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史上初“3連休の中日に参院選”「投票行かない」若い世代も…シルバー民主主義で何が起きる?【Nスタ解説】

国内
2025-07-03 22:21

参議院選挙が公示され、夏の選挙戦がスタート。ただ選挙がある7月20日は史上初となる3連休の中日。懸念されるのが“投票率の低下”です。


【画像で見る】「質問に答えるだけ」学生がつくる“政党とのマッチングサイト”


特に若者の投票率は、前回を見ても3割程度と、どの世代よりも低いのが現状。各党はどのように若者に投票してもらうのでしょうか?


政治もテレビも…日本は「シルバー民主主義」?

井上貴博キャスター:
「若者が投票に行かない」などと我々メディアでも多く取り上げますが、データで見ていきましょう。


【2022年 参院選】
投票率 約52%(総務省より)
▼年代別
10歳代:35.42%(約79万人)※人数比では60歳代の約8%
20歳代: 33.99%(約400万人)※人数比では60歳代の約40%
60歳代: 65.69%(約973万人)


井上キャスター:
少子高齢化で若者の分母が少ないというのもありますが、若者と60歳代以上では投票に行く人の数にやはり相当な開きがあります。

そうなると政治家の皆さんは「より多く人数がいるところに響く政策を打とうじゃないか」と。それが「シルバー民主主義」と言われているものです。


つまり投票に行く人が多い高齢者に有利な政策を優先し、投票に行く人が少ない若い世代の意見が先送りされてしまう。特にこれが顕著に出るのが日本だということが言われています。


出水麻衣キャスター:
選挙で当選するとなると、やはり高齢者の方々の票を狙いにいくのは当然の戦略になってしまうのでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
ただ高齢者の方は大体もう投票先が決まってる方が多いんです。一方で若い人、まだ未開拓のとこありますから。最近は各党ネット戦略なんかもやっているので、一概に高齢者だけに頼ってるっていうわけではなくて、若い人をどうやって惹きつけるかというのは、最近の選挙では各党の関心事ですよね。


出水キャスター:
一方で、例えば若い層の方が流動性があるなど、そういったことはあるんですか。


TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
若い人は最近のネットによって関心が非常に集中的なところに動いていきますので。ただ時々フェイクニュースなんかに騙されたりする傾向もあるので。その辺はメディアの対応も試される選挙になるというのはそういう意味だと思いますね。


井上キャスター:
メディアが試されるというのは本当に日々感じていますし、政治はシルバーだと言いますが、テレビも結構一緒じゃないかと。若い皆さんもテレビを持っていませんので、多分この声は若い世代に届かない。

だから、もしご高齢の方に良いように番組作りをしていたのだとすると、それも変えなければいけないなというのは感じています。


「長くて深い」が“カギ” 動画メディアの活用で投票行動は変わるか

井上キャスター:
若者の投票率を上げるためにはどうすればいいのか。20歳代が投票時に参考にするメディアについて聞いたアンケート調査があります。


【20歳代 投票時に参考にするメディア】
▼選挙公報:7%
▼新聞:5%
▼テレビ:19%
▼インターネット:53%
(JX通信社×選挙ドットコム 第50回衆院選最終日~投開票日 世論調査より)


山形純菜キャスター:
周りの友人の話を聞いていても、ニュースでさえネットで見るという人が多いので、そういう傾向にあると思います。


井上キャスター:
勉強になるなと思ったのが、ネット・SNSでひとくくりにしていて、確かにそれが大きな影響力を持ってるんだけれども、SNSでもいろいろあります。

例えばXもこの10年来、選挙関連のワードがわいて、それで選挙結果が変わったかというと実はそんなに変わっていない。

大きく潮目が変わったのは動画メディアで、動画メディアは本当に結果が変わってきたということで、各政党の戦略も変わってきています。


2024年10月の衆議院議員選挙の期間中、「政治系の動画」の再生回数が約2億7500万回にもなってきている。そして普通のSNSの動画は短ければ短いほど拡散力があると言われますが、正反対で長くて深いものこそ拡散力がある

裏を返すと「テレビの映像は短いから見ないよ」という方が増えてきている。そういった背景も見えてきました。


SNS戦略が投票行動に影響を与えるのか、立命館大学の谷原つかさ准教授に聞きました。


政治に少しでも興味がある人に関しては、SNSの動画を見て投票に繋がっている可能性があるということです。例えば政党の公式YouTubeはテレビなどに比べて長時間・濃い内容を発信します。

政治に全く興味がない方でも、自分が抱える課題(賃金・物価高など)と関連する動画が流れてくれば、投票行動に影響した可能性もあるということです。

ここは因果関係ががっちりと言われていないので、可能性というところで留めてくださいというふうにおっしゃっていました。


「質問に答えるだけ」学生が作る“政党とのマッチングサイト”

井上キャスター:
「選挙に興味がない」「よく分からない」という人でも、選挙に興味が出そうなサイトがあります。


例えば「JAPAN CHOICE」。京大・同志社大・立命館大の学生15人で発足しました。投票に行かない同世代のハードルを下げるサイトです。質問に答えるだけで自分の意見に最も近い政党をマッチングします。
前回の衆議院議員選挙では利用者が約96万人いたそうです。


TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
最近周りでもそういうサイトを使って自分はどの党に近いのか確認する人がいます。今回のマッチングサイトのみそは、各党の政策や理念を並べているのですが、「あなたの党はこういうスタンスでいいですか」と各党に確認して裏を取っているんですね。かなり信頼性が高まっているというのはあると思いますね。


井上キャスター:
「JAPAN CHOICE」のトップページを見てみると、「一覧」「初心者向け」「2回目以降向け」「エキスパート」と分けられています。

例えば初心者のページはこうなっています。


【物価対策・消費税】
「現在、モノの値段が高くなっているから、食べ物にかかる消費税を下げるべきですか?」

▼非常にそう思う
▼ややそう思う
▼どちらとも言えない
▼あまりそう思わない
▼まったくそう思わない
▼わからない・無回答


こういう質問が15問続きます。


山形キャスター:
1個1個の政党の政策を見るのはすごく大変なので、これでできるならいいなと思います。


高柳光希キャスター:
私は15問ではなくもう1つのじっくり考えられる68問の方をやりました。そちらもしっかり説明も書かれていてわかりやすいですし、結構直感的に選べるところも多いので良かったなと思います。


TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
これはネットのメリットをうまく利用したということですよね。ただ元々の政治への関心を高めるためには、与野党伯仲で接戦の面白い選挙になるということと、争点が非常にクリアであるということ。今回は争点が「給付か減税か」ということでクリアなので、そういう点では投票率の上昇の期待は持てる選挙だと思いますね。


<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年


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