E START

E START トップページ > エンタメ > ニュース > 吉川晃司、39年ぶり代々木第一体育館でツアーファイナル シンバルキック炸裂、来年の活動にも言及【オフィシャルライブレポート】

吉川晃司、39年ぶり代々木第一体育館でツアーファイナル シンバルキック炸裂、来年の活動にも言及【オフィシャルライブレポート】

エンタメ
2026-10-19 11:30
吉川晃司、39年ぶり代々木第一体育館でツアーファイナル シンバルキック炸裂、来年の活動にも言及【オフィシャルライブレポート】
『KIKKAWA KOJI LIVE 2026 Higher and Higher Tour Final』の模様 写真:平野タカシ
 吉川晃司のツアー『KIKKAWA KOJI LIVE 2026 Higher and Higher Tour』のファイナル公演が16日、17日に東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された。同公演のオフィシャルライブレポートが到着した。

【ライブ写真たくさん】躍動的!ツアーファイナルでのシンバルキックの瞬間

■オフィシャルライブレポート

 「ごきげんよう。みなさん、ファイナルへようこそ。満員御礼ありがとうございます。いい眺めです」とのあいさつに、客席から「かっこいい!」と声がかかると、「みんな、かっこいいよ」と返答。激しくも麗しい、相思相愛の空間が出現した。

 吉川晃司のツアーファイナル公演が10月16日、17日に東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された。『KIKKAWA KOJI LIVE 2026 Higher and Higher Tour』というタイトルのもと、ツアーがスタートしたのは6月。全国26公演で7万人を動員し、代々木2Daysには2万人の観客が集結。振替公演の福岡と熊本(12月開催)は残っているが、完成度の高さと完全燃焼の熱さを両立させたステージを展開し、ツアーを見事に締めくくった。

 吉川にとって、国立代々木競技場第一体育館でのライブは、ソロとしては『BIG CITIES CIRCUIT 解体へのSUGGESTION』ツアーの1987年5月18日、19日以来39年ぶり、COMPLEXも含めると、『ROMANTIC 1990 TOUR』の1990年6月6日、7日、8日以来36年ぶりだ。同会場は1964年の東京オリンピックの水泳と飛び込みの会場でもあり、1993年までプールとしても使用されていた。かつて水球選手としてオリンピックを目指した吉川にとっても、縁のある場所だろう。

 オープニングナンバーの「BOY'S LIFE」が始まった瞬間、大歓声と盛大な拍手が起こった。凜とした歌声と強靭なバンドの演奏が会場内に響き渡ると、観客のシンガロングが加わり、冒頭からハイライトのような熱き展開となった。会場内は白一色。ステージ上の照明、観客に事前に配布された「FreFlow(フリフラ)」(リストバンド型LED)、客席の最後方のKマーク型照明も、白く輝いていた。ステージ上では、マイクスタンドを握りしめて歌う姿が照明を浴びて浮かび上がった。やはり吉川には代々木の大きな空間がよく似合う。

 場内がピンク色の光に包まれて、「にくまれそうなNEWフェイス」が始まると、悲鳴のような歓声が起こった。“Higher and Higher”というツアータイトルどおり、観客をさらなる高みへと誘う代表曲や人気曲が並ぶセットリスト。希望の見えづらい時代だからこそ、“この瞬間だけは笑顔になってもらいたい”という吉川の思いが伝わってくるようだ。1980年代の曲が演奏されても、懐かしさよりも鮮度の高さが上回って伝わってきたのは、今の吉川の歌声で表現されているから、そして屈強なバンドが演奏しているからだろう。バンドメンバーは、藤井一彦(Gt)、フジイケンジ(Gt)、ウエノコウジ(Ba)、湊雅史(Dr)、ホッピー神山(Key)。吉川が絶大な信頼を寄せるメンバーが揃った。ギター2人が兄弟、さらに吉川、ウエノ、藤井、フジイと、広島出身が4人というところも大きな特徴だ。

