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2025-08-17 07:18

三宅唱監督の最新作『旅と日々』(11月7日公開)が、スイス・ロカルノで開催された「第78回ロカルノ国際映画祭」(8月6日~16日)で最高賞の金豹賞グランプリとヤング審査員賞をダブル受賞した。
【動画】三宅唱監督最新作『旅と日々』予告編
日本映画で金豹賞を受賞したのは、2007年の小林政広監督『愛の予感』以来18年ぶり。これまでに最高賞を手にした日本人監督は衣笠貞之助、市川崑、実相寺昭雄、小林政広の4人。金豹賞となって以降は、三宅監督が4人目の快挙となる。
本作はインターナショナル・コンペティション部門に正式出品され、現地時間15日に公式上映。三宅監督、主演のシム・ウンギョン、出演の河合優実が参加した。
翌16日の授賞式で三宅監督は「いい言葉がみつかりません。一緒に働いたすべての俳優、すべてのスタッフの本当に美しい仕事が、このロカルノの地で評価されたことを心から光栄に思います」と感慨を述べた。
シムは「スタッフのみなさんと一緒に旅したゴールがロカルノで、とても、とてもうれしいです。審査員のみなさん、最高です!」と喜びを語り、河合も「初めて完成を観た瞬間、ずっと心を奪われ続けたこの作品が冠をいただき、心からうれしい」と感謝を伝えた。出演者の高田万作も「チームの情熱と挑戦が、さらに大きく羽ばたくことを願ってやみません」とコメントを寄せている。
本作は、つげ義春の漫画「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を三宅監督が脚本に再構成し、現代的にアップデートしたロードムービー。行き詰まった脚本家が旅先での出会いをきっかけに、ほんの少し歩みを進める姿を描く。
夏の海辺では、ビーチが似合わない夏男(高田万作※高=はしごだか)が、影を抱える渚(河合)と出会う。何を語るでもなく、なんとなく散策するふたり。翌日も浜辺で再会。近づく台風の影響で大雨が降りしきる中、二人は海で泳ぐのだった。
冬、脚本家の李(シム・ウンギョン)は、ひょんなことから訪れた雪荒ぶ旅先の山奥でおんぼろ宿に迷い込み、やる気のない宿主・べん造(堤真一)と出会う。暖房もなく、雪に押しつぶされそうな宿で、李は夜の雪原へと導かれていく。
審査員長リティ・パン氏は「非常に繊細で、観る者を深く引き込む物語。映像の美しさが人生の儚さと強さを映し出している」と絶賛。さらにヤング審査員団は「我々がこの作品を選んだのは、それが『二つの季節』を描写すると同時に、『二つの相反する世界』を語っているからです。丁寧に構築された映像と、夏と冬の鮮烈な対比は、場所というものがどのように登場人物を形づくり、彼らの選択に影響を与えるのか、そして人生の脆さやリアルな側面をいかに浮かび上がらせるのかを物語っていました」と評価した。
■三宅唱監督のコメント(全文)
ロカルノ国際映画祭、審査員の皆様、選考委員の皆様、すべてのスタッフ、そしてすべての観客の皆様に心から感謝申し上げます。そしてなにより、この映画に多大なインスピレーションを与えてくださったマンガ家のつげ義春さん、ならびに
ふたつのマンガの映画化を許諾してくださったつげ正助さんに心から感謝申し上げます。
とても驚いています。いい言葉がみつかりません。一緒に働いたすべての俳優、すべてのスタッフの本当に美しい仕事が、このロカルノの地で評価されたことを心から光栄に思います。ぼくらは最高のチームです。
この映画をつくるまえ、最悪なことがたくさん起きているこの世界で、一体映画になにができるか、深く悩んでいました。ただ、この映画を撮りはじめて、私は映画そのものに対する愛や信頼、そしてこの世界への愛をふたたび感じることができました。完成した映画を通して、多くの方とそれを共有できるなら、とても幸せです。
■シム・ウンギョンのコメント(全文)
旅と日々で、李を演じることができて光栄に思います。監督に頼りながらスタッフの皆さんと一緒に旅したゴールがロカルノでとても、とてもうれしいです。審査員の方々、最高です!
