の自由な場所で1発技を行うシングルトリック(五輪で言うところのベストトリック)を7本行い、上位3本の合計得点で順位が争われる(1トライにつき10点満点で採点)。

合計得点が同点の場合は、点数が高いシングルトリックを決めた方が上位になる。

●判定は3人の審査員によって行われ、10点満点方式で採点。
※9点台のトリックはナインクラブと呼ばれ、賞賛される。

●男子のテイクオーバーにはワイルドカード枠が2つ用意されており、ワイルドカードジャムで勝ち上がった2人が決勝に出場できる。
ジャムは採点制ではなく、初めに1本ずつトライした後に15分間順番に次々と滑走し、ラスト1分はフリーセッションのカオス状態に突入。終了時点で上位4人が5分間の延長戦へと進む。
最終的に上位2人が、本戦へ勝ち上がるという形式。

●12月6日から7日にかけてブラジルのサンパウロで、スーパークラウンが予定されている。日本勢は2018年度のスーパークラウン(開催は2019年1月)で西村碧莉が優勝して以来、スーパークラウン優勝者は出ていない。

【屈指のメイク率を誇った小野寺がトップ/ワイルドカードジャム】

SLS男子だけに設けられているワイルドカードジャム、日本からは小野寺吟雲と佐々木音憧が出場。

1本目に佐々木は、ダブルサイドハバレッジでバックサイドノーズブラントスライドをメイク。
小野寺は同セクションで、キックフリップバックサイドテールスライドフェイキーをメイク。
2本目は佐々木、小野寺ともにミス。
3本目、佐々木はハバで、ハーフキャブバックサイドKグラインドをメイク。
小野寺は同セクションで、バックサイドテールスライド ビッグスピンアウトをメイク。
4本目、佐々木は「SLS VEGAS」サイン越えのバックサイド360をミス。
小野寺もハバで、キックフリップフロントサイドブラントスライドをミス。
5本目、佐々木はまたしてもバックサイド360をミス。
小野寺は、キックフリップフロントサイドブラントスライドをメイクし、首位に立つ。
6本目、佐々木はバックサイド360をメイク。
小野寺は、ハバでキックフリップバックサイドテールスライド ショービットアウトをメイク。
7本目、佐々木はハバで、ハーフキャブバックサイドスミスグラインドをミス。
小野寺は、ハバでスイッチフロントサイドノーズスライド270ショービットアウトをメイク。
8本目、佐々木はまたしてもハーフキャブバックサイドスミスグラインドをミスしてしまう。
小野寺は、ハバでキックフリップバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトをメイク。

この時点でトップは小野寺、2位は360キックフリップフロントサイドノーズブラントスライドとバックサイド180キックフリップ ノーズグラインドなどを決めたペルーのアンジェロ・カロ。

9本目、佐々木はハーフキャブバックスミスをミス。
小野寺は、ハバでスイッチヒールフリップ フロントサイドノーズスライドをミス。
10本目、佐々木は果敢にハーフキャブバックスミスを狙うが、着地でミス。
小野寺は、スイッチヒールフリップ フロントサイドノーズスライドをミス。
11本目、ここで佐々木がハーフキャブバックサイドスミスグラインドを完璧にメイク。
小野寺は、スイッチヒールフリップ フロントサイドノーズスライドを着地でミス。
12本目、佐々木はハバでキャバレリアルバックサイドノーズブラントスライドをミス。
ここでアンジェロ・カロが、ハバでバックサイドKグラインドフロントサイド360ショービットアウトをメイク。
小野寺は、スイッチヒールフリップ フロントサイドノーズスライドをミス。

ここで前半最後となるカオスモードの13本目。
佐々木が、キャバレリアルバックサイドノーズブラントスライドをメイク。
残り10秒となった14本目、小野寺がスイッチヒールフリップ フロントサイドノーズスライドをメイク。

前半終了時点で暫定首位が小野寺、2位がアンジェロ・カロ、3位にジェイク・イラーディ、4位がジュリアン・アリアルディとなり、佐々木はこの時点で7位敗退が決まった。

[5分間の延長戦]
小野寺の1本目、バックサイドテールスライド キックフリップフェイキーアウトをメイク。
2本目、SLSラスベガスサイン越えのバックサイドキックフリップをメイク。
3本目、ハバでバックサイドテールスライドショービットアウトをメイク。
4本目、サイン越えのスイッチヒールフリップをミス。
5本目、スイッチヒールをミス。
6本目、スイッチヒールフリップをメイク。
他の選手はさすがに疲れもあるのか、この辺りでミスが続く中、小野寺は唯一無二のメイク率でほぼ独走状態に。

