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映画『長崎―閃光の影で―』カトリック教徒の総本山バチカンで10月上映へ

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2025-08-15 08:02
映画『長崎―閃光の影で―』カトリック教徒の総本山バチカンで10月上映へ
『長崎―閃光の影で―』の完成前のビジュアルを手に会話をするフランシスコ前教皇(右)と、カトリック大阪高松大司教区の酒井俊弘補佐司教(C)Vatican Media
 1945年、夏。原爆投下直後の長崎を舞台に、被爆者救護にあたった若き看護学生の少女たちの“青春”を描いた映画『長崎―閃光の影で―』(公開中)が、カトリック教徒の総本山であるバチカンで上映されることが決定した。

【動画】映画『長崎―閃光の影で―』メイキング映像

 長崎に投下された原爆は、カトリック信徒が多く暮らしていた浦上地区の上空でさく裂し、多くの信徒の命が奪われた。バチカンは、2017年に採択された核兵器禁止条約に最初に批准した国のひとつ。

 また、今年4月に亡くなったローマ・カトリック教会のフランシスコ前教皇は、18年に原爆投下後の長崎で撮影された写真「焼き場に立つ少年」をカードにし、<戦争がもたらすもの>という言葉を添えて取材記者たちに配布したことから、「焼き場に立つ少年」は世界中に広く知られることなった。

 翌19年には日本を訪れ、被爆地の広島や長崎でスピーチを行い、核兵器の廃絶を訴えた。長崎訪問時には、「焼き場に立つ少年」を撮影したカメラマンの子息であるタイグ・オダネル氏とあいさつを交わしている。

 本作には、「焼き場に立つ少年」をモチーフに、写真が捉えた、亡くなった弟を背負い焼き場で順番を待つ少年が、懸命の救護活動を続ける主人公の看護学生たちと出会うエピソードが描かれている。

 今年1月下旬、バチカンの広間でフランシスコ教皇(当時)と対面したカトリック大阪高松大司教区の酒井俊弘補佐司教は、カトリック信者であり、親交の深い本作の松本准平監督から託された作品資料を手にフランシスコにあいさつ。本作について直接言葉を交わしていた。

 酒井氏は、当時の様子について「まず、『焼き場に立つ少年』の写真を見せて『教皇様、この写真を覚えておられますよね』と尋ねると、『はい、覚えているよ』とすぐにお答えくださった。続いて、映画『長崎―閃光の影で―』の宣伝チラシを見せながら、『焼き場に立つ少年』の写真のエピソードも含む映画がもうすぐ完成し、今年の夏に公開される予定です。どうか多くの人がこの映画を観るように、祝福していただけませんか、とお願いしたところ、教皇はチラシを祝福してくださった」と話している。

 フランシスコ前教皇が亡くなったことを受け、5月に新たなローマ教皇・レオ14世が誕生。史上初のアメリカ出身の教皇のもと、現地時間10月31日にバチカン内の上映室(フィルモテカ・バチカーナ)で本作が上映される予定となっている。

 長崎出身で被爆三世でもある松本監督は、今回の決定を受けて「本作のバチカンでの上映決定、誠に光栄に思います。暴力の絶えない現代世界の中で、被爆者であった祖父の想いに端を発したこの小さな映画が、特別な使命を帯び、『平和の道具』となり、ヒロシマ・ナガサキを伝えるきっかけの一つとして、広く世界中の人々の心に届くことを切に願います」と期待を込めてコメント。松本監督は、上映にあわせて現地を訪れる予定。

 なお、今回の上映決定に先立ち、日本カトリック司教協議会は本作を、同会として初となる「推薦映画」に本作を選出している。

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