エンタメ
2025-11-01 08:40
『ReLIFE』などの学園マンガで知られる人気作家の夜宵草(やよいそう)先生。8月より連載を開始した『シークレットスターライブ』(LINEマンガ)は、アイドルやVTuberという現代的なテーマに加え、登場人物がリアルとバーチャルの中ですれ違い惹かれ合いながら、さまざまな物語を繰り広げるヒューマンドラマ作品。やりたいことに突き進む理想と現実、SNSやネット社会が抱える問題にも言及している本作について、夜宵草先生に話を聞いた。
【漫画】アイドル志望女子が神絵師と組んでVTuberに!?…『ReLIFE』マンガ家が描く注目の第1話
◆将来に対する不安や夢に模索も…アイドル志望女子が神絵師と組んでVTuberに
アイドル志望の女子高生・琴夏は、大手企業の社長令嬢であることを隠し、容姿だけで勝負するも、オーディションに落ち続けていた。このままでは将来ニートになってしまうと心配した父から、政略結婚をさせられそうになる…。焦る琴夏はアイドルへの足がかりとしてVTuberへの転身を試みる。そして、制作を依頼した絵師が偶然にも同じバイト先の織尾だった。正体を隠してやり取りを続ける織尾に惹かれていく琴夏。そんな2人が思いを通わせる日は来るのか、そして琴夏はVTuberとして成功し、アイドルデビューすることができるのか――。
――アイドル志望の琴夏が足がかりとしてVTuberを目指し奮闘する物語。なぜ、VTuberを題材にしたのでしょうか?
「私自身がゲーム実況コンテンツが好きで、よく観ていました。そこで出会ったVTuberという文化が、いろいろな秘密が交錯し合う物語の舞台として、とてもおもしろそうだなと感じたのがきっかけです」
――さまざまなことが要因となり、アイドルからVTuberへの転身を考える琴夏。見た目が武器となるアイドルから、自分の見た目を明かさないVTuberという職業に転身する、その背景が興味深いです。実在するVTuberさんへの取材や、モデルとなった人物がいるのでしょうか?
「モデルとした実在の人物はいません。『ギャルとオタクが配信活動を頑張っている姿を描いたら楽しい作品になるのでは…(笑)』という気持ちから生まれました。たくさんの配信者さんたちのコンテンツを観て、配信でされていたお話を参考にしました。また、VTuber事務所でマネージャーをされていたという方などへの取材もしました」
――そうなんですね。さらに、主人公たちの将来に対する不安、夢や目標に模索する姿など、自分自身と重ね合わせられる場面もあります。彼らを通してどのようなことを伝えたいですか?
「現実的には難しい部分も多々あるのは承知の上で描きました。彼女たちを見て、『やりたいことをやったほうが楽しいよ』ということを感じとってもらえたら、誰かの背中を押せたらいいな、という気持ちで描いています。彼女たちを見ていると私自身も『頑張ろう!』と思い、作品に支えられています」
◆問題や怖さだけではない楽しさもある ネット社会での言動を考えるきっかけにも
――ギャルっぽい琴夏とオタクっぽい織尾は対象的な性格ですが、不思議とウマが合っています。2人を描く際に大切にしたことはありますか?
「琴夏はとにかく明るくて行動的で、対照的な織尾は琴夏に引っ張られることが多いのですが、やはり織尾のほうが大人なので、メンタル面では織尾が琴夏を引っ張っています。うまく支え合っていて、2人ともに主人公だというバランスを大切にしています」
――夜宵草先生のXでは、常に冷静沈着な友人・七希のキャラクター設定について言及していました。迷った部分もあったのでしょうか?
「連載準備中に、『(言動が)キツすぎないですか?』『大丈夫ですか?』と担当編集さんにも何度か聞きました(笑)。特に琴夏の親友という大事なポジションにいる七希なので、読者さんに嫌われてしまったら私も読者さんもお互いツラいな、と。迷いというよりは、琴夏を思うからこその厳しさだということがちゃんと伝わるかな、と心配していました」
――主人公のキャラクターやその周辺の登場人物の設定以外で、物語を面白くするために苦労したことはありますか?
