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【選挙の日、そのまえに】JNN情勢分析で“躍進可能性” 国民・参政ラストサンデーを小川キャスター取材【news23】

国内
2025-07-15 16:54

今月20日に投開票される参議院選挙。JNNがこの土日に行った中盤の情勢では、自民党と公明党はいずれも議席を減らし、非改選を合わせて過半数となる50議席を割り込む可能性が判明。


【写真で見る】各党の演説をAI分析


一方、野党では、立憲民主党が堅調に議席を増やす見込みで、国民民主党は目標とする“16議席獲得”に迫る勢いがあります。また、参政党が10を超える議席を獲得する可能性が出てきています。


選挙前、最後の日曜日「ラストサンデー」で各党は何を訴えたのか、発言をAIで分析。小川キャスターが取材。有権者取材から見えてきた「傾向」は?選挙戦の現場を取材しました。


“ラストサンデー”各党の訴えは

国民民主党 玉木雄一郎代表
「皆さんが払った税金、取り戻しませんか」

小川彩佳キャスター
「国民民主党の玉木さんの演説が行われている秋葉原という場所もあってか30代、40代、50代、働き盛りの世代、現役世代が多いという感覚があります」

選挙戦、最後の日曜日、各党の党首たちは何を訴えたのでしょうか。

石破総理が訪れたのはコメの産地、熊本県・菊池市。

石破総理が演説で何を訴えたのかAIでキーワードを抽出し分析したものには、「選挙」「熊本」の他に、「食料自給率」や「厳しい」というキーワードが並んでいます。


自民党 石破茂総裁
「今回の参議院選挙、多くの選挙をやってきましたが、中でも極めて厳しい選挙であります。どうなるか分からない。今回のコメの高騰、もう一度農業の大切さを国民みんなが自覚する。そういうような政策の転換点にしていきたい。私たちはそのように思っています。食料自給率を上げる」

自民党と連立を組む公明党が、物価高対策に関連して強調したのは「科学技術」。


公明党 斉藤鉄夫代表
「物価高を乗り越える物価高以上の賃金上昇、これが根本的な解決策です。物価高以上の賃金上昇を得るには、日本が世界にない技術を持つ科学技術を伸ばしていく以外にありません。今回の公約で、この科学技術予算を倍増する」

JNNの情勢調査によると自民・公明がいずれも議席を減らす可能性がある一方、野党第一党の立憲民主党は24~32まで議席を増やす可能性があります。


▼獲得議席の予測(中盤情勢)
自民党 28~44
公明党 5~11
立憲民主党 24~32
日本維新の会 5~8
共産党 3~6
国民民主党 11~21
れいわ新選組 3~4
参政党 8~18
社民党 0~1
日本保守党 2~3
他 7~9


与党過半数割れを狙う立憲民主党。野田代表は物価高対策として、「ガソリン税の暫定税率の廃止」などを訴えました。


立憲民主党 野田佳彦代表
「大事な大事な一つの減税の政策があります。それはガソリン税の暫定税率の廃止であります。こんなときこそ1リッター25円減税する。1リッター25円安くなるということは40リッター給油したら1000円安くなる。これはまさに物価高対策として有効じゃありませんか」

日本維新の会の吉村代表は「自民党」の現金給付を批判し、「社会保険料」を引き下げる「改革」を訴えました。


日本維新の会 吉村洋文代表
「とにかく社会保険料が負担が大きすぎます。これを下げさせてください。どうやって夢持って生活するんですか。負担を抑えるのが政治家の仕事でしょ。選挙前に2万円配りますからよろしく、こんな政治やってたら皆さんの負担はどんどん増えます」


共産党が強調したのは「暮らし」と「減税」。


共産党 田村智子委員長 
「物価高から暮らしをどうやって守るのか。1回こっきりの給付金、選挙のたびに持ち出してばらまいても暮らしは良くならなかったんです。儲かっている大企業や超富裕層、こういう皆さんへの減税、税金のおまけ、これをやめれば税収減らすことなく、消費税5%減税できるんです」


目標とする16議席獲得に迫る勢いの国民民主党。玉木代表は払った「税金」を取り戻し、「手取り」を増やす政策の実現などを訴えていることがわかります。


国民民主党 玉木雄一郎代表
「手取りを増やす。皆さんの手取りが増えれば消費が活性化する、経済も元気になる。物価高騰の先にある、もう一度日本を成長させる。その成長戦略しっかり進めていきたい」


玉木代表に直撃すると...


小川キャスター
「去年の衆院選だったり直近の都知事選に比べての感覚の変化は?」

国民民主党 玉木雄一郎代表
「なかなか厳しいスタートだったと思うが、後半戦盛り上がってきているので」

その場にいた有権者は...

