17日、各紙の1面を飾った、内閣支持率急落のニュース。商品券問題で窮地に立たされる石破総理ですが、永田町で「石破おろし」の動きは広がるのでしょうか。
石破総理「感覚ズレてしまった」
総理官邸のエントランスに置かれている大阪・関西万博の公式キャラクター・ミャクミャク。人が通るとしゃべる仕様です。
ミャクミャク
「ミャクミャクだよ~。大阪・関西万博に来てね」
このときは笑顔を見せていた石破総理。しかしこのあと、国会で集中砲火を浴びることになります。
立憲民主党 横沢高徳 参院議員
「大船渡市の大規模林野火災中に総理は首相公邸での食事会、そして150万円の商品券を配った。国民感覚ともズレている」
石破茂 総理大臣
「40年近くこの場所にいると、自分自身不徳のいたすところで感覚がズレてしまったということは事実」
日本維新の会 高木かおり 参院議員
「石破総理は国民感覚に近い総理だと国民の皆様思っていた。けれども乖離があった」
石破茂 総理大臣
「ご指摘はその通りであります」
石破総理が新人の衆院議員にあわせて150万円分の商品券を配った問題。配られたのは、今月3日、総理公邸で行われた会食に参加した15人の新人議員です。会食時に手渡したわけではなく、事前にそれぞれの事務所に10万円分ずつ届けたといいます。
商品券を配ったことについて、「法的には問題ない」と強調する石破総理ですが、野党からは…
立憲民主党 野田佳彦 代表
「政治資金規正法の21条に抵触している可能性が十分あると思っている。ご飯食べながら何喋るんですか?アイドルの話ですか?鉄道の話ですか?そんなわけないでしょう。政治に決まってるじゃないですか。政治活動でしょ。モロ政治活動ですよこれ」
もし会食で政治の話をしていれば、商品券を渡したことは、政治資金規正法が禁じている「政治活動への寄付」にあたるのではないか、と野田氏は指摘します。
会食を終えたあと、参加した新人議員はカメラの前でこう話していました。
自民党 大空幸星 衆院議員(3日)
「和気藹々とした会でしたけど、若い世代とか働いている現役世代に向けた政策をしっかりと打ち出していくことが必要。そういったことも率直に聞いていただくと、そして受け止めていただいた」
17日の参院予算委では…
共産党 小池晃 書記局長
「政策や選挙について話し合った。紛れもない政治活動じゃないですか」
石破茂 総理大臣
「特に個別の政策について、お話をしたわけではございません」
共産党 小池晃 書記局長
「政治家の活動はほぼ政治活動なんですよ。明らかに政治資金規正法違反、アウト」
石破茂 総理大臣
「『こういう政策を我が党として推進せねばならん』『誰々を当選させねばならん』とか、そんな話は一切いたしておりません。政治活動として行ったものではない」
商品券問題 口が重い新人議員たち
政治活動ではないと強調する石破総理。参加した新人議員にも話を聞こうとしましたが…
Q.政策や選挙の話はあったのか?
自民党 島田智明 衆院議員
「ないですよ本当に…全然そういう話は」
Q.『あった』という新人議員の話もあるが?
島田 衆院議員
「一対全員で喋っているわけではないですから」
Q.(商品券は)いつ返却したか?
島田 衆院議員
「SNSを見ていただければ…」
Q.なぜこの場でお話しいただけないのか?
島田 衆院議員
「なんで私だけ…?」
Q.口止めのようなことされてるんですか?
島田 衆院議員
「一本化しますので、SNSで」
Q.石破さんからはどんな発言あったか?お答えいただけないのはなぜですか?
自民党 広瀬健 衆院議員
「・・・」
問題発覚以降、会食に参加した議員の口が重い理由について、関係者は…
新人議員の関係者
「(議員が)『話すなと言われている』『各方面から口止めされている』って。誰からとは言わないからそこは分からない」
自民党関係者
「俺が1回生の秘書だったら『もうこんな政権を相手にしててもしょうがないから、気にせず私は良くないと思ったので返しましたと言え』って言うね」
「こんなことで…」石破総理 強気のワケ
藤森祥平 キャスター:
この週末に行われた各社の世論調査、石破内閣の支持率が軒並み下落しています。
【各紙の世論調査】
・石破内閣の支持率
毎日新聞 23%(‐7ポイント)
朝日新聞 26%(‐14ポイント)
読売新聞 31%(-8ポイント)
・商品券配布「問題だ」
毎日新聞 78%
朝日新聞 75%
読売新聞 75%
日々の暮らしの負担感が重くのしかかっている今、怒りの声が聞こえてくるような数字でもあります。こうした中で石破総理はどう捉えているかというと『こんなことでやめるわけにはいかない』と強気なんですね。星さん、なぜですか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
石破さんは周辺にそう話しているようなんですけれども、今回の出来事は、自民党と世間の感覚のずれを非常に端的に示すことだったと思います。
日本では総理大臣を辞めさせるのはそう簡単じゃないんです。石破さんは自ら辞める気はない、一方で、内閣で一番大事な仕事は予算を成立させることですけど、高齢者の医療費の負担見直しの中身を盛り込んだ予算は、遅くとも4月2日までには成立しますので、ほっといても暫定予算を組む必要はない。ですので、予算を人質に取って引きずり降ろすことはできないんですね。
小川彩花 キャスター:
野党は国会で徹底追及の構えではありますけれども、星さん、本音としてはどこにあるんでしょうか。
星浩 コメンテーター:
野党からすると、予算の後に年金とか、政治資金の問題とか、選択的夫婦別姓の問題とかに加えて、この商品券問題が出たので、低空飛行の石破さんが続いてそのまま参議院選挙に突入してくれるのが一番いいということなんですね。
ところがもう一つ、石破さんを引きずり下ろす手がありまして、それは「内閣不信任案」です。衆議院では野党が多数ですので、野党が一致して、また仮にも自民党の中で造反が出たりして可決されたら、憲法上、石破さんは内閣総辞職か解散総選挙を選ぶことになるんですね。
その場合ちょうど時期が参議院選挙と重なるので、6月か7月に衆参ダブル選挙で日本の政治上、もう完全な刷新、出直しにしましょうという可能性もちらほらと出てきたというのはこの商品券問題の展開だと見ていいと思いますね。
藤森祥平 キャスター:
改めて今回のやり取りでまたグレーな部分というか、政治と金の問題の根深さをこれほどまでに見せられて、大事な話し合いをそっちのけで、また政局かっていうところなんですよね。
小川彩花 キャスター:
もうこれ以上、政治を停滞させている余裕もないようにも感じますけれども
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<プロフィール>
星 浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年
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