参議院選挙が7月3日に公示されるのを前に、連日、与野党の党首討論がおこなわれています。こうした中、石破総理の消費税減税をめぐる発言が波紋を広げています。
【写真で見る】給付と消費減税のスピードをめぐる議論、街の声は?
与野党8党党首が討論 一番訴えたいことは?
与野党8党の党首が一堂に会して行われた党首討論。
3日、参院選の公示を控える中、各党が今回の選挙戦で一番訴えたいことを主張しました。
自民党 石破茂 総裁
「強い経済・豊かな暮らし・揺るぎない安心な日本というものを責任を持って作りたいと思っています」
立憲民主党 野田佳彦 代表
「物価高からあなたを守り抜く。特に、食料品の消費税を現在8%ですが、時限的に0%にする」
▼公明党は「物価高を乗り越える経済と社会保障の構築」、野党の▼日本維新の会は「社会保険料を下げる改革」、▼国民民主党は「現役世代から豊かに。そして全世代へ」と掲げ、▼共産党は「自公少数で消費税減税」、▼れいわ新選組は「物価高だけに矮小化するな」と強調し、▼参政党は「日本人ファースト」を主張しました。
また、▼社民党は「食料品の消費税ゼロ」、▼日本保守党は「行き過ぎた移民問題の是正と抑制」を掲げました。
そして、選挙戦の最大の争点となるのが“物価高対策”です。与党は「給付」を主張し、野党は「消費税の減税や廃止」を訴えていますが、消費税減税をめぐる石破総理の発言が波紋を広げています。
「消費減税は時間がかかる」総理の発言が波紋
自民党 石破茂 総裁
「(給付で)スピーディーに配る。消費税減税って時間かかりますからね。1年ぐらいかかるんですから」
この発言に野党は…
国民民主党 玉木雄一郎 代表
「減税すると時間がかかるとおっしゃったんですが、今考えている2万円の現金給付っていつ配れるんですか。早くても年末じゃないですか」
給付と消費減税のスピードをめぐる議論。街の人はどのように見ているのでしょうか?
「米の問題にしても、大臣が代わったらもうスピード感が出たじゃないですか。(消費減税を)やる気がないだけでしょ」
「給付金だってすぐには出ないわけだから、結構それも後々のことだから、(スピード感は)減税だって同じじゃないですか」
「税金ってちょっと取られすぎかなって思っている部分があるので、世の中が減税の方向に動いてくれた方が嬉しいなと思って、減税派です」
“消費税の減税には時間がかかる”という石破総理の説明に、懐疑的な見方をする有権者がいる一方…
「減税をしたところでね、結局それで財政が悪化して(財政が)回らなくなってしまうなら、逆にやらない方が良いとも思います」
「若い子達に役に立つようなことをしてもらいたい。配れるお金があるなら、今後の(年金などの)制度に使った方が良いと思います」
「目先では消費税(減税)だろうけど、所得税とか全部あるから、1つだけじゃなくて全体を見直すことを考えて欲しいですよね」
「給付」か「消費減税」かの二者択一ではなく、先を見据えた経済対策を望む声も多く聞かれました。
今回、“事実上の政権選択選挙”とも呼ばれる参議院選挙。7月3日公示・20日投開票です。
日本では難しい?イギリスでは7日後に減税しているが…
井上貴博キャスター:
日本で言えば「消費税」、海外でいうと「付加価値税」というものがあります。
各国では、何日後に導入することができたのか。
【各国 付加価値税減税 何日後に?】(物やサービスに化される間接税)
イギリス:「7日後」20%→5%に引き下げました(レストランなどの飲食、宿泊など)。2020年7月8日公表、7月15日実施
ドイツ:「28日後」19%→16%、7%→5%(軽減税率)と引き下げました。2020年6月3日公表、7月1日実施
アイルランド:「23日後」21.5%→21%に引き下げました。2009年12月9日公表、2010年1月1日実施
マレーシア:「16日後」6%→0%になりました。2018年5月16日公表、6月1日実施
※これまでの国会審議で政府側が答弁したというのを表にしたもの
海外のケースでは、こんなに早く実施しています。
諸外国は、今までに20回ぐらい上げたり下げたりを繰り返しているので早くできる。日本とは違う。ということのようです。
TBSスペシャルコメンテーター・星浩氏によりますと、「参院選で減税派が大勝した場合、秋の臨時国会で法改正すれば、最速で1月からの実施ができるのでは」とのことです。
POSシステム改修については、大手システムメーカーA社では「過去の税率変更の際、1年かかった」とのこと。また、大手システムメーカーB社では、「全店舗の反映に最大半年程度かかる」と話しています。
より(時間が)多くかかるメーカーに合わせようとしますので、それくらい(約1年)はかかるということでした。
出水麻衣キャスター:
海外の場合ですと、数々の増税、減税を繰り返しているので、民間側もシステムが整っているということもあるのでしょう。
井上キャスター:
日本にはいろいろな障壁がありそうです。つまり、それだけ税率を引き下げることが今までなかったわけです。
POSシステムに詳しいITジャーナリスト・久原健司氏によりますと、「日本は税率変更を前提としたシステム環境が整っていない。また、各企業が独自のシステムのため、一斉に切り替えるのが難しく、時間がかかるのでは」とのことです。
では、給付金の方が早いのか。でも、年内だとあまり変わらないのではないか。そういう声も上がってくるわけです。
・エアコン「1℃下げる」OR「風量を強にする」どっちが節電?「除湿」はいつ使う?賢いエアコンの使い方【ひるおび】
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】