これでもう安心? 臭いが気になるニンニクやニラなどの対処法
2018-07-27 18:30:38
執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
健康や美容に良いとされるニンニク、ネギ、ニラ、キムチなどの食材。
でも、食べたくても営業でお客さんに会う予定やデートを控えているときなどは、エチケットを重んじて食べない…という方も多いかもしれません。
でもどうしてもいま食べたい…。そう思うことだってありますよね。
周囲に不快な思いをさせないためにも、においの原因と対策を予備知識として蓄えておきましょう!
ニンニク・ニラ・ネギ…においの原因
ニンニクもネギもニラも同じヒガンバナ科(旧ユリ科)に属する植物です。
「香味野菜」とも呼ばれるこれらの食材は、どれも香りが強いという特徴があります。
キムチにもこれらの食材が使われますので同じにおいがします。
俗に言う「ニンニク臭」のにおいが口臭になると、ニンニク好きの人はさておき、そうでない人や職場などでは敬遠されてしまうこともしばしばあります。
ところで、このにおいの原因は「アリシン」という化合物です。
ネギやニンニクに含まれている硫黄化合物のアリインが、調理の過程で傷つけられると酵素の作用によってアリシンが生成され、独特の刺激臭を発するようになります。
なおかつ、アリシンは体内で吸収・分解され肺に達して気化すると、口臭となって出てきます。
肺から出る臭いであるため、食べたあとに歯磨きなど口臭ケアをしても消すことはできません。
また、におい成分は汗と一緒に排出もされるので、体臭がきつくなり食べた翌日までにおいが残ることもあります。
アリシンの健康効果
そうは言っても、アリシンは強い抗酸化作用を持っていて、血流改善・疲労回復・血糖値抑制・殺菌など、多くの健康効果があるとして知られています。
また、消化液の分泌を促進するので、食欲が増進し整腸効果も得られます。
さらに、アリシンは病原体から身体を守る免疫を担当するNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させるので、免疫力がアップしがん予防の効果を期待できる成分でもあります。
ニンニク・ニラ・ネギ…においを消すには
健康や美容へのメリットは多くても、食べたあとのにおいが気になって積極的に食べるのは躊躇する、という点がデメリット。
ここを何とかカバーできないでしょうか。
次のような対策が効果的と言われています。
消臭効果の高い食品を一緒に食べる
カテキンやたんぱく質は、アリシンなどのにおい成分と結びついて化学反応を起こし、においのしない状態にする作用があります。
カテキンを多く含む食品
・青汁 ・緑茶 ・りんご(皮つき)
たんぱく質を含む食品
・牛乳 ・豆乳
ニンニクやネギ、ニラ、キムチを食べる前後にこうした食品を食べると、気になるにおいを軽減できますのでオススメです。
汗をたくさんかく
におい成分は、一定の時間が経つと身体の新陳代謝によって消えていきます。
ですから、代謝を促してやるとにおいが消えるまでの時間を短縮できます。
たとえば、ニンニク、ネギ、ニラ、キムチのにおいを翌日に持ち越したくないときには、ぬるいお風呂に長めにつかったり、運動をしたり、サウナに入ったりして汗をかき、血液の循環をよくして代謝を促進しましょう。
口臭サプリメントを飲む
会議や営業など、早急に口臭を消したい場合は、口臭サプリメントの活用も効果が期待できるかもしれません。
ただし、こうしたサプリメントの多くは、一時的ににおいを覆い隠す「マスキング効果」ということは忘れないようにしましょう。
調理方法を工夫してにおいを軽減する
家庭で料理をする際、調理の段階でにおいを軽減する方法もあります。
次項で詳しくご説明します。
においを軽減する調理方法
加熱する
香味野菜は一般に、生の方が加熱したものよりにおいが強く、火を通すことでにおいを弱めることができます。
焼いたり炒めたりするとよいでしょう。
熱に弱いアリシンは、加熱するとにおいが軽減されるほか、スコルジニンという成分に変化する性質があります。
スコルジニンは新陳代謝を促してくれる成分ですので、加熱しても健康効果が弱まる心配はありません。
ところで、アリシンは調理の過程で傷つくことで生成されるとお伝えしました。
つまり、ニンニクやネギ、ニラなどは、細かく刻めば刻むほどにおいが強くなるわけです。
においを抑えたいのであれば、加熱するときにみじん切りにせず、スライスするくらいにしておくとよいでしょう。
肉や魚といっしょに調理する
アリシンはたんぱく質と結合することによってもにおいが軽減されます。
ニンニクやネギ、ニラを肉や魚と一緒に調理すると良いでしょう。
肉や魚にも適度に香りが添えられますし、旨みも増します。
ご存知のとおり、レバニラ(レバーとニラ)や鶏肉の香草焼き(鶏肉とニンニク)などはベストマッチですよね!
夏バテや疲労が蓄積されたとき、病気の予防などにも効果的なニンニク、ネギ、ニラ、キムチ。
特有のにおいと上手につき合いながら、日々の食卓にぜひ取り入れてみてください。
ただし、食べ過ぎると胃腸に負担がかかります。
腹痛や下痢を引き起こすこともありますので気をつけましょう。
ちなみに、ニンニクを熟成させて作られる黒ニンニクは、ニンニク臭がなく口臭を気にせず食べられますよ。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku