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みのもんたさんの自宅も被害に…「おくやみ欄」悪用し葬儀の留守狙う“おくやみ泥棒”が横行 遺族を狙った“おくやみ詐欺”も【Nスタ解説】

国内
2025-03-04 21:12

通夜や告別式などの葬儀で誰もいない家を狙って空き巣などに入る“おくやみ泥棒”。3月1日に80歳で逝去されたみのもんたさんの自宅にも、亡くなった翌日に何者かが侵入していたことが分かりました。


【写真で見る】通夜で留守の住宅に…忍び込んだ男の防犯カメラ映像


「おくやみ欄」とは? 番地まで住所が書かれることも

齋藤慎太郎キャスター:
おくやみ泥棒が横行しています。


2024年9月、3人組の窃盗グループが逮捕されました。茨城など北関東を中心に、約7年間で88件の窃盗の疑いがあり、被害額は合わせて1億1600万円相当だったということです。新聞社が掲載している「おくやみ欄」を悪用し、留守宅を割り出して侵入していたといいます。


そもそも、おくやみ欄とは一体どういったものなのでしょうか。


ある地方紙では、毎日1面におくやみ欄を掲載しています。故人の名前・年齢、死亡日、役職、自宅住所、喪主、それから葬儀の日時・場所などが掲載されており、住所は番地まで書かれている場合もあるようです。


では、なぜこのような欄の掲載が始まったのでしょうか。


地方紙の担当者によると、連絡が取れなくなってしまった友人・知人などに、訃報を幅広く伝えられるからだそうです。葬儀社などを通じて掲載依頼をされ、原則無料だといいます。


井上貴博キャスター:
確かにそういうメリットはあるのでしょうが、学校の名簿すらなくなり、個人情報にこれだけうるさい時代に…と思ってしまいます。


元競泳日本代表 松田丈志さん:
あくまで依頼をもらったうえで載せているというところはあると思います。僕の地元では、子どものころから親が毎日のようにおくやみ欄を見ていました。

今となっては僕が東京にいるので、たとえば昔お世話になった人が亡くなったことを親がおくやみ欄で知り、僕に連絡してくることもあります。今でもニーズというか、実際に使っている方は多いのでしょう。


ホラン千秋キャスター:
ご高齢だと、日頃からスマートフォンなどを使って連絡を取り合っているかというと、そうでもない方も多いと思います。

おくやみ欄は、コミュニティの中でどういった状況になっているのかを知るための重要な欄だとは思いますが、これが悪用されることが信じられない感じはあります。


井上キャスター:
実際、おくやみ欄で初めて知り連絡を取って、式に参列することは普通にあるのでしょうか?


元競泳日本代表 松田丈志さん:
僕は式に行けなかったらお花を贈るなどしていますが、地元の人たちにとってはおくやみ欄から友人・知人に広まり、告別式やお通夜に行くというのはよくあるパターンです。


空き巣を防ぐ“おくやみ泥棒”対策 3つのポイント

齋藤キャスター:
おくやみ欄を窃盗グループが悪用しているということで、元埼玉県警刑事の佐々木成三さんは「自宅に不在、葬儀代など現金を管理しているという情報が不特定多数に伝わってしまう」と話します。

また、窃盗グループは仮におくやみ欄に住所の詳細がなくてもほかの名簿などで住所を特定できてしまうそうです。

特に注意が必要なのが、「告別式の間」です。通夜で受け取った香典などが狙われる可能性があるということです。


では、おくやみ泥棒にはどのような対策が有効なのでしょうか。佐々木さんにききました。


(1)留守が分からないようにする
電気をつけっぱなしにする など
(2)窃盗に入りにくい家にする
防犯カメラ、補助錠、光センサーを設置する など
(3)留守番を信頼できる人に頼むこと


いずれにしても、家に誰かがいる状態を作っておくか、いるように見せておくことが大事になってくるようです。あくまでおくやみ欄は、載せる情報は自分で選択できるので、そういったところにも工夫が必要かもしれません。


井上キャスター:
家が留守になって狙われることに加え、お葬式中は誰が入ってくるか分からないですし、顔と名前が一致していない方が香典などを狙い紛れ込んでくる可能性もあるみたいですね。


元競泳日本代表 松田丈志さん:
故人の方とどういうつながりがあるか、確かに家族でも分からない部分があり、そこは注意が必要だと思います。

通夜のときは一晩中、家族は葬儀場にいて線香をたくなどしていますので、そこを狙ってくるのは本当に悪質ですね。


「未払いの利用料がある」 遺族を狙った“おくやみ詐欺”も

齋藤キャスター:
ここまでおくやみ泥棒をご紹介してきましたが、実はほかに“おくやみ詐欺”というものもあるようです。


2019年の北海道の例を挙げると、遺族に送られた手紙に「亡くなったご主人にレンタル倉庫を貸している」と書かれており、14年分の利用料16万8000円の請求がありました。

また、「預かっている荷物に違法なわいせつDVDがある。支払わなければ通報する」という脅しもあったようです。

最終的に50代の男が犯人として逮捕されましたが、「おくやみ欄を見てほかにも100通ほど送った」と供述していたそうです。


ゴミ屋敷清掃士認定協会代表理事の新家喜夫さんによると、これ以外にも▼「故人から商品の注文を受けた」と着払いで商品を送りつける詐欺や、▼「故人にお金を貸していた。返してくれ」という架空請求があるそうです。

さらには▼「香典返しを安く用意します」と業者を装われ、代金を振り込むも、商品は送られなかったという例もあるようです。

元埼玉県警刑事の佐々木さんは「まずは詐欺を疑って、借用書など証拠資料の提示を求めるか、警察に相談するのがベスト」だと話します。


井上キャスター:
卑劣極まりない犯行ですが、震災が発生したあとに強盗に入られたり、窃盗が起きたりというのもなくなりません。捜査や犯人逮捕を期待するとともに、できることは一つ一つやり、身を守ることが私たちに出来ることなのでしょう。


元競泳日本代表 松田丈志さん:
やはりお通夜や告別式のときはかなりバタバタするので、そういうときでも落ち着いて対応することですね。

あとは、いわゆる“終活”をされている方もいると思いますが、親とコミュニケーションをしっかり取って、どういう状況なのか、どういうものを持っているのかなどを事前に話しておくといいのではないでしょうか。


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<プロフィール>
松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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