■河合優実のコメント(全文)
びっくりして声が出ました。三宅唱監督、本当におめでとうございます!皆で映画を作った道のりのすべて、初めて完成を観た瞬間、ずっと心を奪われ続けたこの作品が冠をいただき、心からうれしいです。関わってくれた全ての方と喜びを分かち合いたいです。
■高田万作のコメント(全文)※映画祭には不参加
作品の魅力が国や言葉を超えて届いたことを誇りに感じます。三宅監督をはじめチームの情熱と挑戦が、さらに大きく羽ばたくことを願ってやみません。こうして素晴らしい作品に関われたことを光栄に思います。
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日本映画で金豹賞を受賞したのは、2007年の小林政広監督『愛の予感』以来18年ぶり。これまでに最高賞を手にした日本人監督は衣笠貞之助、市川崑、実相寺昭雄、小林政広の4人。金豹賞となって以降は、三宅監督が4人目の快挙となる。
本作はインターナショナル・コンペティション部門に正式出品され、現地時間15日に公式上映。三宅監督、主演のシム・ウンギョン、出演の河合優実が参加した。
翌16日の授賞式で三宅監督は「いい言葉がみつかりません。一緒に働いたすべての俳優、すべてのスタッフの本当に美しい仕事が、このロカルノの地で評価されたことを心から光栄に思います」と感慨を述べた。
シムは「スタッフのみなさんと一緒に旅したゴールがロカルノで、とても、とてもうれしいです。審査員のみなさん、最高です!」と喜びを語り、河合も「初めて完成を観た瞬間、ずっと心を奪われ続けたこの作品が冠をいただき、心からうれしい」と感謝を伝えた。出演者の高田万作も「チームの情熱と挑戦が、さらに大きく羽ばたくことを願ってやみません」とコメントを寄せている。
本作は、つげ義春の漫画「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を三宅監督が脚本に再構成し、現代的にアップデートしたロードムービー。行き詰まった脚本家が旅先での出会いをきっかけに、ほんの少し歩みを進める姿を描く。
夏の海辺では、ビーチが似合わない夏男(高田万作※高=はしごだか)が、影を抱える渚(河合)と出会う。何を語るでもなく、なんとなく散策するふたり。翌日も浜辺で再会。近づく台風の影響で大雨が降りしきる中、二人は海で泳ぐのだった。
冬、脚本家の李(シム・ウンギョン)は、ひょんなことから訪れた雪荒ぶ旅先の山奥でおんぼろ宿に迷い込み、やる気のない宿主・べん造(堤真一)と出会う。暖房もなく、雪に押しつぶされそうな宿で、李は夜の雪原へと導かれていく。
審査員長リティ・パン氏は「非常に繊細で、観る者を深く引き込む物語。映像の美しさが人生の儚さと強さを映し出している」と絶賛。さらにヤング審査員団は「我々がこの作品を選んだのは、それが『二つの季節』を描写すると同時に、『二つの相反する世界』を語っているからです。丁寧に構築された映像と、夏と冬の鮮烈な対比は、場所というものがどのように登場人物を形づくり、彼らの選択に影響を与えるのか、そして人生の脆さやリアルな側面をいかに浮かび上がらせるのかを物語っていました」と評価した。
■三宅唱監督のコメント(全文)
ロカルノ国際映画祭、審査員の皆様、選考委員の皆様、すべてのスタッフ、そしてすべての観客の皆様に心から感謝申し上げます。そしてなにより、この映画に多大なインスピレーションを与えてくださったマンガ家のつげ義春さん、ならびに
ふたつのマンガの映画化を許諾してくださったつげ正助さんに心から感謝申し上げます。
とても驚いています。いい言葉がみつかりません。一緒に働いたすべての俳優、すべてのスタッフの本当に美しい仕事が、このロカルノの地で評価されたことを心から光栄に思います。ぼくらは最高のチームです。
この映画をつくるまえ、最悪なことがたくさん起きているこの世界で、一体映画になにができるか、深く悩んでいました。ただ、この映画を撮りはじめて、私は映画そのものに対する愛や信頼、そしてこの世界への愛をふたたび感じることができました。完成した映画を通して、多くの方とそれを共有できるなら、とても幸せです。
■シム・ウンギョンのコメント(全文)
旅と日々で、李を演じることができて光栄に思います。監督に頼りながらスタッフの皆さんと一緒に旅したゴールがロカルノでとても、とてもうれしいです。審査員の方々、最高です!
■河合優実のコメント(全文)
びっくりして声が出ました。三宅唱監督、本当におめでとうございます!皆で映画を作った道のりのすべて、初めて完成を観た瞬間、ずっと心を奪われ続けたこの作品が冠をいただき、心からうれしいです。関わってくれた全ての方と喜びを分かち合いたいです。
■高田万作のコメント(全文)※映画祭には不参加
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