E START

E START トップページ > エンタメ > マガジン > 冬の体調管理に役立つフィッシュオイルの魅力とは。管理栄養士が教えるその効果と効率的な摂取方法

冬の体調管理に役立つフィッシュオイルの魅力とは。管理栄養士が教えるその効果と効率的な摂取方法

2025-12-26 15:22:06

冬は体の冷えによる血行不良や、血圧変動、心臓や血管への負担からの心疾患に加え、日照時間が短くなることでセロトニンやビタミンDの生成が低下し、気分の落ち込みや疲労感を感じるなど、心身ともに不調を抱えやすい季節。健康を維持するためにはリスクの原因や対策を理解しておくことが重要です。

食事は手軽に取り入れられる対策のひとつ。なかでも青魚に多く含まれるフィッシュオイル (EPA・DHA)は、血中の中性脂肪を低下させる機能が報告されており、意識して取り入れたい成分です。今回は冬に注意したい体調の変化に加え、フィッシュオイルの働きや食事への取り入れ方について管理栄養士の村瀬由真さんに聞いています。

管理栄養士 村瀬由真さん

大学にて管理栄養学を専攻し、卒業後は精神科病院や給食委託会社で管理栄養士として勤務。献立作成や嚥下機能食品の開発にも携わる。現在は現場経験を活かしライターとして活動中。

冬の健康維持対策

①寒さによる体への負担と対策

寒い環境では体温を保つために血管が収縮し、血圧や循環に変化が生じやすくなり、体への負担の原因に。寒暖差に注意しながら生活することが大切です。

■対策方法

・重ね着や手袋、帽子で体温低下を防ぐ

・朝晩の冷え込む時間帯など、気温を意識して行動する

・血圧の急上昇や低下に早めに気づくため、定期的に血圧をチェックする

➁ヒートショック

ヒートショックとは、急な温度変化によって血圧や心拍に変化が生じ、体に負担がかかること。暖かい部屋から寒い屋外に出たり、入浴後に冷たい空気に触れたりすると、血圧が急に変動しやすくなり、めまいや失神、入浴事故などのリスクにつながります。冷房の効いた室内と暑い屋外との温度差によって夏でも起こる場合があり、特に高齢者は注意が必要です。

■対策方法

・脱衣所や浴室も暖かくして、急激な温度変化を避ける

・熱すぎるお湯は血圧を急変させる可能性があるため、ぬるめの湯でゆっくり入浴

・高齢者は入浴や外出時に声かけや見守りを行う

また、栄養面からのサポートも重要。特に青魚に多く含まれるフィッシュオイル(EPA・DHA)は、血中の中性脂肪を低下させる機能が報告されており、心血管の健康維持に役立つ可能性があると注目されています。今回はフィッシュオイルの働きや、効率的な摂取方法を紹介します。

フィッシュオイルについて

フィッシュオイルは青魚からとれる油で、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)という脂肪酸を主成分としています。これらは体内で作ることができない「n-3系脂肪酸」の一種で、血中の中性脂肪を低下させる機能が報告されています。

また、EPA・DHA の摂取は、血管の柔軟性を保つことに役立つとされています。ただし、急な温度変化によるヒートショックを直接防ぐものではないため、体温管理も重要です。

一方、過剰に摂ると血液が固まりにくくなるなど、体に負担をかけることもあります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年)」では、n-3系脂肪酸の1日の目安量は 1.7〜2.3g。食品から摂る場合は青魚(サバやサンマなど)が効率的です。

フィッシュオイルの効率的な摂取方法

・ビタミンEと一緒に摂る

EPA・DHAは空気や熱、光により酸化しやすい性質があります。そのため、抗酸化作用を持つビタミンEと一緒に摂ることがおすすめ。 魚と一緒に植物油やナッツ、緑黄色野菜など、ビタミンEを多く含む食品を組み合わせるとよいでしょう。 例えば、サーモンのサラダにオリーブオイル大さじ1とアーモンド10粒(約10g)ほどをトッピングすれば、手軽にビタミンEを補えます。

・カラフルな野菜と一緒に摂る

ポリフェノールやカロテノイドなどの抗酸化物質と一緒に摂ることで、EPA・DHAの酸化を防ぎ、その働きをより引き出すことができます。例えば、サーモンやイワシの焼き魚に、ブロッコリーやほうれん草、パプリカなど100gほどの色鮮やかな野菜を添えてみましょう。

 

まだまだ寒さが続くこれからの季節。フィッシュオイルをうまく食事に取り入れ、健康管理を行っていきましょう。

WEBサイト「大塚製薬 栄養素カレッジ」では、健康と栄養素についての正しい知識を発信しています。

URL: https://www.otsuka.co.jp/college

情報提供元: マガジンサミット