エンタメ
2025-10-11 14:50

先日スペインで開かれた「第73回サン・セバスティアン国際映画祭」で、〈New Directors部門〉のクロージング作品として上映され、観客から熱い拍手を受けた、坂本悠花里監督の初長編作品『白の花実(しろのかじつ)』(12月26日公開)。公開に先立ち、ポスタービジュアルと予告編が解禁されている。
【動画】映画『白の花実』予告編
公開されたポスタービジュアルには、黒い服に身を包んだ少女たちが寄り添う姿が映し出されている。中央に座るのは、周囲と上手くなじめず、転校を繰り返す主人公・杏菜(美絽)。彼女に寄り添うクラスメイトの栞(池端杏慈)、そして視線を落とす莉花(蒼戸虹子)。莉花は劇中で突然、自ら命を絶つ少女だ。
コピーには「あなたは、あたしの、誰なんだ」という意味深な言葉が添えられ、タイトルの横には白い花のモチーフ。清らかさと危うさを同時にたたえた、印象的なビジュアルとなっている。
予告編は「ねえ、莉花ってなんで自殺しちゃったんだと思う?」という問いから始まる。賛美歌が響く中、キリスト教の寄宿学校で過ごす3人の少女――杏菜、栞、莉花の淡い日常が映し出される。
しかし、平穏は突如として崩れる。莉花の死をきっかけに、残された日記を読み進める杏菜の身体に、青白い鬼火のような“魂”が入り込む。
「莉花の魂が私の中に入り込んできたの」と告げる杏菜に、栞があきれたように「は?」と返す。莉花の死と日記の存在によって揺らぐ少女たちの心、そして大人たちとの対立が静かに、しかし確実にうねりを生んでいく。
門脇麦が演じる教師・澤井の「そういうのは暴力と言うんです!」と涙ながらに叫ぶ姿は、予告の中でも強い印象を残す。ラストは、ナレーションが語る「少女は、“死”に触れて、自分を知る」という言葉とともに、杏菜が遠くを見つめる姿で締めくくられる。
さらに、「『ピクニック at ハンギング・ロック』を彷彿とさせる」「視覚で語り、余白で魅せる新たな才能」との海外レビューも届いており、期待が高まっている。
■嶽本野ばら氏が寄せたコメント
作家の嶽本野ばら氏(『下妻物語』など)が、一足先に本作を鑑賞し、次のコメントを寄せた。
「果実の中で種子が抱いているのは世界への希望か恐れか?何にでも染まる筈の白が一点の汚れも拒む時、称賛は非難に変わる。少女は誠実と残酷の二律背反に折り合いをつけない。だから彼女達の命は花となり揺れる」
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コピーには「あなたは、あたしの、誰なんだ」という意味深な言葉が添えられ、タイトルの横には白い花のモチーフ。清らかさと危うさを同時にたたえた、印象的なビジュアルとなっている。
予告編は「ねえ、莉花ってなんで自殺しちゃったんだと思う?」という問いから始まる。賛美歌が響く中、キリスト教の寄宿学校で過ごす3人の少女――杏菜、栞、莉花の淡い日常が映し出される。
しかし、平穏は突如として崩れる。莉花の死をきっかけに、残された日記を読み進める杏菜の身体に、青白い鬼火のような“魂”が入り込む。
「莉花の魂が私の中に入り込んできたの」と告げる杏菜に、栞があきれたように「は?」と返す。莉花の死と日記の存在によって揺らぐ少女たちの心、そして大人たちとの対立が静かに、しかし確実にうねりを生んでいく。
門脇麦が演じる教師・澤井の「そういうのは暴力と言うんです!」と涙ながらに叫ぶ姿は、予告の中でも強い印象を残す。ラストは、ナレーションが語る「少女は、“死”に触れて、自分を知る」という言葉とともに、杏菜が遠くを見つめる姿で締めくくられる。
さらに、「『ピクニック at ハンギング・ロック』を彷彿とさせる」「視覚で語り、余白で魅せる新たな才能」との海外レビューも届いており、期待が高まっている。
■嶽本野ばら氏が寄せたコメント
作家の嶽本野ばら氏(『下妻物語』など)が、一足先に本作を鑑賞し、次のコメントを寄せた。
「果実の中で種子が抱いているのは世界への希望か恐れか?何にでも染まる筈の白が一点の汚れも拒む時、称賛は非難に変わる。少女は誠実と残酷の二律背反に折り合いをつけない。だから彼女達の命は花となり揺れる」
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