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松岡茉優、“描けなくなった”イラストレーター役 『男ともだち』劇中絵画&新場面写真公開

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2026-07-16 12:00
松岡茉優、“描けなくなった”イラストレーター役 『男ともだち』劇中絵画&新場面写真公開
映画『男ともだち』(11月6日公開) 劇中の絵画「グリム童話特集 赤ずきん」の挿絵(C)CHISATO TANAKA
 俳優の松岡茉優が主演を務める映画男ともだち』(11月6日公開)の新たな場面写真が公開された。あわせて、劇中に登場する絵画を手がけた画家・田中千智と、原作者で直木賞作家の千早茜からメッセージが到着した。

【画像】この記事で紹介している主人公・神名(松岡茉優)の場面写真

 本作は、『しろがねの葉』で「第168回直木賞」を受賞した千早の同名小説(文春文庫)が原作。『幼な子われらに生まれ』などで知られる三島有紀子監督がメガホンを執り、松岡と成田凌の共演で、人生に行き詰まりを感じるイラストレーター・神名(かんな)と、“男ともだち”ハセオとの特別な関係を描く。

 松岡が演じる神名は、恋人と京都の町家で暮らす29歳のイラストレーター。かつて絵本で賞を受賞したものの、現在は描きたいものを見失い、無茶なクライアントワークに神経をすり減らし、惰性や不毛な恋愛に逃げる日々を送っている。そんな中、7年ぶりに“男ともだち”ハセオと再会したことをきっかけに、止まっていた人生が大きく動き始める。

 今回公開されたのは、数年前、雑誌に掲載され評価を得た神名の作品として劇中に登場する絵画「グリム童話特集 赤ずきん」の挿絵。本作で絵画の監修、提供、指導を務めた画家の田中による描きおろしで、挑発的な視線を向けるオオカミと、複雑な表情を浮かべる赤ずきんが描かれ、神名の内面にある葛藤や揺らぎを象徴する作品となっている。

 田中は、福岡県在住の画家。アクリル絵具を使ったフラットな漆黒の背景に、鮮やかな油彩で前景を描くという独自の手法を開拓、笑みとも怒りともとれる人物の表情、漆黒の中にきらめく風景など、相反する要素が組み合わされ、観るものに強い印象を与え、その想像力をかきたてる。国内外で多数の個展・グループ展のほか、書籍の装丁画や壁画など、幅広い活動を行っている。

 原作者・千早の著書『正しい女たち』の装丁作画も手掛けており、本作への参加が実現。撮影前には、松岡が福岡・能古島にある田中のアトリエを訪問し、筆やコンテ、水彩画の描き方を実際に学び、絵を描く所作を身につけたという。

 田中は、本作への参加について、「映画の中で描かれる絵の制作に参加させていただき、とても光栄でした」と振り返り、「映画も絵画も、すべてを描き切ることはできないからこそ、心に残るものがあるのだと思います。表現は違っても、その余白が見る人の中で時間をかけて育っていくところには、どこか通じるものがあります」とコメントを寄せている。

 さらに、本編を鑑賞した原作者の千早は、「京都での撮影を見学させてもらったとき、神名と彰人が暮らす京町家から、かつて私が住んでいた町家が見えました。デビュー作を書いていたときに暮らしていた家で、京町家の土間の匂いとともに二十代の自分がよみがえりました」と、作品をめぐる運命的な巡り合わせを明かし、「誰もが身に覚えのある弱さや生きにくさを、三島監督は鮮やかに、残酷に描いていました」と絶賛。

 続けて、「孤独で、無様で、それでも何かをつかもうと足掻(あが)いていた人。今も足掻(あが)いている人。そんな人たちの救いになる映画だと思います。何者でもなかった私の二十代も、救われた気がしました」と語っている。

 あわせて公開された場面写真では、創作に向き合う神名の姿や、静かな日常の一コマが切り取られている。

■絵画制作・指導・監修:田中千智のコメント

 映画の中で描かれる絵の制作に参加させていただき、とても光栄でした。
 普段は一人で制作することが多いので、多くの方と一つの作品をつくり上げる映画の現場は、新鮮で刺激的な経験でした。撮影では、監督や俳優、スタッフの皆さんが、それぞれの表現に真摯に向き合い、作品を作り出していく姿がとても印象に残っています。
 映画も絵画も、すべてを描き切ることはできないからこそ、心に残るものがあるのだと思います。表現は違っても、その余白が見る人の中で時間をかけて育っていくところには、どこか通じるものがあります。この映画は、描かれたものだけでなく、描かれなかったものや、その先にある時間まで思いを巡らせたくなる作品です。時間が経っても静かに心に残り、何度でも向き合いたくなります。

■原作:千早茜のコメント

 京都での撮影を見学させてもらったとき、神名と彰人が暮らす京町家から、かつて私が住んでいた町家が見えました。デビュー作を書いていたときに暮らしていた家で、京町家の土間の匂いとともに二十代の自分がよみがえりました。
 空気の匂いも、肌触りも、痛みもある映画だと思いました。
 他人事とは思えない映画だと。
 でも、それは私が原作者だからではなく、三島有紀子監督をはじめ、俳優さん、スタッフさんたちが細やかに映画の世界を創りあげているからだと思います。誰もが身に覚えのある、強くなりたいと願う弱さも、勘違いの不幸も、生きにくさも、情けなさも、苛立ちも、まるで三島監督はすべてを知っているかのように、鮮やかに残酷に描いていました。
 孤独で、無様で、それでも、なにかをつかもうと足掻(あが)いていた人。今も、足掻いている人。そんな人たちの救いになる映画だと思います。何者でもなかった私の二十代も、救われた気がしました。ありがとうございます。

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【画像】絵画制作・指導・監修を担当した画家・田中千智にポートレート
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