「キャラクター性やデザインの変更はほとんどなく、当初は琴夏がもうちょっとやんちゃだったのが、清楚になったぐらいでしょうか(笑)。ですが、動画サイトや配信画面のUIなど、VTuber活動に関する描写に苦労しました。普段なんとなく目に映るものですが、描き起こすとなるとすごく細かくて、キャラクターを描くよりずっと時間がかかっています」
――誹謗中傷や数字に囚われてしまうこと(承認欲求)、素性のわからない人とのネットでの出会いなど、SNSやネット社会が抱える問題に言及する場面もあります。現代社会とリンクする部分が多く描かれていますが、ネット社会を描くにあたり作品を通して読者に伝えたいことはありますか?
「問題や怖さもありますが、楽しさもたくさんあります。そのどちらも感じてもらえたらなと思います。数字に囚われるあまり辛い思いをすることも多い琴夏ですが、逆にネットに励まされることもあります。何気ないリアクションやコメントが、人に影響を与えているということを、良くも悪くも感じてもらえたらと思っています」
◆本作を通してVTuberだけでなく、動画編集や配信といった創作の楽しさを伝えたい
――作中には「かわいいだけじゃダメですか?」というアイドルの楽曲になぞらえた台詞もあります。最近のアイドル事情などもチェックしているのでしょうか?
「実は最近のアイドル事情には疎く…AKB48の神7(セブン)時代あたりで止まっています(苦笑)。アイドルはキラキラしていて、みんなを夢中にさせてくれる存在であり、もっと輝くようにファンが応援したくなる。そんな表舞台でキラキラと輝くには、裏では大変なことも多いのではないのか、そんなイメージを持っています」
――琴夏と織尾の掛け合いがとても秀逸です。先生のお気に入りシーンを教えてください。
「特に8話の織尾が琴夏を口説いてフラれるシーン(不本意)が好きです(笑)。私の創作脳がネガティブ方面にいきがちで、担当さんから『もっとポジティブに!』とよく言われています(苦笑)。今のところはメイン4人で交錯しているのですが、琴夏(きらり)や織尾(Rion)が有名になるにつれて他のVTuberとのエピソードもある予定なので、楽しみにしていてください」
――題材や作品を描く際に、大切にしていることを教えて下さい。
「流行を意識するというよりも、なるべく読者さんたちに楽しさや共感してもらえるようなもの、そして自分が楽しく描けるものを考えて描いています。この作品がきっかけで『推しのVTuberができました』『デビューしてみました』『配信始めました』『動画作りました』…そんな人が現れたら嬉しいです。この作品がきっかけとなり、私も動画編集などを勉強中なのですが、『創作の世界って楽しいよ!』ということが、伝わると嬉しいです」
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――アイドル志望の琴夏が足がかりとしてVTuberを目指し奮闘する物語。なぜ、VTuberを題材にしたのでしょうか?
「私自身がゲーム実況コンテンツが好きで、よく観ていました。そこで出会ったVTuberという文化が、いろいろな秘密が交錯し合う物語の舞台として、とてもおもしろそうだなと感じたのがきっかけです」
――さまざまなことが要因となり、アイドルからVTuberへの転身を考える琴夏。見た目が武器となるアイドルから、自分の見た目を明かさないVTuberという職業に転身する、その背景が興味深いです。実在するVTuberさんへの取材や、モデルとなった人物がいるのでしょうか?
「モデルとした実在の人物はいません。『ギャルとオタクが配信活動を頑張っている姿を描いたら楽しい作品になるのでは…(笑)』という気持ちから生まれました。たくさんの配信者さんたちのコンテンツを観て、配信でされていたお話を参考にしました。また、VTuber事務所でマネージャーをされていたという方などへの取材もしました」
――そうなんですね。さらに、主人公たちの将来に対する不安、夢や目標に模索する姿など、自分自身と重ね合わせられる場面もあります。彼らを通してどのようなことを伝えたいですか?
