毎日の買い物などで見かけるお値段から世の中の動きを読み解いていくコーナー「きょうのお値段」。きょうは「ストレス解消のため使っている」値段です。
【写真で見る】2つの問でわかる?自分の「考え方の癖」を明らかに
50%以上が五月病を経験 心の健康も重視するように変化
出水麻衣キャスター:
ストレス解消のために使っている月額の金額が平均で8230円(大和ネクスト銀行調べ)。少し高いと感じる人も多いかと思いますが、グルメや買い物の他にも、旅行、運動関連の習い事の費用なども入れての平均です。
厚生労働白書の「心身の健康に関する調査」で「健康にとって最大のリスク」を聞いたところ、「精神疾患を起こすようなストレス」と答えた人が、20年で約3倍に増加しています。
【精神疾患を引き起こすようなストレス】
2004年:5.0%
2014年:11.0%
2024年:15.6%
多くの人が、身体的な健康のリスクだけではなく、心の健康のリスクも最近は重視するようになっているということです。
まもなく5月ですが、社会人の50%以上が五月病を経験したというデータがあります(ヘルスケアテクノロジーズ調べ)。そして、この中の約3割が休職や離職したということです。この時期は、ストレスとの付き合い方が非常に重要になっています。
「ストレスをさらに悪くしている?」考え方の癖を知る2つの問い
出水キャスター:
スポーツ心理学者の田中ウルヴェ京さんは、「自分の感情や考え方に気づくと、ストレスに直面した時に頭の整理に役立ち、解決行動につながる」と提言しています。
田中ウルヴェ京さん:
考え方の癖を知ると、無駄なストレスがなくなります。
出水キャスター:
そこで、田中ウルヴェ京さん監修のもと、2つの設問で、「考えの癖」を明らかにしたいと思います。無駄なストレスを省くために、ぜひ皆さんも一緒に考えてみてください。
【問1】
「誘われなかった飲み会を後から知った」時、下記の3つのどれに近い考えをしますか?
(1)「グループ全員に声をかけるべきでしょ」
(2)「私を呼んでも楽しくないから?」
(3)「私を仲間はずれにしている」
ここから何がわかるのか。田中ウルヴェ京さんが説明します。
田中ウルヴェ京さん:
飲み会を後から知ったときに、「全員に声をかけるべきでしょ」「なんで私に声をかけなかったの」といった、“こうあるべき思考”で少しイラッとするのが「(1)べき思考」。
「どうせ私を呼んでも楽しくないからなのね」と、自責がありすぎるのが「(2)どうせ思考」。
勝手に決め付ける「こうに違いない」「きっと私は仲間外れにしているのね」みたいな「(3)読心思考(過度なきめつけ)」があります。
どれも考え方の癖で「目の前のストレスをさらに悪くしていませんか?」という自分の考え方の癖を少し知っておきたいというものです。
井上貴博キャスター:
それぞれによって、解消法が変わるということですか。
田中ウルヴェ京さん:
解消法も変わります。なお、回答は(1)(2)(3)の全部という人ももちろんいます。
例えば、飲み会を後から知ったときに、「なんで私を誘ってくれなかったの?」と、素直に聞いてしまう人もいるでしょう。そうすると、そんなにストレスにならないかもしれない。あるいは、「もしかしたら私が忙しいから気遣って声をかけなかったのかも」という人もいます。これが考え方の癖です。
ウルヴェさん「まずは“自分で気づく”ことが大事」自分の心の声は?
【問2】
「久しぶりに鏡を見たら老けた気がした」時、下記の2つのどれに近い考えをしますか?
(1)「いつもちゃんとしていたのに!」
(2)「どんどん老けていくのか…」
井上キャスター:
私は正直な気持ちとしては「そういうものでしょ」と思いますね。諦めているのかもしれない。「そういうものだよな、年を重ねているし」と思います。
田中ウルヴェ京さん:
それが一番健全な考え方ですよね。
問2から、(1)は「完璧思考」、(2)は「青い鳥思考」という考え方の癖がわかります。
未来のことなんて分からないのに、どんどんネガティブに考えていってしまうのが「青い鳥思考」にはあります。まずは“自分で気づき”、実は、本当のストレスは自分の考え方の癖にあるのではないか、と考えることが大事です。
出水キャスター:
休みの間に、少し自分と向き合ってみる時間を持っていただくといいかもしれないですね。
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<プロフィール>
田中ウルヴェ 京 さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶応義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰
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