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都会で増えている「チャドクガ皮膚炎」 野外レジャーは要注意!

2018-06-26 18:30:31


執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
毛虫による皮膚炎はチャドクガという蛾の幼虫によって起こることが多く、毒蛾皮膚炎とも呼ばれています。
市区町村のサイトなどでは注意喚起が行われています。
春から秋にかけてのこの時期は発生しやすく、とくに幼児のいる家庭などでは気をつけておく必要があるでしょう。

チャドクガ(茶毒蛾)とは


チャドクガはチョウ目ドクガ科に属します。
日本では本州・四国・九州・対馬、そして中国・台湾・朝鮮にも生息しています。
4月から10月にかけて年2回発生します。
日本では代表的な毒蛾とされ、幼虫である毛虫には、毒針毛(どくしんもう)と呼ばれる有毒毛がとりわけ多く備わっています。
長さは0.1~0.2mmと細いのですが、幼虫1匹に数十万本以上の毒針毛が密生しているとされています。
おもな発生場所はツバキ科の植物で、ツバキ・サザンカ・茶などです。
植え込みや生垣などで幼虫が発生します。
庭木などの手入れをしている時に刺されたり、毒針毛に触れたりする場合があります。
また、毒針毛は風に乗って飛散することもあります。
どちらにしても、皮膚に付くと強いかゆみをともなう皮膚炎を発症します。

毒蛾皮膚炎の症状と対処方法


毒針毛に触れた直後から、かゆみをともなって皮膚が赤く腫れ、1~2日くらい経つとかゆみの強い赤い発疹が出てきます。
2~3週間ほどかゆみが続くこともあります。
また、かゆいからと掻いてしまうと、チャドクガに触れなかった部分にもかゆみや腫れが広がってしまいます。
なお、皮膚炎自体が他の人に感染することはありません。
チャドクガに刺されたり毒針が付着したりした場合は、初期対応が大切です。
目で確認できないたくさんの毒針が皮膚や衣服についている可能性があります。
まずは、セロハンテープなど粘着力のあるものでそっと押さえて毒針毛を取り除き、その後シャワーを浴びるなどして身体を洗い流します。
ただし、次のようなことは避けましょう。

手で毒針毛をとる:ほかの皮膚に被害が広がります


こすったり掻いたりする:患部を拡げてしまいます


衣服を洗濯機で洗う:毒針毛が他の衣服に付着します


薬は抗ヒスタミン軟膏や抗ヒスタミン含有のステロイド軟膏が効きますが、かゆみがひどかったり、水ぶくれができてしまったりしたら皮膚科を受診しましょう。
ちなみに、アンモニアは効かないそうです。
また、目を刺された、毒針毛に触れた、という場合は水で十分に洗い流して、眼科を受診しましょう。

チャドクガの駆除


毒蛾皮膚炎を予防するには、チャドクガを早めに発見して駆除することが必要です。
自力での駆除が難しければ、専門の駆除業者に依頼するという手段もあります。
駆除にあたっては次のようなことに注意してください。

幼虫(ケムシ)の場合


・肌の露出を避け、長袖・長ズボン・ゴム手袋・マスク・メガネなどを装備する
・幼虫が生息する葉に袋をかぶせて、枝ごと切り取ってしまう
・幼虫は殺虫剤に弱いので、園芸用の殺虫剤で駆除することもできる
・毒針毛が飛散しないような固着剤も販売されている
・殺虫剤を使用すると幼虫が落ちてくるので、触れないように十分に注意する
・幼虫が死んでも毒針毛は残るので、樹木に残っている毒針毛にも気をつける

成虫(蛾)の場合


・成虫が飛んできて止まったところを、濡れた雑巾やティッシュペーパーで押さえつけて毒針毛(成虫にも一部ついている)が飛散しないように捕獲する
・追い回したり、むやみに殺虫剤をかけたりすると毒針毛をまき散らされる羽目になるので注意する
チャドクガに初めて刺されたときは、先にお伝えしたような症状が出ますが、一度刺されると抗体ができます。
二度目以降はアレルギー反応を起こす危険性もあり、そうなると症状も酷くなります。
野外での活動はもちろん、洗濯物を干す場所にも気をつけましょう。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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