7本目、ハバでバックサイドテールスライド バリアルフリップアウトをミス。
8本目、バックサイドテールスライド バリアルフリップアウトをミス。
9本目、バックサイドテールスライド バリアルフリップアウトをミス。
10本目、バックサイドテールスライド バリアルフリップアウトをミス。
最終11本目、バックサイドテールスライド バリアルフリップアウトをミス。

ラストトリックは決めきれなかったが、最終的に小野寺が1位で決勝に進出。

2位は延長戦でビッグスピンフリップ バックサイドテールスライドやバックサイド180フェイキー5-0グラインドなどを決めたアメリカのジェイク・イラーディ。ジェイクは最近のコンテストではメイク率が芳しくなかったが、今大会の予選では得意のトリックが好調で見事に決勝進出を果たした。

見ていて残念だったのが、2位で延長戦に入ったアンジェロ・カロ。おそらくルールを把握しておらず、前半戦で行った360キックフリップノーズブラントスライドとバックサイド180キックフリップ ノーズグラインド、バックサイドKグラインドフロントサイド360ショービットアウトを繰り返しメイクしてしまい、これがノーカウントに。

これらを別のトリックで挑戦していれば決勝進出の可能性もあっただけに残念な結果となってしまった。

【赤間凛音が復活優勝/女子決勝】

女子決勝はアメリカのマライア・デュラン、シャイロ・カトリ、ブラジルのライッサ・レアウ、日本の赤間凛音、西矢椛、上村葵の6人で争われた。

以下、赤間、西矢、ライッサ、上村のトリックを紹介。
※()内は合計得点、トリックは全てハバレッジで行っている。

[1本目]
赤間、フロントサイド180 フェイキーノーズグラインドをメイクし7.6点。
西矢、バックサイドKグラインドをメイクし5.6点。
ライッサ、バックサイドスミスグラインドをメイクし6.9点。
上村、フロントサイド5-0グラインドをミス。

[2本目]
赤間、フロントサイド180 フェイキー50-50グラインドをメイクし7.0点(14.6)。
西矢、バックサイド5-0グラインドをメイクし5.2点(10.8)。
ライッサ、フロントサイドブラントスライドをミス(6.9)。
上村、フロントサイド5-0グラインドをメイクし5.0点(5.0)。

[3本目]
赤間、得意のバーレーグラインドをミス(14.6)。
西矢、バックサイドスミスグラインドをメイクし6.9点(17.7)。
ライッサ、フロントサイドブラントスライドをメイクし7.8点(14.7)。
上村、バックサイド5-0グラインドをメイクし5.2点(10.2)。

[4本目]
赤間、バーレーグラインドをミス(14.6)。
西矢、バックサイドKグラインド ノーリーヒールフリップアウトを狙うがミス(17.7)。
ライッサ、バックサイドテールスライドをメイクし7.1点(21.8)を獲得、ここで誰よりも早くトリックを3本揃えて首位に。
上村、バックサイドスミスグラインドをミス(10.2)。

[5本目]
赤間、バーレーグラインドを3本続けてミス(14.6)。
西矢、バックサイドKグラインド ノーリーヒールフリップアウトを狙うが、トラックが外れてしまうミス(17.7)。
ライッサ、キックフリップバックサイド50-50グラインドをミス(21.8)。
上村、バックサイドスミスグラインドをミス(10.2)。
この時点で3本トリックを揃えているのはライッサのみ。

[6本目]
暫定3位の赤間、めずらしくバーレーグラインドを4本続けてミスしてしまう(14.6)。
暫定2位の西矢、3本続けてバックサイドKグラインド ノーリーヒールフリップアウトをミス(17.7)。
暫定首位のライッサ、キックフリップバックサイド50-50グラインドをミス(21.8)。
暫定5位の上村、バックサイドスミスグラインドをメイクし6.9点(17.1)。

