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カンヌ最高賞パルム・ドール受賞作がオスカー2部門ノミネート イランの巨匠ジャファル・パナヒ監督最新作

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2026-01-25 15:46
カンヌ最高賞パルム・ドール受賞作がオスカー2部門ノミネート イランの巨匠ジャファル・パナヒ監督最新作
映画『シンプル・アクシデント/偶然』(5月8日公開)(C)LesFilmsPelleas
 先日発表された「第98回アカデミー賞」の各賞ノミネートの中から、脚本賞、国際長編映画賞の2部門に選出された『シンプル・アクシデント/偶然』(5月8日公開)を紹介する。

【画像】作品賞にノミネートされた10作品の場面写真

 本作は、「第78回カンヌ国際映画祭」で最高賞にあたるパルム・ドールを受賞した、イランの巨匠ジャファル・パナヒ監督の最新作。

 物語の主人公は、かつて不当な理由で投獄されていたワヒド(ワヒド・モバシェリ)。ある偶然をきっかけに、彼はかつて自分にひどい拷問を加えた看守らしき男と遭遇する。衝動的に男を拘束し、荒野に穴を掘って埋めようとするワヒド。しかし、男のIDカードに記された名前は、記憶している復讐相手のものとは違っていた。男も「人違いだ」と主張する。

 実は投獄中、目隠しをされていたワヒドは、男の顔を見たことがなかった。男は、本当に復讐の相手なのか?確信を失ったワヒドは復讐をいったん中断し、同じ男から拷問を受けた友人を訪ねてみるが…。

 不当に刑務所に投獄された人々が、復讐を果たそうと試みる姿を描いた本作は、スリリングでありながら、随所にブラックユーモアを織り交ぜた異色の復讐劇。パナヒ監督自身が、二度にわたって投獄された経験と同房で出会った人々のリアルな声から着想を得て物語を構築。冒頭から連鎖する偶然が生む緊張感の中へ観客を一気に引き込み、最後まで目が離せない強度を持った作品へと昇華させている。

 2010年から反政権を理由に禁錮6年の有罪判決を受けていたパナヒ監督。映画制作や海外渡航が20年間禁止されていたが、23年に海外渡航禁止が解かれ、最初に着手した本作品で昨年のカンヌ国際映画祭に正式参加。イラン映画としては28年ぶりに最高賞を受賞した。

 『チャドルと生きる』(2000年)でベネチア国際映画祭金獅子賞、『人生タクシー』(15年)でベルリン国際映画祭の金熊賞、そして本作のパルム・ドール受賞により、世界三大映画祭すべての最高賞を受賞するという快挙を成し遂げ、世界中で大きな話題となった。これまで反骨精神あふれるパナヒ監督の作品は国代表に選出されることはなく、オスカーとは無縁だったが、本作はフランスとの共同製作であったため、フランス代表としてエントリーされた。

 ところが、昨年12月、アメリカで本作のプロモーション活動を行っていたパナヒ監督に、イランのイスラム革命裁判所から突如として判決が言い渡された。明確な容疑が示されないまま行われた欠席裁判で、「反体制プロパガンダ活動」を理由に懲役1年、さらに2年間の渡航禁止、政治・社会団体および派閥への参加禁止という厳しい措置が科されたという。

 国家による抑圧と、それでもなお映画を作り続けるという意思。その魂の叫びが刻み込まれた本作は、どのような評価を受けるのか。アカデミー賞授賞式は、現地時間3月15日(日本時間16日)に、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われる。

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