 歌と演奏だけでなく、パフォーマンスでも湧かせるステージ。シンバルキックを華麗に決めると、待っていましたと言わんばかりの大きな拍手。代々木初日には、シンバルキックの衝撃で吉川の靴が壊れるハプニングもあった。限界に挑み続けているからこそ、想定外の事態が起こりやすくなる。今回のツアーは、波乱万丈の幕開けとなった。ツアー直前の左目の緊急手術による市川公演の延期、喉の不調による福岡公演の延期、そして「令和8年熊本地震」による熊本公演の日時と会場の変更。さまざまな困難に直面しながら、ファイナルを迎えたのだ。

 青春の香りが漂う曲が多く演奏されたことも、今回のツアーの特徴のひとつ。「おまえだけがオアシスじゃないか」というフレーズが印象的なラブソングにしてポップなダンスチューン「ベイビージェーン」では、ジェントリーな歌声で観客を魅了。「薔薇のように踊れ」と歌われる「エロス」では、吉川がロマンティックかつドラマティックに歌い上げ、藤井兄弟による甘美なユニゾンのギターが彩りを添えた。「アクセル」で吉川が「もっともっと抱きしめてくれ」と歌うと、悲鳴のような歓声が起こった。観客を抱きしめるような情熱的な歌声に応えて、客席からも「もっともっと」というシンガロングが起こった。

 吉川がギターを手にして、トリプルギター編成で演奏された「スティングレイ」では、タフな歌声とエッジの効いたソリッドなギターサウンドを堪能した。代々木第一体育館の天井は独特の流線型になっていて、鯨の腹に似ている。妖しき歌声とブルーの照明、コバルト色に光るフリフラの演出によって、鯨の真下の深海を遊泳するエイのイメージが思い浮かんだ。「Virgin Moon」では肉体的な躍動感あふれるグルーヴに体が揺れた。フジイがアコースティックギター、吉川と藤井がエレキギターという編成でのギターアンサンブルが絶妙だ。大人の色気の漂う吉川の歌声と白熱のプレイが観客を酔わせた。「ギムレットには早すぎる」では吉川とフジイがエレキ、藤井がアコギを手にして、さらに湊のキレ味抜群のドラム、ウエノのスウィングするベース、ホッピーの自在なキーボードが加わったバンドの演奏に客席が揺れた。鍛え抜かれたバンドサウンドは圧巻だ。筋肉に例えるならば、無駄がなく、削ぎ落とされていて、強靭でありながら柔軟でしなやか。ステージを重ねるごとに磨き抜いてきた成果が一音一音に宿っていた。

 「RAIN-DANCEがきこえる」は吉川のボーカルとホッピーのピアノによる2人だけの演奏だ。イントロで「すべてはこの夜に」のメロディを挟んでの始まり。オリジナルは80年代ニューロマンティクステイストの漂うダンサブルなロックだが、吉川の表情豊かな歌声とホッピーの繊細なピアノによって、陰影の深いバラードへと生まれ変わった。「INNOCENT SKY」は吉川のボーカル、藤井兄弟のアコースティックギター、ウエノのアコースティックベースという編成で披露された。19歳のときに発表した歌が今もなおリアルに響いてきたのは、吉川がデビューしてから42年あまり、ブレることなく活動してきたからだろう。祈りのような歌声とニュアンス豊かな藤井兄弟のギターのアンサンブルが深く染みてきた。

 せつなさ、懐かしさ、いとしさ、郷愁など、さまざまな感情のにじむエモーショナルな歌声に胸を揺さぶられたのは、フジイのスライドギターで始まった「Dance with Memories」だ。過去の思い出がモチーフとなったノスタルジックなラブソングだが、この日の吉川の歌声には浄化作用のようなものが備わっていると感じた。かけがえのない思い出を糧として、今を生きていこうとする強い意思も伝わってきたからだ。歌に寄り添うようなコーラスと演奏が優しく響いてきた。

