
4月17日、日本肥満学会が会見を行いました。
20代の女性の5人に1人がBMI18.5未満の低体重「やせ」で、先進国の中でも高い割合だとしています。
日本肥満学会の小川渉常務理事は、
「肥満は健康障害のリスクだが、低体重もやはり健康障害のリスク」だとして、若い女性のやせ願望に警鐘を鳴らしました。
【写真を見る】「やせている=美」?過度な“やせ願望”に学会が警鐘 小6女児の約50%が「やせたい」という調査も【ひるおび】
BMI18.5未満が「低体重」
BMIは肥満度の判定に用いられる指標で、
体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)}で計算します。
18.5以上25未満が普通体重で、25以上になると肥満度が1度~4度で表されます。
最も病気にかかりにくいBMIの値は22と言われています。
18.5未満が「低体重」となりますが、特に若い女性の痩せすぎや栄養不足は骨密度の低下、月経周期の異常などの健康障害、不妊などの影響を及ぼす可能性があります。
日本肥満学会は、女性の低体重・低栄養を新たな症候群として位置づけるためのワーキンググループを立ち上げると発表。今後、診断の基準や治療法を確立するための研究などを進めていくということです。
医療ジャーナリスト 森まどか氏:
社会が「やせ」がいいという雰囲気を作り出していますが、例えば20代の5人に1人が低体重ということであれば、ダイエットの必要どころかもう少し増やさなければいけない人たちがダイエットしているという現状です。
それによって無月経になって排卵が乱れてしまったり、ダイエットが行き過ぎた場合に拒食症や摂食障害になるといった懸念もあります。
これは本当に真剣に取り組まなければいけない問題です。
恵俊彰:
確かに痩せている方が綺麗という感覚が、今トレンドなのかなという感じですけど、どうでしょうか?
コメンテーター 中川翔子:
もう今となっては、「若いときはムチムチぐらいが絶対かわいいよ」って思うんですけど、当時を思い出すとやっぱり憧れの人に近づきたくて食べないとかいろいろやってしまって進みすぎて、髪の毛がすごく抜けちゃったり、お肌がカサカサになったり胸も減っちゃったりといろいろ起きちゃったので怖くなったんです。定期的に気持ちの波ってありますよね。でも「絶対に健康で長生きでムチムチがかわいいですよ、皆さん」って言いたいです。
コメンテーター 平野ノラ:
私もやっぱり10代・20代のときは「やせたい」って日々思ってましたけど、でも確かにそこじゃない。痩せてる・痩せてないが美しいかどうかじゃないんで、自分のチャームポイントを武器に頑張ってほしいなと思いますね。
「やせたい」小学6年生女児 50%以上
内閣府の調査によると、「やせたい」と思う女児の割合(2023~2024年度)は
小学1年生・・・35.5%
小学6年生・・・50.5%
となっています。
医療ジャーナリスト 森まどか氏:
年々低年齢化しているダイエットが課題になっているんですけれど、そもそも日本の若い世代が持っているボディーイメージが少し歪んでいると考えられています。
他人が自分を見るよりも、自分が自分を見る方が太っていると感じてしまう方が多い。
例えばメディアで活躍しているアイドルや憧れのモデルさんがこの体型だったら自分はもっと痩せないといけないと小学生のうちから強迫観念にとらわれてしまう。
また若いご両親がそういったイメージをそのまま持っていると、「うちの子は太っているんじゃないか」「もう少し痩せた方がいいんじゃないか」と思うことにも結びついているのが現状ですね。
健康的にやせるには
女性の低体重/低栄養症候群ワーキンググループの田村好史副委員長は、
▼ちゃんと朝ご飯を食べるよう
▼ちょっと運動しよう“8000歩”歩こう
▼夜ちゃんと寝よう
過度な食事制限や運動に走らず、健康的なダイエットを心がけることが大切だとしています。
医療ジャーナリスト 森まどか氏:
朝食をしっかり食べることに関しては、20代女性の朝食の欠食率が3割を超えていて、食生活全体に対する関心が低くなっているというのもありますよね。
恵俊彰:
こういうのって“考え方”だから、美しく健康でいることが大事なんだと考えると、ちょっと変わってきませんかね。
医療ジャーナリスト 森まどか氏:
そうですね。何が一番かといったら、やはり10年後、20年後、もしくは50年後にしっかりと健康でいられることだと思うので、私達が意識を変えていく必要がありますね。
(ひるおび 2025年4月18日放送より)
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<プロフィール>
森まどか氏
日本医学ジャーナリスト協会正会員
医療問題など数多く取材し発信
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