20代・会社員
「今の自民党よりは、いま生きている世代の人たちの目線なので、未来のことを考えると国民民主党かな」

20代・会社員
「すごく国民の意見が反映されやすい政党なのかなと思っている」

そして“台風の目”として注目されているのが参政党です。

神谷代表は「日本」で働く「外国人」の雇用のあり方などを訴えたほか、「選挙報道」についても言及しました。


参政党 神谷宗幣代表
「外国人を雇うのにお金を出すとか、外国資本に儲かる事業をあげちゃうとか、それおかしいから、そこを見直せって言ってるだけで、差別でもヘイトでもありませんって。マスメディアの報道姿勢ね、ちゃんとこれ正していかないと、まともなこと言う人たちが差別って言われますよ。参政党は日本の政治に希望とか期待を取り戻したいわけですよ」

JNNの情勢調査では、10を超える議席を獲得する見込みの参政党。各地の演説場所では多くの聴衆を集めていました。

小川キャスター
「参政党・神谷さんのスピーチが始まると、大きな拍手が巻き起こりました」

有権者の40代夫婦に魅力を聞くと...

40代・専業主婦
「トランプ大統領を応援しているので、親和性を感じていて」

40代・会社員
「『日本人ファースト』確かにそうかもしれませんけど」

40代・専業主婦
「自分たちを優先じゃないですけど、大切に思っていいんだと思わせてもらったというか。自己肯定感というか、それが本来の姿なんだよというのを気づかせてくれた気がします」

その他の政党も、それぞれ独自の重点政策を訴えました。


れいわ新選組 山本太郎代表
「働いてる人だけじゃなくて働いてない人も含めて、みんなの使えるお金を増やしていくような政策が必要。そのためには消費税廃止が必要なんですね。誰かの消費が誰かの所得に回っていく。その循環を大きくしていくってむちゃくちゃ重要なんですよ」


社民党 福島みずほ党首
「社民党は食料品について消費税ゼロ、最低賃金全国一律1500円。そしてあなたの保険料、半額にします。人々の暮らしを支える、あなたの生活を支える、そんな政治を社民党は全力でやっていきます」


日本保守党 百田尚樹代表
「日本の文化、日本の社会が完全に壊されて、例えば今の日本が今のヨーロッパのような国々になってしまったら、そうなったらもうどんな政策を打っても、かつての日本を取り戻すことはできません。野放図な外国人政策をこれを根本から見直したい」


選挙の結果次第で…3つのシナリオ

藤森祥平キャスター:
選挙戦はラストサンデーを迎え、ますます熱を帯びていきました。小川さんの取材現場は国民民主党と参政党で、ともにJNNの情勢調査で今、躍進中であるというところで何を感じましたか。


小川キャスター:
共通して感じたのは、現役世代だったり子育て世代の方がとにかく多いということ。それからこのままでは日本が危うい、今の政治の担い手には任せていられないという閉塞感や焦燥感がありました。

氷河期世代という方にもお話を伺いましたが「初めて自分に向けての言葉が発せられているという安心感がある」とおっしゃっていました。

かつてのトランプ大統領の選挙戦での支持者の方々を想起させるような言葉もありました。ただ、政策実現性や発言の真実味には疑問を抱く様子もありましたが、それ以上に、信じたいという強い気持ちだったり期待が上回っているというのも同時に感じました。

ただ、これは選挙ですから、私達の判断が未来に直結していくという思いで、冷静に広い視野で投票に臨みたいということも同時に感じます。

藤森キャスター:
私達テレビメディアもそうですが、例えば、SNSなどで選挙情報に触れた時に、自分の考えに近いものを見てしまいますが、そこですぐに決めないで、一旦逆の主張をしているところにも目を行かせて吟味して決めてもいいですよね。

有権者の皆さんは、インターネット上でも色々な情報を得ていると思います。


SNS分析ツールを使って、今月YouTubeに投稿された、各政党への言及があったコンテンツの視聴回数を分析しました。

参政党が1469万回を超えトップ。それに自民党が続きます。ただ、その党に対する批判的なコンテンツも入っています。それも含め注目されているということですが、星さんは中盤の情勢をどう見ていますか?


TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
参政党や国民民主党の躍進の動きはありますが、根底にあるのは、やはり政策課題が問われているということです。

物価高対策に対して自民党の政策は果たして有効だったのか。格差が広がっていることに対する自民党の姿勢はどうだったのかということに対して、国民は非常に警戒感というか不満を募らせている。

それも自民党の支持基盤のあたりが自民党に対する離反の動きを起こしているというのが今回非常に珍しい現象だと思いますね。


藤森キャスター:
選挙の後のシナリオを星さんに伺いました。



(1)自公50議席を超えて政権存続
(2)自公50議席割れで石破総理退陣 自民党の総裁選へ
(3)自公50議席割れても石破総理辞めず

いずれのシナリオでも混乱は必至ですね。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
政権が存続しても、衆議院では与党少数なので連立を補充しなければいけない。この秋から来年にかけての課題ということになるでしょう。一息はつけるということです。

退陣の場合は、自民党の総裁を辞めるわけですから総裁選挙があります。ポスト石破を争うということで、自民党の中は大変な混乱になると思います。

一方で、野党側は衆参で多数なわけですから、自民党と野党の多数派工作合戦になります。果たして公明党はどう動くのかというようなことにもなります。

50議席割れても石破総裁が辞めない場合、野党側が例えばガソリンの暫定税率や廃止するという法案を出すと、衆参で通るわけですね。そうすると、政策は野党のやりたい放題。

与党が給付金付きの補正予算を組んで出しても、野党に阻止される。通らないということですので、政権は持たない。秋には、もうやめざるを得ないという局面になると思います。

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〈プロフィール〉
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年


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