今季“最強寒波”を越え、週末は3月下旬の温かさになりそうです。また、今回大雪を降らせた寒波は、桜の開花にも影響を及ぼしているようです。
早咲き「あたみ桜」が見頃 このまま春に突入か?
上村彩子キャスター:
季節が少しずつ進んでいると感じることがありますが、このまま春に突入するのでしょうか。
静岡県熱海市にある、日本一の早咲き桜「あたみ桜」が見頃を迎えています。あたみ桜の特徴は、 同じ枝に早咲きと遅咲きの芽があり、二段構えで例年1か月以上楽しめる桜です。
「さくら祭り」は9日で終了してしまったのですが、2025年は例年よりも咲き始めるのが遅く、まだ見頃が続くため、ライトアップ期間を2月24日まで延長するということです。
また静岡県伊東市にある「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」では、寒桜と菜の花のコラボレーションが楽しめるそうです。担当の方によりますと「菜の花の見頃は今週末ごろ。寒桜とのコラボは今週末がおすすめです」と話してくれました。
今年の桜開花予想は?「休眠打破」とは
民間気象会社のウェザーマップが2月6日に発表した桜の開花情報によりますと、東京の開花予想日が3月21日なのに対して、暖かい九州の鹿児島が3月22日となっています。寒い東京の方が開花が早いと予想されています。
【さくら開花前線(ウェザーマップ予想2025・2/6発表)】
<3月>
・20日:福岡
・21日:東京
・22日:鹿児島
・25日:名古屋
・26日:大阪
<4月>
・5日:仙台
・7日:新潟
・25日:札幌
過去5年の東京と鹿児島の2・3月の平均気温を比べてみると、やはり東京の方が寒いことがわかります。しかし、桜は東京の方が早い開花となっています。
2020年で見てみますと東京の開花が3月14日なのに対し、鹿児島は2週間ほど遅い4月1日でした。
【東京 桜開花日と2月・3月の平均気温】
・2024年:3月29日 / 8.8℃
・2023年:3月14日 / 10.1℃
・2022年:3月20日 / 8.0℃
・2021年:3月14日 / 10.6℃
・2020年:3月14日 / 9.5℃
【鹿児島 桜開花日と2月・3月の平均気温】
・2024年:3月29日 / 13.5℃
・2023年:3月24日 / 13.3℃
・2022年:3月20日 / 11.3℃
・2021年:3月17日 / 13.8℃
・2020年:4月1日 / 12.7℃
実は桜の開花に必要なのが「休眠打破」という過程です。秋に芽が成長せず、休眠状態に入ります。そして冬は低温に一定期間さらされることで目覚めるそうです。この過程が「休眠打破」です。そして春の暖かさによって成長していくということです。春の暖かさだけではなく、冬の寒さも大事ということなのです。
小野裕子 気象予報士:
特に年末の気温が大事になってくるので冷え込むとその分、開花も早まる特徴があります。
井上貴博キャスター:
東京の方が鹿児島より桜の開花が早いのは、都市特有の気候と関係があるのでしょうか。
小野 気象予報士:
東京より鹿児島の方が南にあるので、冬場の気温が下がりにくくなっているんですよね。それで休眠打破が弱くて開花が遅れるという流れになってきています。
ホラン千秋キャスター:
かといって寒ければ寒いほど咲くのが早いわけでもないということですか?
小野 気象予報士:
そうですね。冬の寒さと春の暖かさ両方が必要になってきて開花が早まります。
今週末は3月下旬の暖かさ 来週は再び寒波がやって来る
萩谷麻衣子 弁護士:
今年の冬は、九州は雪が降っているのに、関東周辺は晴れて乾燥するばかりで、東京周辺は雪を見ないまま春になってしまうのかなと寂しいものもあります。3月に東京でドカ雪が降るということはありますか?
小野 気象予報士:
可能性としてはありますね。関東では春先にかけて雪が降りやすいシーズンに入っていきます。
この先の天気ですが、12日は全国的に暖かい南風が吹き、寒さがいったん和らぎました。12日夜は春一番が吹く可能性があります。その後、平地では雨が降るとみられ、北陸は雪が多く積もっているところでは、雪崩や落雪の危険性が一層高まりそうです。関東でも12日夜に一時的に明け方にかけて雨の降るところがありそうです。
ところが13日になると一気に北風に変わり、日本海側でまた雪が降るとみられ、東北などを中心に猛吹雪となるところがあり、冬の嵐が戻ってきそうです。
寒気と暖気の予想です。12日は寒気が退きましたが、13日になると再び寒気がぐっと入ってくるでしょう。ただこの寒気は一時的で、15日ころには再び暖かい空気が優勢となり、16日は3月並みの暖かさになるところが多くなりそうです。
しかし17日になると、再び寒気が入ってくるとみられています。しかもこの寒気は長く居座り寒波となって寒さが続きそうです。
東京は16日までは最高気温が14~15℃と高めで朝の冷え込みも緩いでしょう。ところが17日以降は再び気温が下がり、最高気温が一桁台という日や、朝は氷点下の冷え込みがまた戻ってくるとみられます。
上村キャスター:
少しずつ衣替えを始めているのですが、花粉もそろそろやってきそうですね。
小野 気象予報士:
花粉の本格的なシーズンに徐々に近づいていきますが、まだ冬物のダウンコートなどは片づけないでください。17日の週は再び寒くなりますが、2月末になると気温は上昇傾向となりそうです。
桜の開花には3月の気温が大事になってくるのですが、3月は今のところ全国的に気温は高めと予想されています。東京も冬は冷え込んだので桜の開花は例年よりも早まりそうです。
================
<プロフィール>
小野裕子さん
気象予報士 防災士
前職はアナウンサー
萩谷麻衣子 弁護士
結婚・遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】
・【検証】「布団の上に毛布」が暖かい説 毛布は布団の「上」か「下」か 毛布の正しい使い方【Nスタ解説】