[7本目]最後は順番が下位の選手からに変わる。
暫定4位の赤間、追い込まれた最終局面でバーレーグラインドをメイクし7.4点(22.0)を獲得、一気に暫定首位に立つ。
暫定4位の上村、バックサイドテールスライドをメイクして7.1点(17.1)を獲得し、暫定3位に浮上。
暫定4位の西矢、最後までバックサイドKグラインド ノーリーヒールフリップアウトを決めきることができずに終わる(17.7)。
暫定2位のライッサ、キックフリップバックサイド50-50グラインドを3本続けてミス(21.8)。

赤間凛音が2024年3月のAPEX大会以来となる優勝を飾った。
優勝インタビューで初戦のマイアミ大会から怪我続きだったことについて聞かれると「マイアミ以降も怪我しちゃって今年は出れないと思っていたが、ここで優勝できて嬉しい」と話した。

ここで個人的にジャッジの採点で気になった点があったので紹介したい。
赤間のトリック1本目、フロントサイド180ノーズグラインドで7.6点。
2本目がフロントサイド180フェイキー50-50グラインドで7.0点。
7本目にフロントサイド180スイッチスミスグラインド(バーレーグラインド)で7.4点。

通常であれば、1本目より7本目の方が得点が高く出ると予想されたトリックだったにも関わらず、低く採点されているということは、同じような動きのトリックを続けると、得点が下がるということを意味しているのかと思われた(この場合だとフロントサイド180からのトリック)。
これは今までのSLSではなかったジャッジのスタイルであり、シングルトリックのみで行うテイクオーバーのみでの採点基準なのか、アリーナ大会では変わってくるのかわからないが、アリーナ大会でも適用されるのであれば、スーパークラウンに向けたトリックチョイスに影響が出そうな一幕であった。

【小野寺の無双状態/男子決勝】

男子決勝はワイルドカードで勝ち上がった、小野寺吟雲とジェイク・イラーディ。
日本の堀米雄斗、白井空良、カナダのライアン・デセンゾ、ブラジルのフィリペ・モタ、フランスのヴィンセント・ミルー。
アメリカのダショーン・ジョーダン、ルイ・ロペス、ナイジャ・ヒューストンの10人で争われた。

以下、上位3人と白井のトリックを紹介。
※()内は合計得点。

[1本目]
小野寺、ハバでキックフリップバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトをメイクし9.1点。
白井、ハバでアーリーウープのフロントサイド180フェイキー5-0グラインド180アウト(通称ソラグラインドからの180アウト)を決め、いきなり9.5点を獲得。
ヴィンセント、ハバでスイッチフロントサイドノーズブラントスライドをミス。
ナイジャ、ハバでスイッチヒールフリップフロントサイドテールスライドをミス。

[2本目]
小野寺、ハバでバックサイドテールスライド ビッグスピンフリップアウトを完璧に決め9.3点(18.4)。
白井、ハバでノーリービッグスピンバックサイドテールスライドビッグスピンアウトをミス(9.5)。
ヴィンセント、ハバでキックフリップフロントサイドテールスライド フェイキーを決め8.6点(8.6)。
ナイジャ、ハバでふたたび、スイッチヒールフリップフロントサイドテールスライドをミス(0)。

[3本目]
小野寺、ハバでスイッチヒールフリップ フロントサイドノーズスライド ビッグスピンアウトを決め9.5点(27.9)を獲得し、この時点で早々に3本超高得点を揃える。
白井、ハバでノーリービッグスピン バックサイドテールスライド ビッグスピンアウトをメイク、少し着地でスケッチーなマニュアルを見せるも9.1点を獲得(18.6)。
ヴィンセント、ハバでスイッチフロントサイドノーズブラントスライドをメイクし8.8点(17.4)。
ナイジャ、ハバでスイッチヒールフリップフロントサイドテールスライドをメイクし9.0点(9.0)。
小野寺が2位以下を大きく離して首位、白井が暫定2位で4本目に進む。

[4本目]
小野寺、ラスベガスサイン越えのスイッチバックサイドヒールフリップを狙うがミス(27.9)。
白井、ハバでおそらくアーリーウープのバックサイド180 スイッチフロントサイドKグラインド キックフリップアウトを狙うがミス(18.6)。
ヴィンセント、ハバでスイッチキックフリップ バックサイドリップスライドをミス(17.4)。
ナイジャ、サイン越えのスイッチフロントサイドキックフリップをメイクし8.5点(17.5)を獲得、暫定3位に浮上。

