アナウンサーや司会、キャスターとして、テレビやラジオで活躍し、朝の情報番組「朝ズバッ!」では、およそ9年にわたりMCを務めた、みのもんたさん。
今回、80歳の傘寿を迎えたみのさんのもとへ、「朝ズバッ!」で共演し、みのさんを「師」と仰ぐ、TBSの井上貴博アナウンサーが訪れ、対談を行いました。
【写真を見る】《独自》【みのもんた・前編】パーキンソン病を語る「テレビも観たいと思わない」
◆井上アナ:
80歳、本当におめでとうございます
◆みのさん:
おめでたいというか、めでたくもないというか…。ありがとうございます。
久しぶりだね。時々、(テレビで)観てるよ。
◆井上アナ:
ありがとうございます。お元気そうで何よりです。
元気な笑顔を見せてくれた みのさんですが、実は5年ほど前にパーキンソン病と診断され、現在はテレビなどの仕事をしていないといいます。
◆みのさん:
しょっちゅう外に出て歩くようにしているのだけど、足腰が駄目になっちゃうね。
ついつい出かけるのが嫌になってしまう。まさか自分がパーキンソン病になるなんて…
右を向こうかなと思っても、スムーズに右を向けなかったり、左を向こうと思っても何か1クッション、2クッションあるような感じ。足が駄目で、前に進むのが引っかかるような感じがして、それで転んで骨を折ったりとかしたら…結構怖い。
リハビリで病院へ行くじゃないですか、いろいろな体操をやったり、プールで泳がないで、歩いたりとか。あれはパーキンソン病に対する予防というかリハビリになっているけど、でもね。水着に着替えて、プールの中を1人で歩いてるというのは、画にならないんだよね。
◆井上アナ:
さすがです。みのさん、見え方を気にするんですね。
◆みのさん:
誰にも見て欲しくないなと思うね。
現在、みのさんは、フィットネスバイクで足腰を鍛えているといいます。
◆みのさん:
これをやっとかないとね、筋肉がね。1時間ぐらいやらなきゃ駄目なんだよね。
しょうがないからこうやってやってるよね。歩けなくなるというかバランスがとれなくなるんだよ、パーキンソン病は。
◆井上アナ:
基本的に毎日、フィットネスバイクで足腰を鍛えているのですか?
◆みのさん:
毎日、やらなきゃいけない。歩けなくなるっての嫌だからね。80歳を超えたわけだからね。
◆井上アナ:
今まで思っていた80歳と実際なってみた80歳。何か違いますか?
◆みのさん:
そうね、僕が空想で考えてた80歳よりは、快適だよね。それが唯一、救いがあるね。
◆井上アナ:
体を動かせないと体の問題だけではなく、心の問題というかメンタルの方に悪い循環になりがちだと思いますが…
◆みのさん:
「外に出たくない」という気持ちがだんだん強くなっちゃうから、そうなんだと思います。
だから、テレビも観たいと思わない。ラジオも聴きたいと思わない、本を読む、新聞を読む、だんだんそういう気持ちが薄れてくる。みのさん、何してんですかって…気がついたらぼーっとしている。
だから、元気に前向きに歩いてる人が羨ましくなってくるよね。だけど、あの中に俺は入れないなと思う。そういう気持ちがだんだん強くなる。
◆井上アナ:
テレビもラジオも観られなくなったというのは、その場にいたとすると、もっと「こう出来る」という思いですか?
◆みのさん:
そんな前向きな気持ちはない。要するに「うるさい」の。ほら僕なんかお酒が好きだからお酒を飲んで、ワーワーやっていたけど、だんだん薄れてきちゃって、ただ飲むだけ…
◆井上アナ:
1人で晩酌をするということですか?
◆みのさん:
もちろんお酒好きだからね。晩酌だけはやめられない。毎日飲んでる。
でも、毎日の飲み方がよくない。ボトルでね、3日ぐらいかな。
◆井上アナ:
ボトルを3日で開ける?20代みたいなこと言ってますよ(笑)
◆みのさん:
昔だったら、たくさんの人に声をかけて、ワーワーやって面白がっていたけど、今は1人だから。
で、1人じゃないと落ち着かない。落ち着かないとお酒も美味しくない
美味しく飲もうとすると、1人で1人で1人で。
井上くんと久しぶりだから、僕1人で喋ってるけど、うちにいると黙っているわけだから、気がつくと、俺、何してたっけって…なんて言うのかな。嫌な感じ。
◆井上アナ:
自分では、改善したいという気持ちはありますか?
◆みのさん:
あるある、もちろん。
あるけれどそういう気持ち自体が出てこないのよ。
◆井上アナ
銀座は、いつ以来行っていないのですか?
◆みのさん:
1年ぐらい行ってない。行くのが面倒くさいしね。
お酒を飲むのが好きだった人間が、1人で黙って気がついたら飲んでいるのが、楽になっちゃうわけだから。嫌な病気だよね。
◆井上アナ:
こういう自分がやってくると、想像していましたか?
◆みのさん:
全然、想像してない。
◆井上アナ:
受け入れるまで、時間かかるでしょうね。
◆みのさん:
かかるかかる。今でも受け入れたくない気持ちは強い。
みのさんは、自宅でテレビを見ている時の、感情や思考についても話します。
◆みのさん:
嫌な言い方だけどね。相手の「欠点」だとか、相手の良くない所とかを探そうとしている、嫌な自分がいるね。
(テレビを観ながら)「駄目だよ、それは。絶対駄目だな。俺だったら違うな、誰もお前に聞いてないよ」なんて言いながら…。要するに、(テレビの中の人と)2人になっているの。
初対面のはずなのに、喋ってるというか…一緒にいるみたいな気持ちになるときがある。
◆井上アナ:
キャッチボールをしているのでしょうか?
◆みのさん:
キャッチボールというほどでもないんだろうけど、それに近いかもしれないね。
だから、困ったなと思うのはね。喋ってるときがあるの、テレビに。
昔はね、テレビに向かって喋ってる人を見て「来てるね。そろそろ」「あぁは、なりたくないね」なんて思うじゃない。それがさ、声に出しちゃうんだよね。「違う、違う、違う、違う」なんて言いながら。まいっちゃうよ。
◆井上アナ:
基本的には、1人、ご自宅で食事されることが多いですか?
◆みのさん:
今は、ほとんど自宅で1人だね。
前は入れ替わり立ち替わりで、いろいろな方が食べに来てくれました。だけど今はもう、1人の生活に慣れちゃったというか…
◆井上アナ:
今のみのさんの、日々の楽しみって何ですか?
◆みのさん:
一杯飲むこととかさ…あるいは、通帳にたまった、お金の数を数えること(笑)
◆井上アナ:
変わらないなぁ(笑)良いですね(笑)
次回、しゃべりの達人・みのもんたさんが、生涯をかけて磨き上げてきた話術の原点に迫ります。
【担当:芸能情報ステーション】
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