エンタメ
2026-09-11 17:16
イタリアで開催中の「第83回ベネチア国際映画祭」で現地時間11日、第5回「Cinema & Arts Award(ゴールデン・ムーサ賞)」の授賞式が行われ、是枝裕和監督の映画『ルックバック』が最優秀作品に選ばれた。三池崇史監督のドキュメンタリー映画『襲名』も受賞し、日本映画2作品がそろって栄誉に輝いた。
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同賞は、金獅子賞など映画祭本体の公式賞とは別に授与されるコラテラル賞(独立賞)の一つ。絵画や音楽、建築、演劇、さらには哲学まで、さまざまな芸術が映画の中にどのような形で息づいているかに光を当てることを目的としている。
今年は、アカデミア・エレオノーラ・ドゥーゼの学生を中心とする約30人と審査員が、対象となった22作品を鑑賞し、選考にあたった。
最優秀作品に選ばれた『ルックバック』は、『チェンソーマン』などで知られる藤本タツキの同名漫画を、是枝監督が実写映画化した作品。漫画を描くことへの情熱で結ばれた藤野と京本の友情と成長、その先に待ち受ける運命を描く。出口夏希、蒔田彩珠、七瀬ふうり、岡田六花らが出演し、日本では同日11日に公開された。
授賞式では、社交的な藤野と、社会への不安から自宅に閉じこもる京本が、互いの才能に刺激を受けながら、人間的、芸術的な絆を築いていく物語として紹介された。
選評では、本作が「少女から女性へと成長する二人の深い友情」と「芸術と、芸術家としての使命の本質をめぐる考察」という二つの層を織り合わせている点を評価。「なぜ芸術に身を捧げるのか」「芸術家の創造の源は何か」「師と弟子はどのような関係にあるのか」「成功は芸術家の歩みにおいてどのような役割を果たすのか」を観客に問いかける作品だとした。
さらに、漫画と映画の表現を巧みに融合し、幻想と現実を行き来しながら、漫画が生み出される創作の現場と想像の世界へ観客を導いた是枝監督の手腕を称賛。坂東祐大による音楽と、二人の少女が描く絵と絶えず対話するような簡潔な映像表現も高く評価された。
授賞式には是枝監督本人が登壇。主催者から「作品を通じて詩情を届けてくれた」とたたえられると、「きょうお招きいただき、ありがとうございます。キャストとスタッフもベネチアに来て、ジェラートを食べたり、ゴンドラに乗ったりして楽しみましたが、残念ながら、もう帰ってしまいました。彼らにとっても、いいお土産になります」と喜びを語った。
『ルックバック』は映画祭のコンペティション部門に出品されており、金獅子賞をはじめとする公式賞の行方にも注目が集まる。
一方、アウト・オブ・コンペティション部門で上映された『襲名』は、十三代目市川團十郎白猿と八代目市川新之助の襲名披露公演、その舞台裏を記録した作品。三池監督が初めてドキュメンタリー映画に挑み、市川家を中心に、現在と伝統が交差する歌舞伎の世界を映し出した。
選評では、市川家の公私にわたる日常を捉える一方、洗練された構図や長回しを通して、日本社会の中で今なお息づく演劇的な儀式を忠実かつ丁寧に描いたと評価。個人としての姿、舞台上の人格、社会的な役割の関係を分析しながら、芸の継承が持つ価値、伝統と革新のせめぎ合い、父から子へ受け継がれるものを描いた点もたたえられた。
また、独特の発声、型として受け継がれる動き、顔や視線を大胆に変容させる化粧、俳優と観客の直接的なつながりが一体となった歌舞伎を「総合芸術」「一幅の絵画」と表現した。
三池監督は新作の撮影中のため授賞式を欠席し、高松美由紀プロデューサーが代理で賞を受け取った。高松氏が代読したメッセージで、三池監督は「これは俳優・團十郎の偉業です。この映画を通して、古典歌舞伎の美しさと、継承の厳しさを世界に伝えることができたことをうれしく思います」と喜びを伝え、審査員や映画祭に感謝した。『襲名』は9月25日から全国公開される。