[5本目]
暫定首位の小野寺、ラスベガスサイン越えのスイッチバックサイドヒールフリップをメイクし8.8点(27.9)を獲得するが、総合得点は伸ばせず。
暫定2位の白井、ハバでアーリーウープのバックサイド180 スイッチフロントサイドKグラインド キックフリップアウトを狙うがミス(18.6)。
暫定4位のヴィンセント、ハバでスイッチキックフリップ バックサイドリップスライドをメイクし9.0点(26.4)を獲得、ここでトリックを3本揃え暫定2位に浮上。
暫定4位のナイジャ、ハバでスイッチヒールフリップバックサイドノーズグラインドをメイクし9.2点(26.7)を獲得、ナイジャもここでトリックを3本揃えると暫定2位に浮上。

[6本目]
暫定首位の小野寺、ハバでキックフリップバックサイドテールスライド キックフリップフェイキーアウトをメイクし9.2点(28.0)を獲得、総合得点を0.1点伸ばす。
暫定5位の白井、ハバでアーリーウープのバックサイド180 スイッチフロントサイドKグラインド キックフリップアウトをミス(18.6)。
暫定3位のヴィンセント、ハバでフロントサイドブラントスライドキックフリップアウトを狙うがミス(26.4)。
暫定2位のナイジャ、サイン越えのノーリーインワードヒールフリップを狙うがミス(26.7)。

[7本目]最後は順番が下位の選手からに変わる。
暫定5位の白井、9.5点以上を獲得すれば優勝の場面。
ここまで挑み続けた、アーリーウープのバックサイド180 スイッチフロントサイドKグラインド キックフリップアウトに果敢にトライするが、残念ながら失敗に終わる(18.6)。
この時点で小野寺の優勝がほぼ確定(ナイジャが勝つには9.9点が必要で過去には9.9を出したこともあるが、近年のSLS採点基準ではほぼ不可能なため)。
暫定3位のヴィンセント、ふたたびフロントサイドブラントスライドキックフリップアウトを狙うがミス(26.4)。
暫定2位のナイジャ、ふたたびノーリーインワードヒールフリップを狙うがミス(26.7)。
小野寺のウイニングラン、サイン越えのバックサイドダブルキックフリップを狙うがミス(28.0)。
最後に優勝トロフィーを獲得した15歳の小野寺は、夢だったSLS初優勝に雄叫びをあげた。

決まれば確実に9.6点以上のトリック(アーリーウープのバックサイド180スイッチフロントサイドKグラインドキックフリップアウト)に果敢に挑んだ白井だったが残念ながら決めきれず、この日は小野寺に軍配。
白井は他にもこの日最高得点となる9.5点を叩き出したが、現地実況も待ち望んでいたサムライソードポーズを見せることはなかった。

注目の堀米雄斗は2本目にスイッチフロントサイドブラントスライド(8.7点)を決めるも、2週間前のパリ大会で負った捻挫の影響があるのか、この日は精彩を欠く滑りでその後のトリックは全て失敗し、苦戦を強いられる大会となった。

SLSテイクオーバー ラスベガス2025ワイルドカードジャム&男女決勝の映像

(YouTube:https://www.youtube.com/live/RWpreRp4VqI?si=xd6ixkWRum_JrcSj) 

【SLSテイクオーバー2025ラスベガス女子リザルト】

1位 赤間 凛音(日本)–22.0
2位 ライッサ・レアウ(ブラジル)–21.8
3位 上村 葵(日本)–19.2
4位 西矢 椛(日本)–17.7
5位 シャイロ・カトリ(アメリカ)-10.6
6位 マライア・デュラン(アメリカ)-9.4

【SLSテイクオーバー2025ラスベガス男子リザルト】

1位 小野寺 吟雲(日本)–28.0
2位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)–26.7
3位 ヴィンセント・ミルー(フランス)–26.4
4位 ライアン・デセンゾ(カナダ)–22.1
5位 白井 空良(日本)–18.6
6位 ジェイク・イラーディ(アメリカ)–16.9
7位 ルイ・ロペス(アメリカ)–15.8
8位 堀米 雄斗(日本)–8.7
9位 フィリペ・モタ(ブラジル)–8.5
10位 ダショーン・ジョーダン(アメリカ)–8.2

文 小嶋勝美
スケートボード放送作家のスケーター

情報提供元: マガジンサミット