E START

E START トップページ > エンタメ > マガジン > 日本人の失明原因1位・緑内障を可視化 「見えているつもり」に気づく最新のドライブシミュレーター体験

日本人の失明原因1位・緑内障を可視化 「見えているつもり」に気づく最新のドライブシミュレーター体験

2026-04-02 16:45:42

「今、ブレーキを踏んだのに——間に合わない」

交差点から出てきた車に気づいた瞬間、すでに衝突していた。

パリミキ小山店(栃木県小山市)で開催されたドライブシミュレーター体験会(2026年3月8日~11日)では、多くの来場者が同じヒヤリを味わう。

店内に設置されたシミュレーターは、Hondaが開発した緑内障の見え方を再現するものだ。世界緑内障週間に合わせて体験会が実施された。メガネ店という日常の場で、視野が欠けることによる見えにくさを体験する取り組みは、来店者にとって思いがけない気づきの機会となった。

緑内障は日本人の失明原因第1位とされるが、ゆっくり進行するため自覚症状に乏しい。40歳以上の約20人に1人、60歳以上では約1割が罹患するとされる一方、本人が気づいていないケースも多い。

実際、運転外来を受診した緑内障患者を対象にした研究では、重症例を含めた患者の64%が「運転に問題はない」と認識しているという。さらに、Hondaの試算では、未診断のまま運転している人は国内で約250万人にのぼるとされている。

このシミュレーターでは、視野の一部が欠けることで、横から来る車や歩行者への気づきが遅れることをリアルに実感できる。パリミキ小山店の猪狩店長は「見えていれば回避できる事故も、気づいたときには遅いケースがある」と話す。さらに、視線の動きをセンサーで読み取り、サブ画面に赤丸で表示することで、本人がどこを見ているのかも可視化され、その様子を家族が確認することもできる。「実際にどう見えているのかは、病気を知っていてもなかなか分からない。体験することで初めて気づくきっかけになる」と語る。

体験した来場者は、「想像以上に見えていなくて驚いた。緑内障の名前は聞いたことはあったけど、甘く考えていた」と語る。「自分では大丈夫だと思って運転してしまう人も多いのでは」と、不安をにじませた。

会場では、子どもがハンドルに興味を持ち、それをきっかけに親が体験する場面もあったという。「病院に行くほどではないと思っている人でも、こうした体験が受診のきっかけになる」と、猪狩店長も期待を寄せる。

自身を振り返ってみると、リスクに気づかないままハンドルを握っていないか。

緑内障の現実とともに、「見えているつもり」の危うさに気づくきっかけとなった。

情報提供元: マガジンサミット