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同賞は、金獅子賞など映画祭本体の公式賞とは別に授与されるコラテラル賞(独立賞)の一つ。絵画や音楽、建築、演劇、さらには哲学まで、さまざまな芸術が映画の中にどのような形で息づいているかに光を当てることを目的としている。
今年は、アカデミア・エレオノーラ・ドゥーゼの学生を中心とする約30人と審査員が、対象となった22作品を鑑賞し、選考にあたった。
最優秀作品に選ばれた『ルックバック』は、『チェンソーマン』などで知られる藤本タツキの同名漫画を、是枝監督が実写映画化した作品。漫画を描くことへの情熱で結ばれた藤野と京本の友情と成長、その先に待ち受ける運命を描く。出口夏希、蒔田彩珠、七瀬ふうり、岡田六花らが出演し、日本では同日11日に公開された。
授賞式では、社交的な藤野と、社会への不安から自宅に閉じこもる京本が、互いの才能に刺激を受けながら、人間的、芸術的な絆を築いていく物語として紹介された。
選評では、本作が「少女から女性へと成長する二人の深い友情」と「芸術と、芸術家としての使命の本質をめぐる考察」という二つの層を織り合わせている点を評価。「なぜ芸術に身を捧げるのか」「芸術家の創造の源は何か」「師と弟子はどのような関係にあるのか」「成功は芸術家の歩みにおいてどのような役割を果たすのか」を観客に問いかける作品だとした。
さらに、漫画と映画の表現を巧みに融合し、幻想と現実を行き来しながら、漫画が生み出される創作の現場と想像の世界へ観客を導いた是枝監督の手腕を称賛。坂東祐大による音楽と、二人の少女が描く絵と絶えず対話するような簡潔な映像表現も高く評価された。
授賞式には是枝監督本人が登壇。主催者から「作品を通じて詩情を届けてくれた」とたたえられると、「きょうお招きいただき、ありがとうございます。キャストとスタッフもベネチアに来て、ジェラートを食べたり、ゴンドラに乗ったりして楽しみましたが、残念ながら、もう帰ってしまいました。彼らにとっても、いいお土産になります」と喜びを語った。
『ルックバック』は映画祭のコンペティション部門に出品されており、金獅子賞をはじめとする公式賞の行方にも注目が集まる。
一方、アウト・オブ・コンペティション部門で上映された『襲名』は、十三代目市川團十郎白猿と八代目市川新之助の襲名披露公演、その舞台裏を記録した作品。三池監督が初めてドキュメンタリー映画に挑み、市川家を中心に、現在と伝統が交差する歌舞伎の世界を映し出した。
選評では、市川家の公私にわたる日常を捉える一方、洗練された構図や長回しを通して、日本社会の中で今なお息づく演劇的な儀式を忠実かつ丁寧に描いたと評価。個人としての姿、舞台上の人格、社会的な役割の関係を分析しながら、芸の継承が持つ価値、伝統と革新のせめぎ合い、父から子へ受け継がれるものを描いた点もたたえられた。
また、独特の発声、型として受け継がれる動き、顔や視線を大胆に変容させる化粧、俳優と観客の直接的なつながりが一体となった歌舞伎を「総合芸術」「一幅の絵画」と表現した。
三池監督は新作の撮影中のため授賞式を欠席し、高松美由紀プロデューサーが代理で賞を受け取った。高松氏が代読したメッセージで、三池監督は「これは俳優・團十郎の偉業です。この映画を通して、古典歌舞伎の美しさと、継承の厳しさを世界に伝えることができたことをうれしく思います」と喜びを伝え、審査員や映画祭に感謝した。『襲名』は9月25日から全国公開される。
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