
眠りが浅い・手足の痛みなど、心身ともに症状が現れる『更年期』。
コメンテーターの渡辺満里奈さんも不調に悩まされた経験が…。
どのようにして乗り越えてきたのでしょうか?
さらに、生活習慣や薬など、更年期との“上手な付き合い方”を産婦人科専門医の高尾美穂氏に聞きます。
【写真を見る】疲れやすい・イライラ・憂うつ…生活習慣や薬で緩和できる?「更年期」との上手な付き合い方【ひるおび】
“症状のデパート”更年期
日本人女性の閉経の平均年齢は50歳。その前後5年ずつの10年間、すなわち45歳〜55歳が「更年期」と呼ばれています。
更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)が急激な増減を繰り返しながら減っていくため、心身に様々な不調が現れます。
産婦人科専門医 高尾美穂氏:
女性は更年期にホルモン分泌の一番大きなアップダウンを繰り返して、がくっと落ちていく。その先はほぼフラット。この揺らぎの時期が女性にとってしんどいよ、という意味の「更年期」なんですよね。
男性においても同じようにホルモンの値は落ちていきますが、こんなにドラスティックな変化はしないので、そこは女性特有のしんどい時期であるのも確かですよね。
更年期の症状は200種類以上あります。
“症状のデパート”とも言われていて、100人いれば100通りの症状があるといいます。
≪代表的な症状≫
▼疲れやすい
▼怒りやすくイライラする
▼くよくよし憂鬱になる
▼頭痛・めまい・吐き気
▼息切れ 動悸がする
▼肩こり 腰痛 手足の痛み
▼寝つきが悪い 眠りが浅い
▼腰や手足が冷えやすい
▼顔がほてる
▼口などの粘膜が渇く
渡辺満里奈さんも経験
「ひるおび」コメンテーターの渡辺満里奈さんも、50代になってから体に異変を感じていると言います。
・レントゲンを撮っても悪いところはないのに右太ももにずっと痛みを感じる。朝起きると足首が痛くて歩くのが大変なときも
・身体が火照るような感覚があり、気が付くと気がつく家で1人だけ半袖だった
・口の中に違和感を感じ、ラジオで話すときに口の渇きを感じたり、口臭を気にするようになった
コメンテーター 渡辺満里奈:
本当に足首が痛くて、朝起きると歩けないみたいなときがあるんですよ。動いてると大丈夫になってくるんですけど、アイドリングの時間がものすごく長くなってくるみたいな。
3か月くらいその痛みがあって、あるときになくなったりとかするんですけど、そういったマイナートラブルが結構ありました。
恵俊彰:
人によっていろいろな症状があるんですね。
産婦人科専門医 高尾美穂氏:
よく聞くのは汗、ほてり、動悸などの原因がよく分からないような不調と、一般的な加齢性の変化と思えるような肩や腰の痛み。
そしてもう一つがメンタルですよね。怒りっぽくなりイライラが強い一方で、気力がなくなる。
このような様々な不調を同時に経験することの方が多くて、それこそキャリアを諦める方などもいらっしゃる年代でもありますね。
更年期の母vs思春期の娘
渡辺満里奈さんが大変だったと話すのは、思春期の娘さんとの関係。
コロナ禍でオンライン授業になり家で一緒に過ごすことの多い小学6年生の娘と、毎日のように言い合いが繰り広げられたと言います。
エネルギーが爆発する娘と体力低下中の母のバトルで心身ともにヘトヘトに・・・
渡辺満里奈:
すごく感情的になってワーッと喧嘩して、でも「私の育て方が悪かったのかも」と毎日泣いて。結構アップダウンを繰り返すんですよね。自分の調子が良ければ耐えられる、どっしりと構えていられるのがそうじゃなかった時期があって、それは結構きつかったですね。
産婦人科専門医 高尾美穂氏:
まさに揺らぎですよね。しかもいろいろなことで少しずつ自信を失っていく。
体の変化とか痛みとか、そして周りがそれをある程度理解してくれているかというとそうでもない。心配りみたいなものがほとんどない中で、どうしていったらいいんだろうと悩む女性は少なくないです。
“思い通りにしたい!を手放す” 満里奈流付き合い方
満里奈さんは▼運動をする▼歌う・音楽を聞く▼話をするなどで工夫しながら更年期と付き合っています。
また、思い通りにならないことを「思い通りにしたい!」という気持ちを手放す努力をしているそうです。
渡辺満里奈:
イライラするのって、どうしても何かコントロールしたいみたいなところがあるから人にあたってしまったりするけども、そういうのをちょっと手放すとすごく楽になったんですよね。人を変えるよりは自分が変わった方が気が楽になるというところで。
あと、友達と「こんなことがあってさ」みたいな話をするのが私にとってはすごくよかったです。
最近は「何やら厄介で怖いもの」と思っていた更年期を「誰もが通るただの通過点」と思えるようになったといいます。
更年期との上手な付き合い方
高尾医師によると、「生活習慣の改善に勝るものはない」といいます。
睡眠は7時間強が理想で、有酸素運動などの運動習慣をつけることが大切です。
また、更年期の症状についても医学的な対処法が確立されています。
「ホットフラッシュ」「手足のむくみ」「疲労感」はエストロゲンの分泌量が減少していることが原因で、自律神経がうまく働けない状態によって起こります。
ホルモン補充療法によってエストロゲンの分泌量の減少を緩やかにし、症状を緩和することができるのです。
産婦人科専門医 高尾美穂氏:
まずホルモンが減ることによって不調が起こるというのは間違いがないことです。
でも、みんな減っていくのに、調子が良くない人もいれば、そうでもない人もいるんですよ。となるとやっぱりご自身のこれまでの生活習慣や考え方が影響を及ぼしていることは間違いない。
そこを何とかしてみようと思っても、なかなかつらい場合にはホルモンを足してみようというすごくシンプルな考え方ですね。
足りていないから調子が悪いのであれば、足すことによってある程度カバーできる不調はいくつもあるということが言えると思います。
恵俊彰:
ホルモンって何か飲むんですか?
産婦人科専門医 高尾美穂氏:
今は皮膚から吸収させる方法が一番おすすめです。ジェルやシールですね。
飲み薬のイメージが強いとは思うんですけれども、体に対する影響を考えたときに、皮膚からの吸収が一番、様々なリスクが低いということもわかっています。
恵俊彰:
相談するのも良いんですか?
産婦人科専門医 高尾美穂氏:
そうですね。カウンセリングと言って、誰かに話を聞いてもらう、そして悩みを整理整頓する。改善できる部分と、ここしょうがないよねっていう部分をちゃんと分けるということは、実は不調を大きく改善できるという報告があるぐらいなんですよね。
だから周りの方にお話をするという真里奈さんは本当に大正解です。
江藤愛アナウンサー:
私も母親が更年期だというのを聞いたことがなかったし、その状態にも気づいてあげられなかったと思うので、やっぱり「話してあげる」というのは自分の中に入れておきたいなと思いました。
(ひるおび 2025年5月19日放送より)
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<プロフィール>
高尾美穂氏
産婦人科専門医 婦人科スポーツドクター
女性のための総合ヘルスクリニック イーク表参道副院長
渡辺満里奈さん
ピラティス・台湾などブームの先駆けとなる書籍や
手芸・子育てに関するエッセイも執筆 二児の母
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