 吉川が衣装替えでステージから下がり、バンドによるインスト演奏が繰り広げられた。時の流れの中をたゆたうようなシュールでスペイシーな演奏から、シームレスにOoochie Koochieの「GOLD」へと移行していく展開が鮮やかだ。キャノン砲から発射された三色のメタリックテープが舞い、ミラーボール風の細かなライトが会場内を照らし、令和の体育館が1980年代初頭のディスコのダンスフロアへと丸ごとワープしたかのようだった。吉川が軽やかにステップを踏みながら、奥田民生パートを歌う姿が新鮮だ。観客もハンドクラップしながらダンス。さらに「A-LA-BA・LA-M-BA」へと流れ込んでいくと、雄叫びが起こり、会場内がさらにヒートアップした。ダイナミックな歌声と疾走感と躍動感あふれる演奏に乗って、観客も熱烈なシンガロングとハンドクラップ。フジイから藤井へ、さらにホッピーへとソロ回しの演奏も交えてのスリリングな展開が気持ちいい。「愛してるぜ!」と吉川が叫ぶと、歓喜の声。さらに、ステージの上手から下手までを駆けながらの「GIVE ME A BREAK」、本能も衝動も解き放っていくようなワイルドなビートが全開となった「The Gundogs」と、ノンストップでたたみかけていく怒濤の展開に、観客も歌声とこぶしとで応えて、濃密な一体感が漂った。

 「GOOD SAVAGE」は、吉川、藤井兄弟、ウエノがステージの前面で4人並んで演奏するパフォーマンスが恒例となっているのだが、最終日はなんと、藤井兄弟もウエノもお立ち台に乗って、演奏する場面があった。横一列ではなく、縦も交えた構図が斬新だ。こうした光景は、吉川とバンドメンバーとの絆の深さの表れでもあるだろう。

 本編最後の「Fame & Money」では、タンクトップ姿の吉川が腕を回すパフォーマンスに、観客も「hey!hey!hey!」とかけ声をあげて参加。この曲が観客の胸をこんなにも熱くするのは、「Fight right」という歌詞の内容を吉川が貫いているからだろう。歌声だけでなく、全身全霊で表現し、そして生き方によって示し続けることで、この歌の説得力がどこまでも増しているのだ。ステージ上と客席とが一体となって盛り上がり、吉川がシンバルキックを決めると、割れんばかりの拍手と歓声が起こった。このシンバルキックも、吉川が日々ストイックに鍛錬し続けていることの証のひとつだろう。

 「来年はアルバムを作って、ツアーに出る予定です。(アルバム)聴いてください。みなさん、また会う日まで、元気でいてください」

 アンコールで登場すると、吉川はそうあいさつした。アンコール1曲目はCOMPLEXの「1990」。この曲の歌詞も、吉川自身の生き方と連動している。1990年の激動する世界情勢を踏まえて書かれた作品だが、2026年の現在にも当てはまっている。吉川もギターを手にして、トリプルギターのソリッドなサウンドの中で、凜とした歌声が真っ直ぐ届いてきた。「ほどけた靴紐を結んで」「振り向かずに歩いてゆく」は現在進行形のフレーズとしてリアルに響いてきた。これは決意表明の歌であると同時に、観客を鼓舞する歌でもあるだろう。聴くと、勇気が湧いてくるからだ。全編広島弁の「ショーラー」は、広島出身者が4人いるバンド編成ならではの歌と演奏になった。ガレージバンドのような荒々しい演奏が繰り広げられた。吉川のリードボーカルで始まり、藤井が歌い、フジイがコーラスし、さらにウエノもリードボーカルを取った。無骨な歌声がガレージと化した代々木の広大な空間に響きわたった。

 「じゃあ、みなさん、最後は景気づけに一緒に歌って帰りましょう」という吉川の言葉に続いて、「KISSに撃たれて眠りたい」が演奏された。流線型の天井にはKマークが映し出されていた。吉川が客席にマイクを向けると、会場内に熱きシンガロングが響きわたった。熱烈なラブソングであると同時に、吉川と観客との絆の歌として、温かく響いてきた。カカト落としのシンバルキックでフィニッシュすると、万雷の拍手が送られた。会場内の全員でともに高みを目指していくようなステージとなり、笑顔の花が咲き乱れた。吉川の行くところに絶景あり。次なる景色がさらに楽しみになるファイナルとなった。

(文・長谷川 誠)

関連記事


【写真あり】ブラックスーツで、歳を重ねた”大人”な色気あふれる吉川晃司
【ライブ写真あり】華麗にシンバルキックを決める吉川晃司
【写真あり】圧巻のパフォーマンスを見せた吉川晃司
【写真】最凶の人斬り役も様になる!「キター」と喜ぶ吉川晃司
【写真】吉川晃司、美しい背筋を惜しげもなく披露

ページの先頭へ