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日本初搭載のAIエンジンによる「ブラックURL検知」や特許技術でフィッシング詐欺や誤送信を阻止、クオリティア、AI時代のメール基盤戦略を発表

2026-09-07 17:22:57

9月4日(金)、メッセージング関連ソリューションの開発・システム構築・運用などを中心とした事業を展開する株式会社クオリティアは、「次世代メールセキュリティ戦略発表会」を開催し、生成AIの普及により激化するメール脅威への新たな対抗策と、2027年に向けた製品戦略を発表した。

生成AIの台頭によって攻撃メールの流通量はここ5年で約22倍に急増し、特に日本語の自然な表現や精巧な偽サイトを用いたフィッシング攻撃、そして「CEO詐欺」と呼ばれる社長なりすましメールの被害が深刻化している。クオリティア代表取締役社長の村上正幸氏は、メールが今なおビジネスコミュニケーションの主軸であり、サイバー攻撃の約9割がメール起点である現状を踏まえ、単に「メールを守る」だけでなく「企業のコミュニケーションの信頼を守る」ための基盤再構築が必要であると訴えた。

今回の発表の大きな柱の一つが、欧州のサイバーセキュリティベンダーであるHornetsecurity社との提携により実現した、日本初搭載のAI検知エンジン「IsItPhishing Threat Detection」を活用した新機能だ。これは、メール内のURLの安全性をクリックした瞬間にリアルタイムで判定する「ブラックURL検知機能」である。

Hornetsecurityのカントリーマネージャー・伊藤利昭氏によれば、このエンジンは世界中から収集された脅威インテリジェンスを土台とし、機械学習や深層学習、さらにはOCRによる画像認識を用いてブランドロゴの真偽まで解析するという。これにより、従来のブラックリスト方式では検知が困難だった未知のフィッシングサイトや、短期間で生成される回避型サイトを高い精度で見抜くことが可能となった。

クオリティアはこの機能をクラウド型標的型メール攻撃対策サービス「Active! zone SS」およびオンプレミス型標的型メール攻撃対策サービス「Active! zone」に標準機能として組み込み、2026年11月上旬より順次提供を開始する。

さらに送信側の対策として、独自のAI技術と特許技術を融合させた「ドメインAI判定機能」が発表された。これは、メール送信時に宛先アドレスのドメインと本文内の企業名を照合し、整合性を自動判定する誤送信防止技術だ。例えば、宛先が「abc.co.jp」であるにもかかわらず本文中に「株式会社CCC」と記載されているような場合、AIが不一致を検知して送信前に警告を発する。

営業本部本部長の辻村安徳氏によれば、同社は2009年にこの技術の特許を取得していたが、数百万社に及ぶ企業ドメインデータベースの構築や複雑な表記ゆれ、文脈解析の壁により実装が困難であったという。しかし近年のAI技術の進化により、長年の課題であった膨大なデータの高速処理を自社独自のアルゴリズムで解決し、ついに実用化へとこぎつけた。この機能は、11月のプレビュー版を経て2027年1月下旬に「Active! gate SS」の有償オプションとして一般発売される。

そして、これらのセキュリティ機能と業務効率化を統合した次世代メールプラットフォーム「QUALITIA MAIL」が初公開された。2027年1月の発売を予定している本プロダクトは、メール、チャット、タスク管理を一つの土台で束ねる「オールインクルーシブ」な環境を目指している。

主要な機能として、BIMIへの標準対応によるなりすましメールの可視化に加え、AIによる返信文の自動生成や長文メールの要約機能を搭載している。特筆すべきは「AI感情診断」機能だ。文面からストレスや怒りなどの感情を可視化することで、経営側からは見えにくいパワハラやカスタマーハラスメントの早期発見に寄与し、コンプライアンス管理を支援する。クラウドサービス「QUALITIA MAIL SS」は1ユーザーあたり月額500円(税抜)で提供され、初年度100社の導入を目標としている。

クオリティアの戦略の根底にあるのは、「最終判断は人であり、その人を技術で支える」という考え方だ。攻撃側がAIを武器にする時代において、受信側もAIで対抗しつつ、経路上での国旗表示などユーザーに「気づき」を与えるアウェアネス型の対策を重視している。村上社長は、30年にわたり培ってきたWebメールや誤送信防止の知見を一つの基盤に統合し、複雑化する企業の課題を「点から線、そして面」で解決していく姿勢を強調した。

既存の「Active! mail」や「DEEPMail」といった主力製品も将来的に統合される見通しであり、同社はAI時代のビジネスコミュニケーションを支える新たなメール基盤のスタンダード構築へと大きく舵を切った。

情報提供元: マガジンサミット