「現実的には難しい部分も多々あるのは承知の上で描きました。彼女たちを見て、『やりたいことをやったほうが楽しいよ』ということを感じとってもらえたら、誰かの背中を押せたらいいな、という気持ちで描いています。彼女たちを見ていると私自身も『頑張ろう!』と思い、作品に支えられています」
◆問題や怖さだけではない楽しさもある ネット社会での言動を考えるきっかけにも
――ギャルっぽい琴夏とオタクっぽい織尾は対象的な性格ですが、不思議とウマが合っています。2人を描く際に大切にしたことはありますか?
「琴夏はとにかく明るくて行動的で、対照的な織尾は琴夏に引っ張られることが多いのですが、やはり織尾のほうが大人なので、メンタル面では織尾が琴夏を引っ張っています。うまく支え合っていて、2人ともに主人公だというバランスを大切にしています」
――夜宵草先生のXでは、常に冷静沈着な友人・七希のキャラクター設定について言及していました。迷った部分もあったのでしょうか?
「連載準備中に、『(言動が)キツすぎないですか?』『大丈夫ですか?』と担当編集さんにも何度か聞きました(笑)。特に琴夏の親友という大事なポジションにいる七希なので、読者さんに嫌われてしまったら私も読者さんもお互いツラいな、と。迷いというよりは、琴夏を思うからこその厳しさだということがちゃんと伝わるかな、と心配していました」
――主人公のキャラクターやその周辺の登場人物の設定以外で、物語を面白くするために苦労したことはありますか?
「キャラクター性やデザインの変更はほとんどなく、当初は琴夏がもうちょっとやんちゃだったのが、清楚になったぐらいでしょうか(笑)。ですが、動画サイトや配信画面のUIなど、VTuber活動に関する描写に苦労しました。普段なんとなく目に映るものですが、描き起こすとなるとすごく細かくて、キャラクターを描くよりずっと時間がかかっています」
――誹謗中傷や数字に囚われてしまうこと(承認欲求)、素性のわからない人とのネットでの出会いなど、SNSやネット社会が抱える問題に言及する場面もあります。現代社会とリンクする部分が多く描かれていますが、ネット社会を描くにあたり作品を通して読者に伝えたいことはありますか?
「問題や怖さもありますが、楽しさもたくさんあります。そのどちらも感じてもらえたらなと思います。数字に囚われるあまり辛い思いをすることも多い琴夏ですが、逆にネットに励まされることもあります。何気ないリアクションやコメントが、人に影響を与えているということを、良くも悪くも感じてもらえたらと思っています」
◆本作を通してVTuberだけでなく、動画編集や配信といった創作の楽しさを伝えたい
――作中には「かわいいだけじゃダメですか?」というアイドルの楽曲になぞらえた台詞もあります。最近のアイドル事情などもチェックしているのでしょうか?
「実は最近のアイドル事情には疎く…AKB48の神7(セブン)時代あたりで止まっています(苦笑)。アイドルはキラキラしていて、みんなを夢中にさせてくれる存在であり、もっと輝くようにファンが応援したくなる。そんな表舞台でキラキラと輝くには、裏では大変なことも多いのではないのか、そんなイメージを持っています」
――琴夏と織尾の掛け合いがとても秀逸です。先生のお気に入りシーンを教えてください。
「特に8話の織尾が琴夏を口説いてフラれるシーン(不本意)が好きです(笑)。私の創作脳がネガティブ方面にいきがちで、担当さんから『もっとポジティブに!』とよく言われています(苦笑)。今のところはメイン4人で交錯しているのですが、琴夏(きらり)や織尾(Rion)が有名になるにつれて他のVTuberとのエピソードもある予定なので、楽しみにしていてください」
――題材や作品を描く際に、大切にしていることを教えて下さい。
「流行を意識するというよりも、なるべく読者さんたちに楽しさや共感してもらえるようなもの、そして自分が楽しく描けるものを考えて描いています。この作品がきっかけで『推しのVTuberができました』『デビューしてみました』『配信始めました』『動画作りました』…そんな人が現れたら嬉しいです。この作品がきっかけとなり、私も動画編集などを勉強中なのですが、『創作の世界って楽しいよ!』ということが、伝わると嬉しいです」
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